14話アップします。今回も、4分割です。

ようつべの、一斉削除っていうタイミングにぶち当たると、やっぱり焦ります。。

(16話の訳が心もとない・・・)

 

ネタバレOKの方のみ、おすすみください。お願い

 

第14話(1)  

私は、1万年の痛みのすべてに耐えられたのか・・・?
私は死んだのか・・・?


「魔王? 魔王!!」

あのバカが私を呼んでいるようだ
なぜ、死んでもからも、あのろくでなしの声をきかなきゃならないのだ?
こんな不幸なことがあるか?


「魔王、魔王、目を開けろ」
ぱっと、目を開ける魔王。
「ああ、ずっと目を開けないから、死んだかと思ったぞ」

「私は魔王だぞ。戻ってくると言っただろう」
嬉しそうな悟空と、後ろから心配そうにのぞき込んでいるソンミ。
「起きろ。起こすぞ。ああ!くそ重いなぁ。」


猿「よく戻ってきたな」
牛「私は、99回の罰の運命すべてに対し、耐えられたのか?」
猿「いや、99回ではなく、88回だ」
牛「えっ?では、まだ、いくつか残っているのか?」
猿「お前は、88回目の打撃を受けたあと、気を失ったんだ。あれ以上、受け続けたら、体が粉々になっただろう」
牛「では、続けないと・・・。一回もやり残すことはできないのだ」
自力で立ち上がる魔王がよろけるとのを、支える悟空。
猿「もう残ってない。一つも残ってないよ。俺は、悪い奴だ。こことここに、バン、バン、バン!!お前の代わりに10回受けたよ。かなり痛いがな。」
ソンミ「そのあと、ス・ボリ師が、最後の1回を受けました。」
猿「神仙のくせに、たった1回で直後に気を失うなんて。まったく、なさけない・・・。」
ひっくりかえったままのス・ボリ師。

ここでは、それだけ驚異的な威力だったってことで・・・それを88回も受けた魔王の愛の深さをじっくりかみしめるべきですよね。
猿「だから、全部、済んでるから、心配するな」

牛「それは、よかった。しかし、なぜ、ここはとても寒くて、真っ暗なんだ?」
猿「えっ?何言ってる?ちゃんと灯りがついてるぞ」
牛「えっ?ここが、明るいと言ってるのか?」
猿「魔王・・・、お前、目が見えてないのか?」
魔王の顔前で、手を振ってみせる悟空。


ショックで、倒れこむ魔王を、慌てて両側から支える悟空と、ソンミ。
猿「魔王、魔王!」
ソンミ「体が氷みたいに冷え切ってるわ」
猿「おい、本当に何も見えないのか?」
牛「そのようだな。世界が真っ暗になってしまったようだ」
不安な思いにかられる3人。

~アイスクリームショップ~

「我々は、私の香炉を見つけださないと。さっさと行って、盗んできてちょうだい、冬将軍」
「斉天大聖と魔王の家から盗み出すのは、私にはとてもむつかしいです」
「香炉には、すでに三蔵の血が入っている。私の血を混ぜるだけで、作動するのに」
「本当に、三蔵の身体が必要なのですか?」
「この身体では、私の力は、昔ほど強力にはならない。あの身体を私のものにする必要がある。探してきて」

そこへ、猪八戒が大声で、アイスクリームショップに入ってきたため、さっと隠れるアサニョ。

「冬将軍!冬将軍!!」
「なぜ、猪八戒様がここに?」
「オレ、夏天女に用があってさ、バーに行ったんだけどいなかったんだよ。でも、冬将軍、なんでまだ、ここにいるの? 遅くないか? 」
「寒波のせいで、多くのエナジーがたまっていて、なかなか寝付けないんです」
「魔王の具合が悪くて、夏天女を呼んでるんだ」
聞き耳を立てるアサニョ。
「魔王は、どうかしたんですか?」
「ああ、運命づけられた死だかなんだかのせいで、打撃を受けたから、彼の身体が凍結しちゃったらしいんだ。夏天女に温めてもらえば、いいんじゃないかって言ってるんだ。夏天女を起こして向かわせてくれないか?」
「はい。少しお待ちください」
「俺が車で送っていくよ」
店を出ていく猪八戒。

