先日、友人に誘われて
日本橋高島屋で岩手展を見てきました。
お目当は盛岡の草紫堂
根気のいる紫根染めと茜染を
美しく染め上げる絞り染のお店です。
【草紫堂について】
大正5年
盛岡に途絶えていた紫根染めを復興させるため「南部紫根染研究所」設立
秋田県花輪地方にかろうじて残っていた技術者を招いて技術を学び、独自技法も開発
昭和8年
研究所主任藤田謙が独立して草紫堂を創業。素朴な図柄(大枡、小枡、立涌)に加え、新しいデザインを生み出し、今に至る。
現代では風合、堅牢度などが失われないよう、化学的方法も取り入れながら技術者養成に力を注いでいる。
岩手県盛岡市紺屋町2-15
(染色体験などはやっていないとのこと)
【紫根染め】
ムラサキ草の根からとった染料で染めあげる草木染めのこと。
【茜染め】
茜の根からとった染料で染めあげる草木染めのこと。
どちらも日本に古くから伝わる草木染めで、南部地方には鎌倉時代以前からあった。藩政時代には南部藩の保護下で生産されていたが、明治に入って保護が解かれてから技術者が途絶えた。
(草紫堂パンフレット参照)
紫根染も茜染も
どちらも硬い根を臼で砕いて熱湯で染液を抽出し
反物を漬け込んで色を定着させる工程を何度も繰り返し
さらに草紫堂さんでは仕上後に3〜5年寝かせてできあがりだそうです。
濃き紫という、紫の中でも最上位であり最も濃い色を染めるには
染液につけて染める→乾かす
の工程を半年くらい続けることもあるとか。。。
紫根染めは本当に途方も無い作業です。
ただ…
何年かかけて大きく育った植物の
まだ生きられるはずだった植物の根を頂くわけなので
そうそう簡単には染まらないのかもしれませんね。
志村ふくみ先生のご著書「一色一生」に
こんな記述がありました。
茜は、しっかり大地に根をはった女の色です。
紫は自分から寄り添ってくる色ではなく、常に人が追い求めてゆく色のように思われます。
(中略)
蘇芳が女の魔性なら、紫はその魔性から現実性を引き抜いたような気がします。
草木染めの大家である志村先生でも、紫には憧れに似た感情を持つんでしょうか。
濃い紫や鈍い紫に、深みや品位だけではなく、
不安や脆さ、寂しさなど
独特の雰囲気を持つ紫に、昔から人は憧れるのかもしれません。
草紫堂さんの作品にも様々な紫と茜の作品がありました。
本場草木染めの色を目で確かめることができる貴重な機会でした。
また秋に東京へいらっしゃるそうですよ
パーソナルカラー個人診断をお申し込みの方は
このコースターを見ることになると思いますので
お楽しみに