日本茶アンバサダー第2期の平山毅さんに案内役をお願いして、狭山茶の第2位の産地、所沢を訪ねてきました。
ちなみに狭山茶の第1位の産地は入間市。
ちなみにちなみに狭山茶の生産エリアは埼玉と東京にまたがっているので埼玉の「狭山茶」と東京の狭山茶があって、東京の方を「東京狭山茶」とよびわけることもあります。
日本茶アンバサダー協会では、昨年実施した公募講座の茶畑実習で
第1回では埼玉の横田園さんに、
第2回では東京の杉本園さんにお世話になりました。
お茶そのものも「狭山火入れ」という独特の製法でおもしろいのですが
(補足:といってもみんながやっているわけではないです)
産地としての特性にとても強く関心をもっていました。
関心のポイントのひとつは、
都心部にあって、住宅地の中に茶畑が点在するロケーション。
もうひとつは、業界用語では「自製茶園」というのですが、栽培から製造、パッケージング、販売まで全て自身で行い、売上のほとんどを小売りでたてているお茶農家さんがスタンダードという全国でも珍しいエリアなのです。
多くの茶産地では、問屋さんやJAさんに卸すのみ、または一部小売りもしている、というかんじです。
最近では売り上げを向上させる、自園のお茶を味わってほしい、そんな意欲の高いお茶農家さんが新たに乗り出していますが、狭山茶のエリアではその成り立ちから自製茶園が中心となっているそうです。
3月3日、はからずしもひな祭りの日にお話を聞かせていただいたのは
さいたま茶業青年団の団長をされている、お茶の片居木園の片居木豊さんです。
狭山の多くのお茶農家さんは戦後にお茶に切り替えたところが多く日本茶のニーズが右肩上がりの時代だったため、各自で茶工場をつくって販売までするスタイルに自然となったのだそうです。
片居木さんも、先祖代々ここで畑をやっていて、戦後にお茶をはじめて3代目にあたります。
学校や病院など卸売りもしているけれど、通販およびご近隣の方を中心とする小売りで売上をあげている、地産地消型。
そんな茶農家が埼玉だけで250件(!)あるということです。
たしかに片居木園さんへの道中にも何件もお茶園さんの看板をみました。
お茶の消費が減っている時代の波も思いっきりかぶっているところへ福島の原発事故の影響もあり、この数年はたいへんきびしいものだったとお察しします。
なんとか盛り上げていこうということで、冊子を作ったり、
固定概念の少ない若い人たちが中心となって取り組んでいます。
ここが片居木さんの茶畑。
店舗とご自宅の奥に位置するため、道路から見ただけではこんな気持ちいい茶畑が広がっているとはわかりません。
都心部にあるという地の利を含め、チャンスはたくさんあるとわたしは感じました。
平山さんのクール狭山茶プロジェクトも動いてますしね!
片居木さん、お忙しい中お時間をいただきましてありがとうございました。
火入れのおはなし、品評会のおはなし、などなどたいへん勉強になりました。