猫が大好きだった、アメリカの絵本作家エドワード・ゴーリー。

 

トレードマークのスニーカーと毛皮のコートを着た自画像と。

 

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楽しみにしていた原画展

「エドワード・ゴーリーの優雅な秘密」@練馬区立美術館へ行ってきました。

 

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静かで暗く、残酷だけど可愛い。

シュールな絵本作家で世界中にコアなファンがいるエドワード・ゴーリー。

 

アメリカから始まり世界各地を巡回した回顧展が日本上陸。

2016年の伊丹から始まり、約3年かけて全国の美術館を巡回しています。

 

 

 

練馬区立美術館なので小規模なのかな?と思っていましたが

原画の他に絵本表紙、ポスター、草稿なども展示されて充実の展覧会でした。


 

私が出かけたのは平日の午後ですが、それほど混んでなかったですね。

一つの絵の前に一人か二人、目の前でゆっくり鑑賞できました。

 

 

 

人気者の、うろんなあの子。

 

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一緒に写真を撮れるコーナー。

それにしても原題の「The Doubtful Guest」を「うろんな客」と訳したのは素晴らしいですよね。

 

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緻密な線は間近で見ても細かい。

絵の周りの細い二重枠も美しい文字も、よく見ると手書きだというのが分かります。

 

 

 

作品は効果線のカケアミを延々と描いているようなもの。

背景も決してベタ塗りじゃないのがすごい。

 

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こんなに細かくて描くの嫌にならないのかな…と思っていたら

「背景の描き込みが大変で数年放置した」と途中の絵で解説があり、

エドワード・ゴーリーもそんな風に思うのね、とちょっと安心しました(笑)

 

 

 

バレエと猫を愛したエドワード・ゴーリー。

6匹の猫と暮らしていただけあって猫はなんとなくタッチが優しい。

 

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絵本は冷酷で残虐なシーンもあるけど、猫だけは酷い目にあわせなかったそうで愛を感じます。

 

そしてバレエ。

25年間ニューヨーク・バレエ・シアターに通うほどのバレエ好きで

ジョージ・バランシンの公演は殆どすべて観たそう。

 

バレエの舞台美術ものちに手掛けることになりますが、バレエのポスターも可愛かったなぁ。

 



 

「この世で一番恐れてることは、ジョージ・バランシンの死亡記事を新聞で見ること」

 

というくらいバランシンに心酔し、1983年バランシンが亡くなった年にNYを離れます。

 

移住先のケープコッドでは地元の芝居や催事のポスターを気軽に引き受けたそうで、

古本市や劇のポスターも展示されていました。

いい人なんだなーとほっこり。

 

 

エドワード・ゴーリーといえば

 

「うろんな客」

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「不幸な子供」

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「ギャシュリークラムのちびっ子たち」

 

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このあたりが日本では有名かと思いますが

ほっこりした作品も意外と多く、日本未刊行の作品でそれらを見ることができました。

 

 

「オズビック鳥」

ハシビロコウみたいな鳥と男性が友達になる話。病気になった男性を看病し・・・・という内容。


手足も長いし、本当ハシビロコウっぽい。可愛ぇぇ

 

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「キャッツ・ポッサムおじさんの実用猫百科」

「空飛ぶ猫の自画像」

 

クリアファイルになっていたので購入。

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とぼけた猫の表情。

なんとなく、くらもちふさこさんや多田かおるさんを思い出します。


本当に、猫だけは優しげなんですよね…

子供はあんなひどい目にあわせるのに、扱いの差がすごいです。

 



母親に宛てた絵封筒も可愛いかった。

配達員の方も毎回楽しみになるだろうな~と想像。

 

特にお気に入りの「空中ブランコに乗る鳥たち」がポストカードになっていたので購入。



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それとうろんな客のマスキングテープ。

いつもはグッズを買わないんだけど、今回は捗ります!

 


 

ドクロ💀だけど不思議と可愛い「ビネガー・ワークス」も良かったですね。

こうもりやトンボになってる💀、この手書きフォントも美しい~

 

ボックスセットの表紙だそうで、こんなのに入って売られていたらファンは買ってしまうな・・・笑


こちらもポストカードを購入。

 

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他に気になったのは「金メッキのこうもり」。

バレエを題材にしてるんですけど解説を読んだらラストまで読みたくなりました。

 

 

10/26の翻訳者の柴田元幸さんの講演、聞きたかったなぁ~。残念。



個人的にはこの展覧会めちゃめちゃ良かったので、

もう一度行きたいくらいです。




エドワード・ゴーリーってイギリス人と思い込んでたけど、

25年住んでたくらいだからバリバリのニューヨーカーなんですね。



お洒落で頭が良くて(美大とハーバード大卒って)

バレエを嗜み。

猫大好きだけど、指輪を何個もはめてるロックさもあって、

なんてカッコいいんだ。


そのギャップももの凄く好き…!