JSDA オフィシャルブログ 「MORe Dance」 Powered by Ameba -166ページ目
<< 前のページへ最新 | 162 | 163 | 164 | 165 | 166

MORe Dance創刊記念インタビュー(TAKAHIRO)




JSDA オフィシャルブログ 「MORE Dance」 Powered by Ameba


今や日本人が世界で活躍することは業界やジャンルを問わずに珍しくない。
ダンスの世界でも、日本人ダンサーが海外のビッグアーティストと共演したり、

欧米の賞やタイトルを獲得したというニュースは、よく耳にするだろう。

今回、インタビューするTAKAHIROも世界で活躍する日本人ダンサーの一人だ。
NewsWeek誌の「世界が尊敬する日本人100人」に選出され、昨年はマドンナのPV・ワールドツアーへの出演、

さらに今年に入ってから日本でのドキュメンタリー番組等への出演で、TAKAHIROの名は、広く知れ渡るようになった。
JSDAやエイベックス・ダンスマスターの普及に携わっている丹野とは、昔のダンス仲間ということもあり、

創刊記念スペシャルインタビューとして、TAKAHIROのダンスに対する考えや思いを尋ねてみた―――。

『 MORe Dance』創刊記念スペシャルインタビュー』



JSDA オフィシャルブログ 「MORE Dance」 Powered by Ameba


丹野(以下 丹): 昔のメンバーとこんなインタビュー形式で話すとなんか緊張するな(笑) 


TAKAHIRO(以下 T): そうですね(笑) 僕も変な感じがします。


: あの頃は、TAKAHIROと僕とでダンスユニットやってたよね。


T: ですね! 今でこそ色々なスタイルが確立されて普及されてきましたけど、ユウキくんと一緒にやっていた時なんかは、まだまだ情報が少ないときでしたから、新しいスタイルを取り入れたりすると、周りからの視線が厳しくて肩身が狭いこともありましたね。


: そうそう! でも、その頃からTAKAHIROのダンススタイルは基本的には変わってないよね。


T: 好きなことを突き詰めたかったんです!




: 今まで聞いたことなかったけど、ダンサーになろうと思ったのはいつ頃から?


T: 気付いたらダンサーになっていました。踊ることに没頭していた時から自分はダンサーだったと思います。ただ、プロダンサーになろうと思ったのはNYに来て2年が過ぎた頃です。米国のコンテストテレビ番組で優勝した後、初めて決意しました。


: そうだったのか。活動の拠点を日本ではなくアメリカ、それもNYを選択したのはなんで?


T: はじめは、長く滞在するつもりは無かったんです。僕は大学4年間、東京でバカがつくほどダンスに没頭していたんですが、就職の時期にダンスを辞めようと考えていました。でもどうしても簡単には諦め切れなくて、「これが最後の挑戦」と選んだ舞台が、NYのハーレム地区アポロシアターで開かれる「アマチュアナイト」という大会でした。この大会は世界で一番有名なHIPHOPエンターテイメントのコンテストと聞いていましたし、世界最大の壁にぶち当たって終わるなら、この青春は気持ち良いと思っていました。ところが、その大会で優勝をしてしまった。そして1年間を勝ち抜いて、翌年に全米放送のテレビコンテストに出ることになり、そこで9回連続優勝してグランドチャンピオンになったんです。その時にチャンスを掴んだNYでもう少し挑戦してみる決意をしました。そうして、少しずつ歩んでいった今、6年目になりました。


JSDA オフィシャルブログ 「MORE Dance」 Powered by Ameba



: 向こうでいろいろなダンサーと会ってみてどう? 日本人はダンサーとしてのスキルは高いのかな?


T: 特に技術という点では間違いなく世界クラスだと思います。

それは欧米で行われているコンテストなどでも日本人が多く入賞し、実証されています。一つの技術を突き詰めていく姿勢は日本人ダンサーの大きな武器だと思います。


: 少し深い質問をしてもいい? 日本では、インストラクターやバックダンサーを出口に設けたストリートダンス検定がスタートしたんだけど、それついてどう思う?


