Satisfaction Guaranteed~国民的アイドルからヤバい仕事の依頼 | 40歳からのアイドル入門~ももクロからKGY40Jr.まで~

40歳からのアイドル入門~ももクロからKGY40Jr.まで~

不惑を迎え、突如として、
アイドル・カルチャーに目覚め開眼。
その後は急速にアイドルファンと化して連日連夜、
アイドルのライブ現場を渡り歩くようになった
四十路バツイチによる現代アイドルの考察日記――

 いろいろあって今、本当に忙しくて。やたらめったら仕事を受けたくなくて、登録してない謎の電話番号には絶対出ないで、事務所の電話も即留守電という状況でしばらく楽しくやってたのに!

 つい好奇心で、謎の番号に出てしまったんです。

 ほんの、小さな好奇心で、つい出来心で、登録してない謎の電話に出ちゃうことってありませんか?

 もしかして「初恋のあの人」が敏腕な私立探偵を雇って、オレの番号を調べたとしたら……。

 もしかして、中学生の時に送った履歴書を今になって見れくれて、ジャニーさんが直電で……。

 もしかしてどこかのキャバ嬢からの営業電話??? まあ、それはあんまり嬉しくないけど、出てみようかな、という瞬間。

 これが魔が刺す、というんですね。

 で、出たら、詳しくは書けませんが、超一流国民的アイドルグループの某関係者様で、かくかくしかじかこういう理由で、あるプロジェクトをまとめろと。それも短期間でと。さらに本人たちサイドとの調整でかなり迷惑かけるから覚悟しろよと。

 ここまでははっきり言われました。

 で、おそらく低予算で、と。これは言わずもがなですね。過去に何回かお仕事をしていてわかっていますので。

 二回目など、あまりに低予算なもので、請求書を書くのを放棄したくらいです。それは人生で二度だけ。一回目は、佐野元春さんの20周年記念ツアーのパンフの原稿料。

 それは佐野さん直々にご指名いただいたので、原稿料なんて恐れ多いと。とんでもございませんと。

 はっきり言って、そんな暇ないんですよ。

 毎日、のんびり過ごしながら稼ぐのが理想なわけです。で、それに近づきつつある日々なんです。

 毎日、超美人アシスタント(腐女子で処女)がやってくるんです。ぼくの自宅兼オフィスに。で、毎日毎日、ソファでゴロゴロして、好きな音楽をそこそこ大きな音量で聴いて、テレビ見ながら、オンラインポーカーでPLオマハしながら、PCの管理画面こそこそいじって……みたいな毎日でどうにか食っていける環境をやっと築いたんです(泣)。

 それも平均的サラリーマンの年収を一か月で!

 でも悲しいことにこれは半年契約。次からは減額だよと。でも続けましょうねと。

 もうそれだけで十分じゃないですか!

 愛する息子はこの年末にサッカーでドイツに遠征ですよ。

 ドルトムントほか、ブンデスの下部チームと、プレミアのチェルシーFCあたりが招へいされた24チーム参加の小さな大会なんだけど、そこの代表でいくわけです。

 その遠征で、平均的サラリーマンの月収分が飛ぶわけです。そんな金ばかりが飛んでいく毎日なわけです。

 でも余裕だと。

 へっちゃらだと。

 お金はそんなにないけど、いろいろ対応はできますよと。

 そんな環境をやっとこさ手に入れたわけです。

 12月はお友達数人連れて、タイ旅行でも行きましょうかと。ポセイドンルームがどうとかタニアがどうとか。ナナプラザがいいんじゃないかとか。

 今年の師走をどう楽しく過ごすか。そんな話をしていた矢先だったんです。

 今回のオファーは。

 では、なぜ、断らなかったのか?

 いや、気が弱いので、正面切って断れないというのが良くないのは認めます。

 だけど、お金にはまったく困らず、毎日のんびりダラダラと過ごすことを最高の幸せと感じるボクが、なぜ、儲かりもしない。毎日忙しくなるなど面倒なことだらけで、そんなに好きでもないアイドルの仕事を断らなかったのか。

 実はそちら方面とのお仕事で唯一、メリットというか、有難い点は、ある程度「好きにやらせてもらえる」ことなんです。

 いろいろな社内組織的な関係で、この方面からのお仕事は、受けたら最後、即プロジェクトリーダーという立ち位置になる。
 
 これは大きいんですよ。

 好きにやれるなら、自分の作品になりますからね。

 人に自慢できる。

 この場合の「自慢」というのは、プレゼンテーションの時の話のネタになると。

 嘘偽りのない実業としての”作品 ”ですから。

 そういう仕事しかしないと決めてるんで、ボク的にはまあ、オファーを受けてもいいわけです。

 そんなわけで、ボクが最近、ナイスバディの超美人アシスタント(おぼこ娘でオタク)と二人きりのオフィスで好き勝手に聞いているのが、ジミー・ペイジとポール・ロジャースという奇跡の組み合わせで1985年に結成されたThe Firmです。

 当時、高1でした。渋谷の現ディズニーストアの場所にあったディスコ「ラ・スカラ」は都内の高校生の憧れの地でした。今は結局、その当時の憧れのディスコからわずか数百メートルの距離に住んでいるわけですが。

 渋谷デビューの日は妙にドキドキして、浮ついていて、顔も上気していて、こんな日に宗教の勧誘されたら絶対入信するな、という異常すぎるハイテンションな精神状態。

 そんな状態で、井の頭通りを差し掛かったら、露店があったんです。海賊版の海外アーティストのアルバムのカセットテープを売ってたわけです。一本500円で。

 当時は良さそうなものは何でも聴きたいという音楽に貪欲な時期ですから、適当に一本買ったわけです。

 それがこのThe Firmです。

 まあ、当時を騒がせたスーパーバンドなんだけど、売れなかったみたいで、アルバム二枚で解散。

 でも凄くいい。最高。

 買った当時はやたら渋い大人向けのロックだなあ、と思っていたんだけど、実際に大人になってみたら、やっぱり良かったってこと。


 ギターは当然、ボーカルも当然。フラットレスベースもいい。

 今年の年末は、The Firmで乗り切るぞ!