株式会社経世論研究所   講演・執筆依頼等、お仕事のご依頼はこちらから 

三橋貴明のツイッター はこちら
人気ブログランキング に参加しています。

新世紀のビッグブラザーへ blog

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

『国民経済は繋がっている①』三橋貴明 AJER2017.1.31(3)

https://youtu.be/KARKeRtEL4Q

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


 本日から、シンガポールです。

 空気以外は全て輸入。大地も、水も、木も、建物も、人も、頭脳も全て輸入のシンガポールでございます(と、ガイドさんが言っていた)。

 暑い~ッ!


 昨日は、三橋経済塾第六期第二回講義にご出席頂いた皆様、ありがとうございました。竹村公太郎先生の講義は、相当に面白かったのではないかと思います(初めて聞いた人は、必ず衝撃を受ける)。


 インターネット受講の皆様は、一週間ほどお待ちくださいませ。
http://members6.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?page_id=8
 上記に、竹村先生の講演を含めたコンテンツが掲載されます。


 さて、昨日の続きですが、安倍総理大臣は、間違いなく日本の憲政史上、日本国民の実質消費を減らした総理大臣です。同時に、総理の消費税増税の決断は、国民のエンゲル係数を押し上げ、「文明」をも危機に追いやろうとしています


 ちなみに、昭和恐慌期の日本国民も、実質消費を減らしていたのではないかと突っ込みを受けそうですが、当時は総理大臣が毎年、変わるような状況でした。というわけで、一人の総理大臣として、日本国民の実質消費を7%近くも減らしてしまった総理大臣は、間違いなく安倍総理が初めてです


 もう一度書いておきますが、「歴史に名を残しましたね!安倍総理!」てなもんでございます。

 安倍政権の政策、厳密には13年10月の安倍総理の「消費税増税の決断」が、どれほど凄まじい打撃を日本国民に与えてしまったのか。一つの証拠が、エンゲル係数の急上昇です


『エンゲル係数29年ぶり高水準 共働き増・値上げ…  16年、0.8ポイント上昇の25.8%
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS17H4O_X10C17A2EE8000/
 総務省が17日発表した2016年の家計調査速報によると、家計の支出に占める食費の割合である「エンゲル係数」は2人以上の世帯で前年より0.8ポイント上昇して25.8%となった。1987年以来29年ぶりの高水準。食品価格が上昇したほか、共働き世帯の増加で調理食品などの購入が増えたことが背景にある。衣料品などを買い控えており、家計の節約志向は根強い。
 16年の1世帯あたりの月額消費支出は平均28万2188円で、物価変動の影響を除いた実質で前年に比べ1.7%減った。前年を下回ったのは3年連続だ。
 勤労者世帯の消費支出も実質で1.7%減。エンゲル係数(農林漁業世帯を除く)は24.1%となり、90年以来の高水準だった。(後略)』


 現在、わたくしは「文明」の本を書いています。

 過去、人類の文明の多くは「滅び」を迎えました。メソポタミア文明、エジプト文明、古代ギリシャ文明、黄河文明など、いくつもの文明が滅びました。

 歴史上、生き残った文明は、西欧文明、東方正教会文明、イスラム文明、インダス文明、中華文明、そして日本文明と、数えるほどしかありません。(中華文明は、文革で滅びたように思いますが、個人的には)


 文明が成立するためには、二つ、絶対に見逃せない条件があると考えます。

 一つ目は、生産性が十分に高いこと。例えば、十人分の食料を賄うために、十人の生産者が必要。つまり、生産性が極端に低い国は、文明も何もあったものではありません。


 農業の生産性が向上し、十人分の食料生産を5人で可能となったとしましょう。すなわち、生産性が倍になったわけです。

 その場合、5人は食料生産以外の生産を行えます。ピラミッドにしても、ウルの都市遺跡にせよ、十分な生産性なしでは絶対に「生産」不可能なのです。

 そして、二つ目。エンゲル係数が低いこと。所得に占める、食費の割合が高い、つまりは所得が不十分である場合、やはり文化的なものに対する支出は減ります。

 我が国のエンゲル係数がこのまま上がっていくと、そのうち国民は食料を買うのが精一杯となり、我が国の誇るべきコンテンツ、文化は衰退していかざるを得ないでしょう

 

 アニメ、漫画、ゲームといった日本独自のコンテンツが維持、発展されるのも、我々の所得、厳密には必需品以外に使える所得の動向にかかっているのです。すなわち、エンゲル係数が低いこと、です。


【図 日本のエンゲル係数】


 それにしても、14年の消費税増税以降のエンゲル係数の上昇ペースには、衝撃を受けます


 現状のエンゲル係数の上昇ペースが続くと、我が国は最終的には「14年の消費税増税により、文明が後退した」という事態になりかねないのでございます。


 世界に冠たる日本文明、サミュエル・P・ハンティントンが世界主要文明の一つ、「独立した文明」として評価した日本文明を守るためにも、我が国は早期にデフレから脱却し、所得を増やし、エンゲル係数を引き下げ、国民に「余裕」を取り戻さなければならないのです。

 

「日本文明を守るためにも、早期のデフレ脱却を!」に、ご賛同下さる方は、

このリンクをクリックを!    
新世紀のビッグブラザーへ blog   
◆本ブログへのリンクは以下のバナーをお使いください。
新世紀のビッグブラザーへ blog
 ◆関連ブログ


日本経済復活の会のホームページは↓こちらです。

 ◆三橋貴明関連情報
新世紀のビッグブラザーへ ホームページ はこちらです。
メルマガ「週刊三橋貴明~新世紀のビッグブラザーへ~」
は↓こちらです。