今年もまた
年賀状の時期がきた

今でも思い出すのは
子供の頃のこと

私が物心がついたばかりの
幼い幼稚園の頃
母は
私宛てに届いた年賀状の相手に
必ず年賀状を書かせた

決して綺麗でもない
たどたどしい字ではあったけれど
母は毎年こう言った

「年にたった1回くらいの年賀状を
面倒がって出さない人には
なってほしくない。
きちんと出して
来た人には
きちんと返すのが人としての礼儀」

母に従って
毎年そうしていた

出したことで誰も何も言わなかったが
なんとなく
出すことで新年が
新たになったような気がして
気持ちがほっこりしていた 

そして
あれから今も
それはずっと続けている
 
言い続けた母は
70歳を過ぎた今も
ひとりひとりに 
手書きの年賀状を送り続けている


大人になってから働き始めて
今思い返すと

いろんな職場で
お世話になってきたが

今も繁栄している会社は
私が退職の時
一個人であるにも関わらず
きちんと対応してくれた

あるアパレル会社の時は
わざわざ
料亭を予約してくれて
社長と奥さまは
美味しいお料理をご馳走してくださった

6年間の思い出話を
たくさんしながら
奥さまが買ったという
紙に丁寧に包まれた箱を頂いた

そこには

「美香さんに似合いそうだったから♥️
長い間本当に
会社に貢献してくださって
ありがとうございました
また、なにかあったら
よろしくお願いします😊」

私の好きな花柄のエプロンが
入っていた

もう色褪せてしまったエプロンだけど
これを見ると
今でも
食事をしたあの日の光景が
鮮明に見えてくる

頑張ってきて良かったと
思えた日でもあった


今回
私に連絡があり
以前勤めていた会社の
社長の息子さんもまた
一身上の都合で退職の日に
オレンジと黄色の大きな花籠を
用意してくれていた

「美香さんが好きそうだったから✨
ほんとに長い間
お疲れさまでした
体に気をつけて頑張って

社長であるお母様からは
これまた
三越の品物をプレゼントしてくださった

そこにも
一筆箋が添えられてあった

「本当に
あなたにはお世話になりました。
心より感謝しております✨💍✨」

帰ってから
勝手口のドアの向こうで
ゴミを捨てながら
おんおん泣いた

でもなぜか
退職してからもずっと
毎年 社長からは
年賀状が届いた

孫が大学生になったとか
なんとか元気にしておりますとか
他愛ない文章であったけれど
あぁ…お元気で良かったと
思える内容だった

そして
今年も来たその年賀状には
こう書かれてあった

「今年からまた
あなたにはお世話になります。
人とのご縁は大切だと
常々感じております」
と。

やっぱり
素晴らしい人だ

行くと決めた私の直感と決断は
やはり
間違ってなかった


そして
今年もまた
年賀状の季節がやってきて

退職する2つの場所から
年賀状は届かなかったけど
それに批判するつもりはない

あぁ そうなんだと
思うだけである

書けない事情があるのかもしれないし
書かないというポリシーが
あるのかもしれない

でも
私は書き続ける

逆に
日本の中心で
わたしのそろばんを応援してくださる方は
まだ
出逢ってから1か月半にもかかわらず
年賀状が届いた

文面には

先日は、貴重なお時間を頂戴し
誠にありがとうございました。
美香先生の塾の繁栄を
切に願っております。
頑張ってください。
これからも
どうぞよろしく
お願いいたします。

と丁寧に書かれてあった

素直に嬉しかった

そこには
愛が溢れている感じがした

そういう人の側で
切磋琢磨しながら仕事が出来るのは
このうえなく幸せだ✨


共通して言えることは
こういうことが
きちんと出来る人は大成している

物事の始まりと終わりの大切さを
きちんと知っている

人を大事に扱える人は
そこに常に感謝の気持ちがあり
栄えている


年明けに
生徒さんの保護者さんに会い
何人かこう口にしてくださった

「独立されて
おめでとうございます🎍」

「達筆な年賀状を頂き
ありがとうございました😊」

勝負はこれからだ

守りではなく
攻めの姿勢で
これからも行く

夏も冬も花火🎆🎇を打ち上げる
そんな人間でありたい


明日は
薬局最後の日だ

何十年も前から
私がどこの会社を退職する時も
1か月前ぐらいになると
母が言ってくることがある

「たとえ
相手がどんなに
憎い人間であっても
どんな人であっても
どんなことを言われようとも
あなたは
最後まできっちりと
自分の仕事を果たしなさい。
最後まで
あなたらしくきちんとね。
そうしたら
あなたの株は上がる。
見ている人は見ているから」
😊

そう言って
私の門出を見送ってくれる

きちんと辞めたから
いつどこで誰と出逢っても
堂々と会える
そんな人になりなさい と。

だから
最後まで自分らしく
自分のしてきた仕事に誇りを持って
堂々とその場を去る

自分が決めたことだから
後悔も未練もそこにはない

あの日から一生懸命
自分の仕事をこの薬局でしてきた

あるのは
自ら選んだ決断と
明日からの未来だ

何が起ころうとも
後悔だけはしない

これで良かったと思えるだけの未来を
自分で
明日から作っていくだけ

明日は退職するのに
悲しくはなく
笑顔で今日を迎えた

不思議と
心が晴れ晴れしている

明日も
晴れるといいな。