「我々は、魔王の家に入り込む理由と手段を見つけたようね」
隠れていたアサニョに全部知られてしまって、絶望的な冬将軍。

~魔王の寝室~
ベッドで横になる魔王の手を、しかたなく(笑)、握ってあげてる悟空。


「とても寒い。」
「俺も10回撃たれたんだよ。俺だって凍結してるのに、お前にエナジーを分けてやってるんだからな」
ああ、そういう理由でしたか(笑)

「すごく寒いんだ。もう少ししっかり握れないのか?」
「引っ張るなって!」
「しかし、まったく・・・こんなんじゃなく、もう一方の手もしっかり握ってくれよ。こっち来てくれよ」
「手を放すぞ!」
悟空に、やってあげなさいよ、と脇腹をつつくソンミ。
仕方なく、左手も添える悟空。


「この借りはでかいぞ!」
「まだ、長い道のりがまだあるからな。いくつかのポイントで支払ってやる」
「おい、まだ神仙になりたいのかよ?アイゴ~。お前が、語った愛の全ては、全部嘘だったのか」

「チャ・ウン(羅刹女)は、どうなった?」
「お前が寝ていたあいだに、今生の人生を終えたよ。どんな復讐も血も流さず、いかなる被害もなく・・・な」

「よかった・・・もう、彼女の罰は終わったことだし、次の人生で生まれ変わり、花のように愛されればそれでいい」
ぐっとくるね、このセリフ。
「ああ、すごく寒い。」
「ああ、もう、引っ張るなよ、マジで!」
「猪八戒さんが、夏天女を連れてきます。そうしたら、夏みたいに熱くなりますよ」

「夏・・・いつ来るんだろうか?でも、なんだか、もう熱が上がってきたみたいだ」
「おい、ここまでやってやったのに! それじゃ、サウナでも行けよ!」
「お前は、人でなしだな。ああ、お前は猿だったな」

そこへ、忠犬マ秘書が、大声をあげながら、駆け込んできました。
「魔王様!魔王様、魔王さま~~~!」

沙悟浄が迎えると、あら、いつものおしゃれ番長が、ボロボロだわ。


「魔王様は、無事ですか?」
「はい、よくはありませんが、無事です」
魔王のいる2階を見るマ秘書。
「どうぞ、おあがりください」

「ああ、それはとても寒い。」
「魔王様、これは、ヒマラヤの雪の中にさく花の果物です」
「これを見つけるために、そんな危険な場所に行ってきたのか?」
「もっと、早く戻るべきでしたが、クレバスに落ちてしまい、脱出するのに時間がかかりまして、少し遅れてしまいました」
「なんと! 大丈夫か? どこもケガしてないか?」
傷だらけの手を、ぱっと隠し、


「ええ、大丈夫です。」と答えるマ秘書。
「それは、回復に役立ちます。さぁ、急いでお召し上がりください。」
「この果物だが・・・あのバカと分けあってもいいかな? あいつも俺の代わりに、10回も受けてくれたんだ
「だめです!分けあえるほどゆとりありません。。急いで、一気に一口でそれを食べてください!」
「しかし・・・一人でこれを食べるのは・・・おお、一切れ、落としてしまったかも、なんだか申し訳ない感じだ」
「私は、魔王様に、これよりもさらに良い薬を見つけてきますから!」
「ああ。」

マ秘書に遠慮して、階段に腰掛けて待っていた悟空とソンミ。
「おい、犬秘書、なんかいいものをもってきたんだろう? 俺にもくれよ」
「ありません!」
さっさと、出ていくマ秘書。
今度は、どんな危険な場所に取りにいくんだろうか?(笑)

