ミツバチを殺す農薬をアメリカ国内で初めて禁止に・メリーランド州
Maryland To Become First State In U.S. To Ban Bee-Killing Pesticides


7月11日【Anonymous】http://anonhq.com/maryland-become-first-state-u-s-ban-bee-killing-pesticides/ より翻訳

 

 


メリーランド州が、ネオニコチノイド系殺虫剤の使用を禁止するアメリカ国内で最初の州になります。目的はミツバチの生息数を回復させるためです。

 

 

 

アメリカ農務省によると、2015年、メリーランド州内のミツバチ生息数が61%減少したということです。この驚くべき統計はアメリカ全体の平均の2倍となっており、蜂群崩壊症候群(ミツバチの大量死、CCDとも)との関連性が認められている殺虫剤、ネオニコチノイドの禁止という同州の決定には養蜂家も大喜びです。

 

 


ThinkProgress 紙の報道によれば、今年の4月、メリーランド州の上院と下院が「メリーランド授粉媒介者保護法」に合意し、共同で可決したということです。この法制によって、ミツバチの生息数に悪影響のあることが明らかにされつつも、幅広く使用されている農薬の使用が実質上、不可能になるでしょう。これにより、メリーランド州はミツバチの保護を成文化した、アメリカ国内の初めての州になります。


ミツバチの大量死の原因として、一つのものを特定した科学者はまだいませんが、殺虫剤(農薬)が重要な要因であるという点に関してはほとんどが合意しています。しかし依然として、農務省がネオニコチノイド系農薬とミツバチの大量死を直接関連付けることができていないため、ネオニコチノイドの全国での禁止は実現していません。


この幅広く使用されている農薬は、約150億ドル(約1.5兆円)の世界的な殺虫剤市場の拡大という点で大きな役割を果たしていると伝えられています。


しかし米国環境保護庁(EPA)は、ミツバチの大量死と、複数の殺虫剤の関連性について調査を行っています。メリーランド州のネオニコチノイド系農薬の使用禁止法が施行される2018年には、同庁の発見が公開される予定です。


同法の制定について、活動家のティファニーさんは「メリーランド(の花粉を運ぶ動物)の減少は、本当に危険なレベルにあります」と警告を発し、ミツバチの減少で「維持可能」なレベルはコロニーの10~15%とメリーランド州の数値よりもはるかに低いものであるとしています。


ここ数年の間、一部の科学者がネオニコチノイドとミツバチの健康異常の間の関連性を発見し続けています。
例えばある研究では、ネオニコチノイドに接触することでハチの脳に影響がでることを明らかにされました。この結果、ハチは食べ物の匂いを忘れてしまったのです。また他の研究では農薬に接触することでミツバチの免疫システムが弱められ、ウィルスなどに抵抗することが難しくなる可能性があることを示唆しています。


 もちろん、食べ物の減少やミツバチヘギイタダニなども、ミツバチの大量死の原因になり、ミツバチの生息数を脅かしていることに違いはありません。


同法案の院草案を起草したアンネ・ヒーリー代議員は、この新法は「新基準を定めた画期的な出来事となり、他の州もこれに続く可能性があります」と話しています。


「私たちの州のミツバチは深刻な危機に晒されていますが、ミツバチや他の花粉を運ぶ生き物がいなくなってしまうと、私たちの食べ物の3分の一の供給がなくなる危険性があります。ミツバチや他の花粉を運ぶ生き物を守るためには、よい心がけ以上(の実際の活動)が必要なのです」と話しています。

 

 

(trueactivist.com)

 

 

 

 

(翻訳終了)

 

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【コメント】

 

世界中でミツバチの大量死が報告され続けています。

 

http://www.sustainalytics.com/eu-pesticide-ban-and-potential-impact-chemicals-industry

 

地図上の上向きの矢印はミツバチのコロニー数が20%以上上昇した国で、下向きの矢印はミツバチのコロニー数が20%以上減少した国です。

 

1965年から1985年には上昇している国もありましたが、1985年~2005年ではEUの多くの国でミツバチのコロニーが大幅に減少しています。

 

EUでは使用を禁止を求める活動が活発なおかげで、2013年の5月にはネオニコ系殺虫剤の三種(イミダクロプリド、チアメトキサム、クロチアニジン)がミツバチに多大な悪影響があるとして、12月から2年に渡り暫定的に使用禁止にし、その禁止状態はその後も続いています(ただしこの禁止は使用方法などによる限定的な使用禁止のみ)(グリーンピースジャパン)。

 

その一方で日本では、一部の地方自治体が使用自粛を行っているものの、厚生省は2015年にネオニコチノイド系農薬の食品残留基準を緩和すると、なんとも世界とは完全に逆行するような動きをとっています(情報速報ドットコム様)。

 

 

ミツバチの減少なんて、大した問題でないとお考えの方もいるかもしれませんが、野菜や果物の受粉という大きな役割を果たしているミツバチがいなくなってしまったら、私たちの食料品の3分の一の供給がなくなるという大きな影響があります。

 

たとえば、スーパーの棚に陳列している商品として考えると、上はミツバチがいる状態。下はミツバチがいなくなった場合に入手可能な食料品を表しています。

 

 

(画像 WholeFoods

 

 

 

 

 

 

日本で使用されているネオニコチノイド系農薬の商品名をまとめた表がこちら。他にも多数出ているようです。

 

 

(表 http://ameblo.jp/akitamamoru/entry-10601507018.html