4月9日の日経新聞によると
米Appleは2010年4月8日,
報道機関向けのイベントで,
「iPhone」向けのOSの新版である
「iPhone OS 4」を公開しました。

Steve Jobs氏は,iPhone OS 4を
「世界で最も先進的な携帯端末OS」と呼び,
プレゼンテーションを行なっています。

またAppleは同日,
iPhone OS 4ベータ版を
iPhone OSのアプリケーション開発者に向けて公開しています。

一般ユーザーへは
2010年夏ごろに,
iPhoneおよびiPod touchのユーザーに向けて
iPhone OS 4の正式版を提供し、
iPad向けのiPhone OS 4は
2010年の秋ごろに提供するとのことです。

Appleは今回、主に以下の七つの機能を強調しています。

1.マルチタスク

2.アプリケーション内に表示する広告の配信システム「iAd」

3.ゲームで遊ぶ複数のユーザーを
 ゲーム・アプリケーションから招待するといった機能を
 実現するAPI群「Game Center」

4.iPhoneの中のアプリケーションを
 フォルダーによって整理する機能

5.メール・アプリケーションの機能強化。
 複数の電子メール・アカウントからのメールを
 統一して表示する機能などを追加した

6.企業での利用に向けた新機能。
 データの暗号化や
 企業内で利用する専用アプリケーションの配信機能など

7.電子書籍アプリケーション「iBooks」。
 iPad向けに開発されたものをiPhoneでも利用できるようにする


「マルチタスクは他社より優れている」(Jobs氏)

iPhone OS 4の新機能の中には,
「Android」や米Palm社の「webOS」といった携帯端末向けOSで
既に実現されている機能もありますが、
その最たるものがマルチタスクです。

しかしJobs氏によると
「たしかに我々が最初にマルチタスクに対応したわけではない。
ただし,最も優れた実装を提供するのは我々だ」とのことです。

Apple社は,従来の携帯端末向けOSのマルチタスク実現には
「バックグラウンドで動作するアプリケーションが
電力を消費することで駆動時間が短くなったり,
CPUの負荷が増えることで
フォアグラウンドで動作する
アプリケーションに必要な処理性能が足りなくなる」
といった問題があったと主張しています。

こうした問題を避けるため,
iPhone OS 4にはアプリケーション開発者が
利用できるマルチタスク関連のAPI群を用意したということです。


ただし,マルチタスクは
「iPhone 3G」以前の製品では利用できません。
iPhone OS 4のすべての機能が利用できるのは
「iPhone 3GS」
もしくは2009年に発売された
第3世代の「iPod touch」に限られるとのことです。


「iAd」でGoogleに挑戦

iAdとは,iPhoneのアプリケーション内に
表示する広告を作成・配信するシステムのようです。

iAdの広告はHTML 5.0によって実現されており,
ユーザーに対話的に情報を提供したり動画を再生でき、
元のアプリケーションにも簡単に戻れるようです。

iAdでは,Appleは広告枠の販売や広告の配信を担当し、
広告の売り上げの60%は
アプリケーションの開発者に還元するとことです。