半年のうちに世相は変わった。
醜の御盾といでたつ我は。大君のへにこそ死なめかえりみはせじ。
若者たちは花と散ったが、同じ彼らが生き残って闇屋となる。

ももとせの命ねがわじいつの日か御楯とゆかん君とちぎりて。
けなげな心情で男を送った女たちも半年の月日のうちに夫君の位牌にぬかずくことも事務的になるばかりであろうし、やがて新たな面影を胸に宿すのも遠い日のことではない。

人間が変わったのではない。
人間は元来そういうものであり、
変わったのは世相の上皮だけのことだ。

私は偉大な破壊が好きであった。
私は爆弾や焼夷弾に戦きながら、狂暴な破壊に劇しく亢奮していたが、
それにもかかわらず、このときほど人間を愛しなつかしんでいた時はないような思いがする。

運命に従順な人間の姿は奇妙に美しいものである。

戦争中の日本は嘘のような理想郷で、ただ虚しい美しさが咲きあふれていた。
だが、堕落ということの驚くべき平凡さや平凡な当然さに比べると、あのすさまじい偉大な破壊の愛情や運命に従順な人間たちの美しさも泡沫のような虚しい幻影にすぎないという気持ちがする。ぷはーっ 途中で飽きた!!

なんか心に刺さったから書いてみました!!

『堕落論』坂口安吾