「ダンシング」

 
ただこれだけ聞くと何のことやらわからないと思う。
踊り?
あながち間違いではない。
でも、ここで言う「ダンシング」は自転車用語なのだ。
 
「ダンシング」とは、坂道や急加速を要するシーンで立ち漕ぎをしながら車体を左右に揺さぶるテクニックのこと。
テクニック、と言うと専門技術のようだが ママチャリの立ち漕ぎと基本は変わらない。
大きな違いは「車体を左右に大きく揺さぶる」点だ。
 
この「揺さぶる」と言うのが実は簡単なようで上手くいかない。いや、皆簡単なんだろうけど、僕は苦手な行為だ。
自転車が僕の身体のサイズに合ってないのか、僕の技術量不足なのか…。とにかく僕はダンシングが苦手だ。
 
ところが先日リアスプロケットを7速ボスフリーから9速カセットスプロケットに変更しホイールも変更し、さらにサイクルモードで最新モデルの自転車に試乗してきたら「なんとなく」できるようになってきた。
 
以下、専門家が解説する記述と違うところや間違ってる箇所があるかもしれません。これは「僕なりの解釈」であって、決して正論ではないと思います。ただ僕と同じ技量で同じ悩みを抱えた人がこれを見て解決の糸口になれれば、と思い記述しました。
 
------------
 
ダンシング。ただの立ち漕ぎとは若干違いがある。違うのは車体を左右に大きく揺さぶる、と言う点。
ロードバイクに乗り、ある程度平坦路に飽きてくると山道を登りたくなってくる。いや、いずれ誰しも通る道なんだと思う。日本という土地柄、地形はどこへ行くにしても「坂道」を登ることは避けて通れないことなのだ。
では、その坂道を登ることに特別なテクニックが要るのか?と言うと 答えは「必ずしも必要ではない、が出来た方が登坂が楽になる」だと思う。
煙とナントカは高い所へ…と云われるが自転車乗りも例外ではないのかもしれない。苦しい坂道を登りきった先には(晴れていれば)雄大な景色が広がり、その達成感はなんとも言い表しようのない爽快感・制覇感に満ちている。
だからこそ坂道を登るわけで、登るなら高い所へ、景色の綺麗なところへ登りたい。それには座ったままの姿勢では相当脚力に自信がない限り自分を苦しめるどころか身体を壊してしまいかねない。
 
そこで出てくるのが「ダンシング」だ。
ペダルを踏み込む脚に体重をかけ、脚力プラス体重を乗せることで登坂能力を最大限引き出すことができる。しかしヒルクライムで車体を真っ直ぐなまま立ち漕ぎをするにはバランスを取らねばならない。それには車体を左右にゆさぶり、バランスを取るのが「ダンシング」と僕は解釈している。
その「バランス」の取り方だが、僕はそれが上手くいかずヒルクライムでダンシングしようとすると道路へコケてしまうか、激しく蛇行してしまっていた。単独走行ならばいいが周りのライダーや後続車がいたら危険極まりない。なのであまり立ち漕ぎをせずにシッティングのみで登坂してきた。
バランスを取るためには車体の振り方と荷重移動が重要になると思う。
{F59A7B15-3BC0-4AFF-AEE8-C178326031EE:01}

この画像のように、大きく傾けつつ傾けた方の反対の脚で踏み込んで車体を前へと進める。頭で理解してもなかなか身体がついてこない場合は平坦路で練習するといい。
練習の仕方は 周囲の安全を確保し、まずは車速を充分に落とす。そして重いギア(アウターとトップ周辺のギアがいい)にセットしたらゆっくりと脚に体重を掛けながら進んでみる。
まだこの段階では車体は揺すらない。立ち漕ぎ姿勢をとり、ゆっくりと踏み込むことに意識を向け何度も繰り返す。
慣れてきたら少しづつ車体を揺らしてみる。スキーのパラレルのように、スケボーの直進のように、ブランコの立ち漕ぎのように…。
同時にハンドルを捻るように(実際は捻らないけど)肘を自然に伸ばしてみる。すると「内側の脚」に体重を載せることが出来てくると思う。それが「ダンシング」。
左右交互に繰り返すといつの間にか車体は大きく加速し、グングン前へと押し出せるようになってくる。そうしたら徐々に初速度と選択ギアを落として低速域でも出来るようにする。
僕は相当の運動音痴だけど、30分程乗り回したらなんとなく出来るようになってきた。これを読んでいる諸兄達はロードバイクを乗りこなし、バランス感覚も僕より上だとおもう。あとは実際に坂道で負荷を掛けながら実践するしかない。
 
上手く行けばギア2枚分くらい余裕が出てくるだろうし、登坂スピードも今まで以上に向上するに違いない。
 
僕もまだ発展途上だが、これを読んでくれたビギナーライダーも ダンシング習得の糸口となりヒルクライムが上手くなってくれればと思う。