バリアフリーIT地図作り
神戸の経営者、県立大生も調査協力
脳梗塞の後遺症で車いす生活を送る神戸市のIT企業経営者の男性が、町中で自身のような交通弱者にとって危険な場所を調査し、バリアフリーマップを作る活動を始めた。「誰にとっても住みよい街への一歩になれば」と意気込んでいる。
地域に根ざしたITサービスを展開する三木谷毅さん(53)=神戸市東灘区。今年5月に脳梗塞で倒れ、集中治療室で4日間も生死をさまよった。
半月板は左半身が全く動かなかったが、懸命にリハビリを続け3ヶ月後に退院。車いすで外に出ると、街は危険でいっぱいだった。
歩道には車が駐車場に乗り入れやすいよう傾斜が作られ、車いすのタイヤが取られる。幅の狭い歩道にも電柱などが立ち、通る際には車道側へ落ちそうになることもある。
「問題をすぐには解決できないが、顕在化することならできる」。スマートフォンやタブレット端末で撮影した危険箇所が地図に反映される仕組みを使い、調査を開始した。
1人では限界があるため兵庫県立大学の学生の協力を得て、現在は神戸や姫路で調査。ゆくゆくは近畿28の大学生協に広げ、地図はインターネットで公表する。
三木谷さんは「いつか危険な場所がなくなり、街の魅力を発信する地図に変わることが私の夢です」と話す。