「絶対、良いものを見つけてきたはずだ。魔王に全部与えたにきまってる。忠誠心のない奴だ」
「私はあると思うわ。彼らは、なにものでもない妖怪にも関わらず、本当に忠実な感覚を持っているもの。マ秘書さんと沙悟浄様の2人は、本当に、忠実にあなたたちに仕えているでしょ。正直に言うと、人間関係の中で、そんな風に永遠に続くものなどありません。」
「我々は、一度関係を持っていたら、それは永遠に続くことを意味する。裏切ったら、命で支払うんだ」
ふと、神仙の自分と人間のソンミ・・・自分たちの関係を考えたのか、微笑む悟空。

「夏天女を連れてきたよ」
いろんな人が出たり入ったり、忙しい牛猿ハウス(笑)

「ああ、君がここにいてくれるだけで、空気がとても暖かくなったよ。」
「魔王様、凍結した毒によって、身体にかなりのダメージを受けています。今から、家全体を温めますね。そして、体を温めるお薬を作ります。」
「ああ、ありがとう、ありがとう。」
「凍結した毒が解毒されたら、目も見えるようになるはずです。」
「ところで、声だけで姿が見えないと、以前のような姿を思い出すな。君は、絶対的な美しさだった。もちろん、今の君も美しいよ。早く自分の目で見たいものだ」
「以前の私を覚えていてくださって、ありがとうございます。」

階下でも、夏天女の美しさについて、話題に上っている。
豚「夏天女は、以前は本当に美しかったよな」
ソンミ「夏天女は、もともとは、冬将軍と別の身体だったんですか?」
豚「夏天女は、最も美しい妖精だった。」
河童「そのとおり。 ヒョンニムも、彼女が天で最も美しいとおっしゃってました」

一瞬、顔が曇るソンミ。
ソンミ「そうですか?彼女は本当にきれいだったんでしょうね」
猿「夏天女か?もちろん、彼女は驚くほど、綺麗だったよ!」
猪八戒だけが、ソンミの変化に気づいてます(笑)


豚「どんなに、綺麗な女性でも、悟空ヒョンは、彼女には興味ないからね」
ソンミをクールダウンさせようとする八戒。
河童「いいえ、ヒョンニムは、彼女に相当、興味をお持ちでしたよ。彼女のために、西国の女王の母から、不死の桃を取り寄せました」
猿「おお、おお!そうだったな。俺も覚えてる!ああ、あの時は、俺は天界で、超モテモテだったんだよな。仙女たちは、俺と天界の王を、争ったものだ・・・」


必死に、黙って、とサインを送る猪八戒。

ソンミ「もう帰ります!」
猿「え? なぜだ? 彼女が下に来るまで、いないのか?」
ソンミ「結構です」
ぷりぷりしながら、帰っていくソンミ。

豚「ほら、怒っちゃったじゃないですか!」
猿「なぜ?」
豚「なんで、別の女性を綺麗だなんて、彼女の前で言うんですか?それから、沙悟浄も、彼女の前で、不死の桃の話なんか持ち出して!!」
まだ、ピンときてない朴念仁のふたり(笑)

豚「早く! 三蔵を追いかけてください!」
猿「・・・そうか」
とりあえず、ソンミを追いかけていく悟空。



豚「はぁ、あの猿!時々、オレは本当に彼は馬鹿だと思うよ」
河童「でも、ヒョンニムは、本当に三蔵のことが好きなようだ。夏天女の話を持ち出したお前のことや、桃の話をした私のことを叱らずに、そのままにしていっただろ?」
豚「知ってるよ、いつもの短気なヒョンなら、すでに、こうやって、火球を取り出したかもしれないが、ただ、三蔵を夢中で追いかけていったもんな」
ふたりして、愛すべきご主人様をからかってるよ(笑)

河童「でも、夏天女がここにいたら、その間、冬将軍は働けないってことなのか?」
豚「たぶんそうだ。妹と体を分割して共有するのは苦労だよな。冬将軍は、すごいよな」
河童「でも、あの2人の兄妹の魂が身体を共有することになった経緯を知ってるか?」
豚「いや、オレもそれについて聞いたことがないよ。あ~あ、オレも帰らないとな。お前だって、明日も仕事だろう?いい加減、帰れよ」
「はい。冷蔵庫にキムチを戻したら、帰ります」
「じゃあな」

