散漫 | 徒然日和

徒然日和

日常の出来事など、ゆるーくまったりのんびり気の向くまま書いてます。

時々、真面目。

時々、心内。

そんな感じです。

【 散漫 】: ①ものがちらばりひろがること。

        ②とりとめのないさま。しまりのないさま。 (広辞苑 第三版)

━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━

 

 主人は帰宅すると、直ぐにお風呂に入る。

 なので、帰宅する前に、脱衣所のカゴに下着やパジャマなどを準備しておく。

 

 営業職なので一日中外回り。

 家族のために一所懸命に働いてくれることにとても感謝している。

 

 が、しかし、

 それと同等に

 一日分の足汗と皮脂をたっぷり吸収した臭う靴下のまま、

 家の中をウロウロして欲しくない気持ちもあり、

 「準備をしておく」

 などと、表面的には良い妻体な行いだが、こんな裏があったりする。

 

 いつも通り、帰宅すると

 「お風呂入ってくるね。出るのは30分後で。」

 と、言ってお風呂に入った。

 

 30分後。

 

 気配を消すように、そっーと主人が居間にやってきた。

 

 おまけに肌着の裾を両手でグイっと下へ引っ張って、カニの様に横歩きしている。

 

 「…何やってるの?」

 「一番大切なものがなかったから…ww」

 「ん?あ!パンツなかった?」

 「うん…寒いww」

 「ごめんねーww」

 

 洗濯物をたたみ、それを片付けながらパジャマ一式を準備するのが毎日のルーティン。

 しかし、

 「明日は寒くなるって言ってたから、少し厚めの下着にしておこうかな。

 あ!薄手のセーターも出しておいた方がいいかなー。

 マフラーもついでに出しておこうかな?」

 などと、基本の準備品に様々な紐付けをしていくと注意力が散漫し、

 どこかをポーンと飛ばしてしまい、

 その場合、

 ほぼ9割、主人が「一番大事」と言うパンツが抜けている。

 

 タンスの引き出しからパンツを取り出す主人の後ろ姿に向かって

 「ほんとに、ごめんね。

 明日寒くなるって天気予報で言ってなーって思い出して

 準備どうしようって考えてたら、すっ飛ばしちゃった(^▽^;)」

 と、謝った。

 「大丈夫だよww」

 笑いながらそう言っていたが、

 一度や二度のことではないので、主人は半ば諦めモードだ。

 

 「最近、パンツ忘れ多いわよね、どうしてかなー。」

 パジャマとルームソックス、肌着・レギンスの片付け場所と

 パンツの片付け場所が違うところだからかしら?

 と、思いながらそう言うと、

 「もうー、そんなこと言ってー。本当は見たいからじゃないの~(*`▽´*)

 ほーら、そんなに見たいなら見せてあげるよー、それー!!」

 と、言いながらまだ履いていないパンツで前を隠しながら主人が近づいてきた。

 

 「見たいわけじゃないし!そんなことしてると風邪ひくでしょ?

 早く履かないとハサミで切るわよ!」

 と、怒鳴り走って逃げると、背後から笑い声が聞こえていた。

 

 寒さも厳しくなり、忙しくなるこの時分。

 注意力散漫にならないように気を引き締めていきたいと思う、師走はじめ。

 

                                                    ~終~