T: 正直なところ、「ストリートダンス検定」の言葉が包括する範囲が広すぎるので、色々な誤解を生むのではないかと思いました。ストリートダンスには、沢山のジャンルがあり、いろいろな考え方もあります。さらにダンスは、決まりがないからこそ「生き生きとする」という考え方もある。ダンスは、学問でなく芸術性を多くはらんでいるから、ただ全てを「検定」として、良し悪しの評定をする権利は誰も持てないように感じています。


: TAKAHIROらしい意見だね。


T: でも、資格を与えることが、将来ダンサーの仕事で役立たせるためという考えに立っているのであれば、これを実施してみようという試みはとても意義のあることだと思います。個人的には、もし「ストリートダンス検定」が空手のように「流派」を明確にすれば、より分かりやすくなってくると感じています。例えば、僕のスタイルの流派に関しては、僕が創設者ですから良し悪しを決められると思います。だから、「TAKAHIRO ダンス検定3級」などはあってよいと思いますね。

JSDA オフィシャルブログ 「MORE Dance」 Powered by Ameba
: すごく興味深いアイディアだね。それでは、社会的地位がまだまだ確立されていないダンサーという職業が、この先にもっと認められるようになっていくためには、どう変えていくべきだと思う?


T: 社会的地位とは何を指すのかを明確にする必要もあります。単純に僕が考えるところで、一つは、「ダンスを職業とした人が、サラリーマンと同じくらいの収入を得て安定して過ごすことが出来る」ということかなと思います。日本でも米国でもスキルは上がっているのに、その向上に対してのギャランティーは低いままと言う事例がまだ多く見られます。さらに、仕事が安定して得られる土壌も発展途上にあるように感じます。変えていかなきゃいけないことは、ダンサー全体が仕事を受ける際の意識とポリシーを高めていくこと、そして仕事を与える側にも意識改革を求めることです。現にアメリカではダンスの部門には「労働組合」が存在し、ダンサーの価値の不当な暴落を抑えています。
 もう一つは、「対価はなくても、みんなに憧れられ、名誉や威信を得られる職となる」ということです。ストリートダンスがダンサーのためだけではなく、一般の人にも触れやすいものとなり、かつ全ての人々が「これはすごい」と分かりやすく認識できる指標があることが望ましいです。例えば芸術芸能で言う「人間国宝」、役者で言うなら「オスカー賞」など国際的、国家的に認められるほど訴求力は高くなっていくと思っています。他にも社会的地位を上げていく可能性はたくさんあると思いますが、社会的地位が上がることだけが、良きダンスの未来とも限らないかもしれないとも思っています。


: しっかりした意見を有難う。最後にTAKAHIROの夢や目標を教えてください。


T: 目標は、来年NYのストリートダンサーによる今までにないタイプの舞台を作り、日米で公演すること。夢は、将来、世界の人があっ! と喜んで憧れるようなナンバーワンのエンターテイメントグループをプロデュースしたいですね。


:今後はTAKAHIROにワークショップや講義などを日本で是非やってもらいたいね。JSDAでも是非お願いします。これからも応援してます!



JSDA オフィシャルブログ 「MORE Dance」 Powered by Ameba
丹野 雄貴(たんのゆうき)
98年よりダンサーとして活動を始め、イベント・PVなどに出演。2000年にヨーロッパ7か国をダンス修行としてまわり、帰国後は日本でのTAKAHIROの活動時、2つのダンスユニットにて共演する。その後、ダンス番組への出演やアーティストのバックダンサーなどを経験し、08年よりエイベックス・プランニング&デベロップメントに入社。現在はエイベックス・グループのダンス事業全般に携わり、ダンス文化の普及に努めている。


