京から旅へ/ 式年遷宮①伊勢神宮の“お木曳き” | 創業280年★京都の石屋イシモの伝言

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伊勢神宮の“お木曳き”(おきひき)に行ってきた。

と言っても、 2007年6月26日のブログに書いたことなので、
丁度、5年ほど前のことである。

 

元々、東京で育ち、修学旅行で伊勢に行くわけもなく、
神宮を参拝するという、ご縁はまったくなかった。

でも京都に来てからは、距離の近さもあり、観光や仕事で何回も
訪れるようになったが、この“お木曳き”を経験してからは、
毎年、年が明けたら必ず行くようになった。

既に今年も2月に訪れ、正式参拝をしている。


そして今回は、6月8日(金)、9日(土)と伊勢を訪れ、今年2回目の
正式参拝を行ったが、そのことをリアルタイムに(?)書く前に‥

何故ゆえ、そう何回も伊勢神宮に行くのか(?)ということもあり、
他所で5年前に書いた、式年遷宮のブログを開くことにした。
※当時から、ブログ更新は不定期で遅れ気味なのだが^^

                                   

伊勢神宮の“お木曳き”に行ってきた。

と言っても、二十日以上前のことだが。丁度、日記を怠けて
いた頃のことで、そのままスルーしても良いのだが、
めったに経験できることではないので記す。

私も知らなかったが、伊勢神宮では内宮、外宮(げぐう)ともに
20年毎に新しい神殿を、昔の技術のままに作り直し、大神にお遷り
いただく式年遷宮(しきねんせんぐう)という慣例が残っている。

690年の持統天皇4年から始まり、戦国時代の一時的な中断は例外に、
現在まで続いており、1300年を越える驚くべき歴史を有している。

建物だけでなく全ての調度品、御装束、御宝も新しく作り直す
ことで、古来の技術が継承されることも大きな目的のようである。
次代への技術継承には、20年周期が妥当と考えられていたようだ。

神殿造りに使われる御用材は、木曾山中より切り出される。

御用材は、トラック輸送されるが、伊勢神宮に入る手前で降ろされ、
そこから“お木曳き”という昔からの方法で中に納められる。

この“お木曳き”のために6月2日、3日の土日で伊勢に入ったのである。
 
“お木曳き”には、2通りのコースがある。

外宮(豊受大神宮)の御用材を大きな奉曳車に乗せて引っ張って納める
陸曳き(おかびき)と、

内宮(皇大神宮)の御用材をそりに乗せて五十鈴川の中を通って納める
川曳き(かわびき)である。

いずれも、伊勢の人々(神領民)だけに許された伝統行事であったが、
昭和48年の“お木曳き”(第60回式年遷宮)の時から一般の人々も
「1日神領民」として参加できるようになった。

今回は62回目。全国から76団体が集まり、今年は14日間で約4万2千人
の参加があった。

2日(土曜日)の昼に京都からバスで行き、3時頃、内宮を正式参拝。
その後に「浜参宮」を参拝した。



お祓いにより心身が清められるとともに、明日の“お木曳き”の無事
が祈願されたのだ。

そして、翌日は暑くもなく、寒くもない。絶好のコンディション。

白装束にお揃いのハッピを着た、約1500人の綱を引く人々が集まった。
二本の長く太い綱の左右に別れ4列で並ぶ。老若男女、様々な顔が揃う。

やがて町衆の木遣唄が、ざわめきを押さえ込むように流れ、
続いて、 大きなと「エンヤ~」の掛け声とともに、

太い2本の綱がビーンと張り、 巨大な木の台車が、
クォーーーっと鳴きながら、ゆっくり、ゆっくりと動いていく。

音頭をとる少年の「エンヤー、エンヤー、エンヤー」の掛け声と共に
綱を引く人々も「エンヤー、エンヤー」と綱を上下に動かし、
あいた 片手を突き出しながら奉曳車を曳き続ける。

 

人が多すぎて綱が持ちづらい。歩幅狭く、緩々と歩くのでシンドイ。

何年か前までは、二本の綱が道幅いっぱい広がったり、狭まったりと
激しく曳かれていたが、最近は安全の為に、お稚児さんの行列の様。

行列はそのまま、ゆっくり、ゆっくりと、約3Km先のゴールへ。

20年に一度の、とってもアリガタ~イ経験なのだが、
私自身、最後は列を離れ写真を撮ったり、だらしなく、
「エンヤー、エンヤー」の掛声だけの係りになったり^^

奉曳車を納めた後は、今度は外宮で正式参拝が行われた。

そしてホテルに戻り、直会(なおらい)。打ち上げの昼の宴である。

結局、最後は“お木曳き”ならず、
“お神酒”をたっぷりいただいての、伊勢の旅であった。

(2007年6月26日記載) 

式年遷宮②撮影禁止「山田工作所」へ、続く

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