~ソンミ自宅~
ソンミが戻ってくると、すでに、悟空が玄関で立っていて・・・。
「おい」

「なぜ、あなたがここにいるの?」
「追いかけたら、もうタクシーに乗り込んでた。俺が突然、タクシーの中に出現したら、運転手がショックを受けて、事故るだろうなと思ったから、先にここにきて、待ってたんだ」

「あなたは、過去の自分自身を思い出して楽しんでたんでしょ?どうして、こんなとこに来たの?・・・爆発的な人気?」
「昔、可愛かったって言ったのが、そんなに重要なのか?俺は、これを身に着けてから、お前以外の誰のことも綺麗に見えたことなんかないんだ!綺麗なのは、おまえだけだ」
緊箍児(きんこじ)を見せる悟空。
「それって、緊箍児のせいで、綺麗に見えるだけだって言ってるようだけど、私、もともと、かなり綺麗だったのよ」

「きれいだ、きれいだ。ボロボロの服にはかなり見て、あなたが怒っている場合でも。何をしていようと、きれいだよ。」
「緊箍児のせいなら・・・はめるまでは、綺麗だなんて、聞いたことなかった。」

あ、っと考え付くソンミ。
「緊箍児を嵌める前、どう思ってたの? あの時はどう思ってたの?思い出して!」

「あの時は・・・その~、本当にお前が綺麗か、そうでなかったかなんて、判断する時間なんかなくて・・・なんて言ったらいいか、」

「ただの獲物に過ぎなかったから、おいしいかどうかが気になったの?私、チキンかなにかなの?」

「お前は、俺が緊箍児をはずしたら、綺麗に思わないんじゃないかって心配してるのか?」

「うん。あなたが私に誠実じゃないことが心配なの」
「なぜ、そんなことをわざわざ心配する?これからも、ずっとこれを外さずにいればいいだろう?俺は、これを外す必要がない。ずっと、お前を愛していたい。これは、俺自身の意思だから、誠実だろう?」
あああ、完全に堕ちるよね。
微笑んじゃったソンミ。

「わかったわ。もう平気になったから、帰ってもいいわよ」
降りようとするソンミをバックハグする悟空。


「平気になったから、って、それって、あまりにもつれないじゃないか?もっと、ヤキモチやけよ。その分、慰められるだろ。こうして、喧嘩するのもいいよな。お前がきれいか、そうじゃないかなんて、喧嘩することも必要なんだな。悪鬼を退治して、結婚するだけなんて・・・つまらない。お前が生きたいといってた普通の生活っていうのも、悪くない。ちゃんとわかってる。ただ、一緒にいられるだけですばらしいんだ」

「斉天大聖孫悟空は、人間チン・ソンミを心から愛してる」


ぬお~~~。
ソンミの分も、私が、興奮して、大声あげてあげようか。
耳元で愛の言葉をささやくとか、子供のころ、知ってた「孫悟空」がどっか吹っ飛んでいったよ(笑)

「さ、帰るよ。ゆっくり寝ろよ」

「待って!」
玄関を出ようとする悟空の腕を掴むソンミ。

「普通の人は、喧嘩したあとに、選択が必要なの。」
いきなり話し始めたソンミを、不思議そうに見つめる悟空。


「友人だったら、一緒に飲んで、家族だったら、お小遣いをあげたりするわ。恋人なら・・・ちゃんとなぐさめてから帰るのが正しいんじゃない?」
言ってしまってから、急に、自分の言ったことをに恥ずかしくなったソンミ。
悟空が玄関のドアを閉める音をきき、観念したように、目を閉じる。


「じゃ、帰らなくてもいいのか?」


振り返って、頷くソンミ。
「うん」

★第14話(2)に続く★