ハウスダンス界の最重要人物 本物の"Dance"を世界へ伝えつづける男





MORE Dance



約20年前、日本にハウスダンスカルチャーを植えつけたのは、まさしく「彼」だろう ――。

NYのストリートダンスシーンを牽引し続けたハウスダンス界のパイオニア

EJOE(イージョー)のダンスへの熱い思いは、今も昔も変わらない。




 EJOEがダンスを始めたきっかけは、小さい頃に見ていた『SOUL TRAIN』の影響だという。今と違い、黒人が差別や偏見にさらされ、力を持てなかった時代。そんな限られた環境の中で放送されていた黒人向けの番組の1つが『SOUL TRAIN』だった。「うちでも家族全員で見ていたし、ブラックファミリーのほとんどが見ていたと思う。そこで毎回新しい曲やクールなダンスステップが見れる。俺は大の曾祖母っ子だったんだけど、彼女が足の上に俺の足を乗せて一緒にステップを踏んでたんだ。一緒に踊るというよりも曲のリズムに合わせて音を取るって感じかな。」そうした曾祖母との遊びの中で、彼はリズムやビートを学び、自然と音のタイミングがわかるようになったという。「リズムを体で感じ取る事が俺のスペシャルな才能だったんだ。スキルやムーヴはTVを通し、オリジナルSOUL TRAINダンサーであり、Waacking(Punking)のオリジネーターであるTyrone Procter等のダンスをいつもチェックしていた。その時は20年後に本人達に会う事になるなんて夢にも思って無かったけどね。(笑)」




 EJOEの幼い頃の夢は、実は俳優になることだった。しかし、彼は自分が持っているダンスという特別な才能に次第に気づいていく。いつ頃からか彼は、ダンサーとしてプロを目指し、職業としての道を選択しようとしていた。その頃の彼はダンサーとして将来を向かえることに不安を感じて EJOEがダンスを始めたきっかけは、小さい頃に見ていた『SOUL TRAIN』の影響だという。今と違い、黒人が差別や偏見にさらされ、力を持てなかった時代。そんな限られた環境の中で放送されていた黒人向けの番組の1つが『SOUL TRAIN』だった。「うちでも家族全員で見ていたし、ブラックファミリーのほとんどが見ていたと思う。そこで毎回新しい曲やクールなダンスステップが見れる。俺は大の曾祖母っ子だったんだけど、彼女が足の上に俺の足を乗せて一緒にステップを踏んでたんだ。一緒に踊るというよりも曲のリズムに合わせて音を取るって感じかな。」そうした曾祖母との遊びの中で、彼はリズムやビートを学び、自然と音のタイミングがわかるようになったという。「リズムを体で感じ取る事が俺のスペシャルな才能だったんだ。スキルやムーヴはTVを通し、オリジナルSOUL TRAINダンサーであり、Waacking(Punking)のオリジネーターであるTyrone Procter等のダンスをいつもチェックしていた。その時は20年後に本人達に会う事になるなんて夢にも思って無かったけどね。(笑)」




MORE Dance



 EJOEの幼い頃の夢は、実は俳優になることだった。しかし、彼は自分が持っているダンスという特別な才能に次第に気づいていく。いつ頃からか彼は、ダンサーとしてプロを目指し、職業としての道を選択しようとしていた。その頃の彼はダンサーとして将来を向かえることに不安を感じて








MORE Dance




日本は既に独自のストリートカルチャーが確立されてきていると思う。




 日本には今までにも何度も足を運んでいるというEJOE。TRFのSAMやEXILEのHIROとも交流がある。そして、日本にHouse Danceを持ってきたのは、まさしく彼であろう。そんな日本のダンス事情にも精通しているEJOEに日本のストリートダンス文化についてどう思うか尋ねてみた。「日本のダンスカルチャーは、この17、8年間見てきたし、変化も知っている。今のアメリカのストリートダンスカルチャーは停滞気味だと思うが、日本は既に独自のストリートカルチャーが確立されてきていると思う。素晴らしい事だ。ただ良いか悪いかは別として沢山の情報が溢れすぎてダンサーの頭の中もいっぱいいっぱいになってきている様な気がするな。自分のスタイルを追求する事も大切だと思うよ。」さらに、EJOEは、日本のダンサーについてこう語る。「日本のダンサーはダンスに真面目でスキルもありレベルが高いと思うが、まだまだ足りない部分はフィーリングとヴァイブスだ。もっと音楽、曲を聴いて欲しい。言葉の問題はあるかもしれないが問題はそこじゃない! 音楽を聞くんだ!音楽/音に言葉は無い、体で感じ取るんだ。俺だって日本語が話せないけど、日本人のアーティストの曲を聴いて踊る事が出来るよ」




