心が震えた、平和の詩「生きる」 | やまびこDr.の診療日記

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沖縄は過去の悲しい経験をしながらも、多くの方を暖かく迎え入れてくれます。
そして今も新たな苦しみを受け続けいるのです。

日本中で悲しみの歴史の節目節目で鎮魂の式典を行っています。

今年の沖縄全戦没者追悼式では、沖縄の中学3年の相良倫子(さがら りんこ)さんが平和の詩「生きる」を朗読したのですが、あまりに素晴らしく大反響となりました。

内容も言葉の選び方もとても素晴らしかったのですが、何よりその心のあり方に感動しました。

凛とした立ち居振る舞い、原稿に目を落とす事なく会場にいる方全体に訴えかける話し方、そして心のこもった表情、全てにおいて感銘を受けました。

日本にこのような素晴らしい中学生がいてくれる事を、本当に嬉しくありがたく誇らしく思いました。

それを見て11年前のことを思い出しました。

毎年8月6日の広島の原爆の日、原爆投下の時間の午前8時15分、NHKの特別番組を見ながら、妻と子供たちと一緒に1分間の黙祷をしています。

平成19年の8月6日、当時臨月を迎えていた妻と息子たちと一緒に、いつものように黙祷をしました。

その後例年通り、広島市内の小学校6年生の男女それぞれの代表者二人が「平和への誓い」を朗読しました。

その時の女の子の代表者が、今回の相良さんと同じく、凛として心のこもった、とても素晴らしい朗読をしたのです。

それを見ながら「すごい! すごい!!」とつぶやき、涙が溢れ出してきました。
こんな素晴らしい小学生が、日本にいてくれたんだという感動の涙でした。

その4日後に生まれた娘には、その子にあやかって同じ名前をつけさせてもらいました。それぐらい心が震えたのです。

昭和生まれ昭和育ちの我々より、平成生まれの方が、そして21世紀生まれの子供たちの方が優れているところが山ほどあります。
子供だから何もわかっていないと勝手に考えているのは古い頭の我々だけであり、実は子供たちの方がよく分かっていることも多いのです。

感動は理屈では得られません。自分の中にある何かが、誰かの言動などにより共振共鳴する時にだけ発生する現象です。

大人は大人の事情という言い訳をしながら、大人のふりして社会活動をしていますが、純粋でまっすぐな子供達の姿をみると、「自分たちは子供達に倣(なら)って、ちゃんとしなきゃ!」と改めて思わせてくれます。

 

https://mainichi.jp/articles/20180623/k00/00e/040/310000c