本日、自民党本部にて「外交部会・外交調査会合同会議」が開催され、EU日本政府代表部大使、駐英、仏、独、伊、露の各大使から、各国の内政、経済、今後の見通しなどが短時間で説明された。その後、出席した国会議員との意見交換が行われた。国会議員からは、欧州各国の対中国認識、日本との安全保障協力の状況、電気自動車やエネルギーの状況など質問が多数上がった。

 

 駐英大使からは、『キャメロン政権では「英中黄金時代」と言われ、英国の経済再活性化の為に中国との関係強化を進めていた。しかし、メイ政権になって対中認識が厳しくなり、外国企業の直接投資の精査を始めている。メイ首相の来日の際には護衛艦「いずも」も視察され、自衛隊との共同訓練も進展している。中国からサインを求められた一帯一路に関する協定書は、国際的なルールに則ったものでないとして、見送られている』との状況説明があった。

 駐仏大使からは、「仏はニューカレドニアやタヒチが仏領としてある為、太平洋に海軍のプレゼンスを有している。北朝鮮に対する認識も日本と完全に一致しており、波長が合っている。防衛産業では、通常兵器の分野で日本との協力を模索している。パリでは電気自動車のカーシェアリングがあるが、性能が良くない。最も走っているのはTOYOTAのプリウスであることに驚いた」とのコメントがあった。

 駐独大使からは、「独では中国の経済進出に警戒感が高まっており、外国による国内投資の精査を強化し始めている。ベンツ社がダライ・ラマの言葉を宣伝に使用したことに対し、中国が不快感を示し、ベンツ社が中国大使に謝罪したことがあった。自動車産業は独産業の屋台骨で電気自動車へのシフトに負けないよう部品産業が頑張っている。独は原発からは撤退したので、石炭と再生可能エネルギーが、主なエネルギー源となるが、石炭は中長期的には減少する方向になる。」との説明があった。

駐伊大使からは、「伊でも現政権下では中国の進出について警戒感が高まっているが、経済発展の観点から一帯一路の欧州の海の玄関として中国に接近する面もある。3月4日に伊では総選挙が行われる為、次の政権の対中認識に注目したい。」との話があった。

 駐露大使からは、「露と北朝鮮の安全保障面での関係は切れており、経済関係も細くなっているが、中国と北朝鮮の関係に隙間風が吹いているのを察知して、北朝鮮への存在感を示そうとしている。米国との関係が悪化していることから、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)が重視されている。このため、北方四島の軍事戦略上の重要性が高まり、軍備が増強されている」との説明があった。

 

 現在、「地球を俯瞰する外交」が展開されている。安全保障環境が厳しさを増す中、佐藤も外務副大臣として全力で日本外交をリードして行きたい。