 一つ一つのインタビューに丁寧に、そして時には冗談も交えながら、身振り手振りで饒舌に話すEJOEは、日本人に愛されるキャラクターの持ち主だ。あえて質問はしてみなかったが、きっと日本の文化にも非常に好意を抱いているだろう。EJOEは、JSDAが行うダンス検定についても、ダンサーの個性が失われてしまわないように慎重に進めてくれと助言をしながら、「ストリートダンサーの地位向上には良い事かもしれないし素晴らしいことだと思う」と好意的に受け止めてくれた。






MORE Dance




俺たちオリジネーターの言う事を聞いてくれ!




 最後にプロダンサーを目指す若者たちへ向けて、EJOEは熱くこう語ってくれた。

 「俺たちオリジネーターの言う事を聞いてくれ! 今の若いダンサーはダンス自体をバトルだと思っている奴が多いと思う。そして多くの奴が俺たちやELITE FORCE達をバトルダンサーだと思っているがそれは違う。もちろんバトルはHIPHOPやブレイクダンスには欠かせないストリートダンスの一つの要素だ。でも俺たちは喧嘩をする為にいる訳ではないんだ。若い頃は親と喧嘩して衝突するだろう。親だってただ怒っている訳じゃなく、自分の子供が良く育つ様にアドバイスしたいだけ。反抗したい気持ちもわかるが、たまには耳を傾けてくれ。俺たちは若いダンサーに教えていきたい事がたくさんあるんだ。」






MORE Dance



表面的に形を作ったり、機械的に肉体を動かすのではなくて、自分の中から出てくるものを100%の踊りで伝えるということ。




 今回のNY滞在でYUMOが一番心待ちにしていたことでもあり、そして最も目を輝かせた瞬間は、EJOEのダンスレッスンだった。ZOOやTRF、そしてEXILEのメンバーたちにも影響を与え、もはや生きる伝説として多くの日本のダンサーから深くリスペクトされ続けているEJOE。そんな彼のダンスレッスンを、世界中から訪れて来るダンサーたちと交じりながら、名門ダンススタジオ“BROADWAY DANCE CENTER”で受けることは、ダンス文化の先進国であるアメリカ、その文化の中心に位置するニューヨークならではのプレミアムな体験であった。「EJOEは、教えるのが本当に上手い。ひとつひとつの振りをただ覚えさせるのではなく、どの振りを組み合わせていけば、どう体が動いていくかということに重点を置いて教えていた。彼はどのステップの組み合わせ方で、どういう体の流れが作れるというような、ひとつひとつの体の使い方がわかっている。これは、僕の想像ですが、自分たちでステップを考えてきた人だからこそ、どうやったら自分たちのやっていることが同じ様に伝えられるんだろうと常に意識していたのだと思う。」とYUMOは言う。




 普段、YUMOにとってあまり馴染みのないHouse Danceのレッスンだったが、レッスンが始まれば、自然と体がついていってるのは、豊富なインストラクター経験が養ってきた勘の良さからだろう。「Houseは、めちゃくちゃ楽しい。HIPHOPと比べてみても、より純粋に音やビートを楽しんで、ステップを作っていける。」YUMOは、EJOEという偉大なダンサーが伝えるひとつひとつのステップを少年のようなまなざしで見つめていた。アメリカで過ごした幼少時代に戻ってきたかのように―――。




 日本に帰国してから、YUMOにEJOEについての感想を聞いてみた。「一言でいえば、純粋な人。情熱的で純粋な気持ちがあるからダンスを伝えられる。EJOEがレッスンで教えていることは、表面的に形を作ったり、機械的に肉体を動かすのではなくて、自分の中から出てくるものを100%の踊りで伝えるということ。House Danceというものがどういうものか教えられるのはやっぱりあの人でしょう。」



MORE Dance



Hello Dancein New York!!feat.YUMO

<< 前のページへ最新 | 162 | 163 | 164 | 165 | 166