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『三つの対立(後編)③』三橋貴明 AJER2014.4.15(3)
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5月29日(木)名古屋青年会議所主催「経済のあり方を考える」(会場:愛知県名古屋市)
講演者:三橋貴明、パネリスト:三橋貴明、渡邉哲也、小幡績
お申込み・詳細は https://www.nagoyajc.or.jp/64nendo/
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う~・・・。久しぶりに朝一でモーニングCROSSに出演したら、眠いです。とはいえ、今週は更に水曜日(寺ちゃん)、金曜日(モーニングCROSS)と朝一出演が続くため、すぐに慣れると思いますが。
さて、恒例の「国の借金」という嘘。
『「国の借金」1024兆円 過去最大 1人当たり806万円 昨年度末
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/140510/fnc14051009150004-n1.htm
財務省は9日、国債と借入金、政府短期証券を合計した国(政府)の借金が平成25年度末時点で1024兆9568億円になったと発表した。24年度末から33兆3557億円増え、過去最大を更新した。税収不足を補うために大量の新規国債の発行を続けた影響で、借金が膨らんだ。
4月1日時点の日本の総人口1億2714万人(総務省推計)を基に単純計算すると、国民1人当たり約806万円の借金を抱えていることになる。
借金の内訳は、国債が32兆2895億円増の853兆7636億円と過去最大となった。金融機関などからの借入金は6454億円増の55兆5047億円。為替介入や一時的な資金不足の穴埋めのために発行する政府短期証券は4208億円増の115兆6884億円だった。いずれも増加し、借金依存の体質は改善していない。
国の借金は25年6月末に初めて1千兆円を突破した。
財務省は26年度末に国の借金が1143兆円に達する可能性があるとの見通しを公表している。』
まずは、しつこいほど繰り返しますが、「国の借金」ではなく、「政府の負債」です。英語で言うと、Government Debt、日本銀行の統計では「政府の負債」になります。
ところが、なぜか「Government Debt」が財務省にかかると「国の借金」。すでに30年以上も継続している「財政破綻プロパガンダ」の首謀者財務省(と手下の新聞)は、相も変わらず絶好調です。
ちなみに、正しい意味における「国の借金」すなわち日本国の対外負債は、2013年末時点(日本銀行 資金循環統計 速報値)で500兆円!に達しています。
「何だよ、国の借金は1000兆円はないのかも知れないけど、500兆もあるんじゃないか」
と、言われそうで、それは確かにその通りですが、我が国は同時に820兆円の対外資産を保有しています。すなわち、対外純資産は320兆円。
お金持ちの定義は、資産が多いことでは必ずしもありません。資産から負債を差し引いた「純資産」が多いことこそが、お金持ちの証です。
日本の対外「純資産」は320兆円。この額、二位にほとんどダブルスコアを付けた世界一です。我が国は「国家」として見れば、世界一のお金持ち国家なのです。
そのお金持ち国家の中で、政府が借りている(主に民間金融機関から)のが「いわゆる国の借金」の正体です。
【図1 2013年末時点(速報値) 日本国家のバランスシート(単位:兆円)】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_45.html#BS
【図2 2013年9月末時点(確報値) 日本国債所有者別内訳ト(総額は818兆円)】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_45.html#BS
そもそも、誰かがお金を借りているということは、貸している人がいるわけです。誰が貸しているのか。銀行などの金融機関を介して、「日本国民」が貸しています。日本国民は「いわゆる国の借金」の債権者であり、債務者ではありません。
それにも関わらず、日本の大手紙(だけじゃないですが)は「政府の負債」を人口で割り、
「国民一人当たり800万円の借金」
といった論調で世論を煽ります。何ゆえに「債権者」である日本国民が、債務者であるがごとき扱いをされなければならないのでしょうか。
しかも、図2を見れば分かりますが、現在は「政府の子会社」である日本銀行が、国債保有の割合を増やしています(第一の矢「金融政策」により)。日本政府は日本銀行に国債を買い取らせることで、借金の実質的返済負担、利払い負担から解放されます。何しろ、「いわゆる国の借金」は100%日本円建てなのです。
100%日本円建てである以上、いわゆる国の借金「だけ」が問題ならば、全債権(政府にとっては債務)を日本銀行に買い取らせれば話は終わります。もちろん、そんなことをした日にはインフレ率が酷いことになりますし、金を貸している側である銀行等も困ってしまいます。
たとえば、政府が現時点で10兆円分のお金を銀行に返済した場合、銀行はそのお金の運用先を別に探す必要があります。銀行は、何も自前のお金を政府に貸し付けているわけではなく、わたくし達の預金(銀行にとっては借入金)をまた貸ししているだけなのです。
何しろ、デフレで有望な「日本円」の投資先が乏しいため、結局、銀行は政府から返済された10兆円を、またもや国債で運用する必要が出てくるでしょう。
それ以前に、現在の銀行は日銀の量的緩和で供給された(厳密には国債を売却する代金として入手した)日本円を、日銀当座預金に積み上げっぱなしにしています。何しろ、日銀当座預金には0.1%の金利がつく(これも問題ですが)ため、リスクを恐れた銀行はお金を民間に貸し出そうとしないのです。
要するに、問題は、
「デフレのため、銀行が民間にお金を貸し出さず、お金が貸し出されないため、需要(名目GDPになる投資・消費)が増えず、デフレが継続する」
という、鶏と卵のような状況になっていることであり、「いわゆる国の借金で大変だ~っ!」などと言う話は、我が国には全くありません。
それどころか、「いわゆる国の借金で大変だ~っ!」と政府が支出を絞り、増税をする(そもそもこれが目的)ことで、ますます我が国のデフレは深刻化し、需要が減り、企業の投資意欲が落ち、あるいは企業の業績が悪化し、銀行がお金を貸さなくなり、その反対側で国民や企業が「銀行への貸付金」である預金を増やしてくるため、またまた国債が買いこまれ、名目GDPが成長しないことで税収が減り、「いわゆる国の借金で大変だ~っ!」となり、政府が緊縮財政に走り、ますます我が国のデフレが深刻化し・・・・・。もういいですね。
上記のバカバカしい悪循環を、いい加減に断ち切らなければなりません。
そのためには、日本国民の多数派(せめて三割以上)が「いわゆる国の借金」について正しい知識を身に着ける必要があります。マスコミが頼りにならないというか、財務省の手下と化してしまっている以上、当ブログでもしつこく、しつこく本問題を取り上げていきたいと思います。
我が国に「いわゆる国の借金」問題など存在しないのです。
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経済通のおじさんと、女子高生真理ちゃんが織り成す、経済を解りやすく掘り下げた基礎講座
◇日本経済復活の会
積極財政による日本経済復活を目指して活動をしているボランティアグループです。
Klugにて「三橋貴明の『経済記事にはもうだまされない』」
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