母は過去にガンで

胃と肺を切っている。




幸い両方とも、発見が早く


胃のヨンブンノサンと

右肺のサンブンノイチ

切り取った。



仕事、お酒、タバコ、コーヒー

夜更かし、父の暴力

親戚とのいざこざ…


色々な理由が重なったのだろう。




私は中学生。

不安で仕方なかった。



普段は母を罵倒する父も、

夜中に泣きながら

お酒を呑んでいたっけ。



そんな父を見て

ますます私がしっかりしなきゃと

思ったことを覚えている。




あれから20年

抗がん剤治療も乗り越えて

再発もなく、今まで来たが…




ここへ来て、

母67歳、

三度目のガン。




今、まさに今日

北斗晶さんも闘っている



乳ガン。

母は、部分切除とのこと。



転移ではないものの、

なぜ母は三度もガンに

なったのだろうか。




そして、今なぜ乳ガンなのか。



なぜ…乳ガンなんだろうか。




母は気丈にふるまっているけど、



どんなに顔がシワシワになっても

背中が丸くなってても

歯がガタガタでも


母は、女性。



辛いはずなのに。






心配で


入院前、実家に顔を見に行くと





病室に置く食器入れ、

入院用のパジャマ

書類の準備…



ほとんど済んでいた。



三度目ともなれば

慣れたものなのか。




乳房を切ることが

どんなに辛いことなのか

同じ女性として

痛いほどわかる。




今、母がガンになったことに

何か意味があるとするなら、



乳房が2つあること。

健康な体であること。

自分が、女性であることに


感謝と、誇りを持ち、



私においては、



残りの人生、母との時間を

どう過ごすのか

よく考えなさい。と


言われているのかなぁ…

思った。




顔を見に行った帰り際、


母がボソッと


「やっぱり、久しぶりだから恐いよ」

と、弱音を言った。



「…そうだよねぇ」

としか返事ができなかった。




怖かった母が

弱々しく見える。



ザワザワした。


怖い母のほうがいいと思った。



怖くても

弱々しくても


母にはかわりないのだけど




母が弱々しくなってしまったら

今の自分の、

言い訳がなくなっちゃうから…かな。


ずるいな、私。




なんか、ザワザワモヤモヤ

心配だし、何もできないし!


変な気分で車を運転して

帰ってきた。




帰ったら、

休みで、家にいるはずの旦那

美容院と街へ買い物へ行ったらしい。


長女を一人留守番させて…



もー、腹のなかは

マグマのごとく、

煮えくり返ったことは

言うまでもない。