グアムで再会したコーンと敦賀さんは

そっくりだった。

   敦賀さんは妖精のDNAを持っている!

   


    「バルコニーのシーンいきます!」

      今日はCM撮影。なんと敦賀さんが王子

 様、不肖最上キョーコお姫様を演じます。

   「姫、お待ちしておりました。ワルツを

  ご一緒に。」

       現れた敦賀さんに、わたくし、仰天いた

   しました。

       金髪に碧眼、外見はまったくコーン!!
   
    ふふん、私はこんなことには驚きません。

    敦賀さんは妖精のDNAをお持ちなのです。

   もともと敦賀さんのような容姿や体躯は

  人間界のものではないと薄々感じておりま

  した!

      コーンの姿が敦賀さんに見えたのも

 その為で驚くことではないのです。

    それにしてもなんて美しいのかしら。

    妖精の敦賀さん。私はどんな姿でも

  あなたの事が大好きです。

    「最上さん?」

     蓮はセリフの出てこないキョーコに声を

  かけた。

   (…さすがの最上さんもこの姿ならコーンと

  敦賀蓮が同一人物とわかるよね?)

     「勿論ですわ、王子様。」

    キョーコは微笑むと蓮とダンスを始めた。

     「???」

      優雅におどる二人はまるで絵のように美

   しい。

  (…え、えっ、最上さん、普通の表情なんだ

けど?!)



    「カーット!!素晴らしい!」


    OKが出ると蓮はキョーコに駆け寄った。

   「最上さん、俺コーン…。」

     話そうとする蓮をキョーコは制した。

   「大丈夫です、敦賀さん。私わかってます

  から。」

    「???」

    「あなたが妖精一族のDNAをお持ちなのは

    わかってます。」

     「は?!」

     「最上キョーコ、誰にもお話いたしませ

     んのでご安心ください。」

       「あ、ああ。ありがとう。」

        とんでもない展開になり、絶句する蓮

   であった。