毎日毎日憂鬱に噛みつかれながらヘラヘラ笑って平気なフリをする。
右側じゃこのままじゃいけないと分かってて、左側じゃここから動けないことを分かってる。
大丈夫、大丈夫、僕は平気さ。強いんだ、鈍感なんだ、大丈夫。
言わなきゃ分からないんだから言語化する努力をしろと何度も自分に言うのに言葉は形にならない。
違うんだよな、そうじゃない、そうじゃないことを僕はしたいんだけど、君の目に映る僕は、底辺の生き物だろうな。
しんどいね。しんどいから逃げるんだろうね。
向き合ったらそのまんま潰れてしまうのを分かってるんだ。
死んだ人間に何で死んだんだとか、どうしてそうなるまでとか、逃げていいんだとか、違う道があるとか言うけれど、
逃げている人を見たら君は思うだろう?
「逃げるな、向き合え」って。
死んだあいつも君と同じだよ。
律儀に現実に向き合って、玉砕だ。
だから他人の言葉なんて信じるな。
綺麗な言葉を並べても心に沈殿したものが濾過されるわけじゃない。
それでもその言葉の光に照らされて濁った憂鬱がどこに溜まってるかを知ることはできる。
逃げられるなら逃げたらいい。
逃げられないからすがってるんだろう。
“幸せ”“誠実”“正解”そういうものにすがって、現実と向き合ってひしゃげそうな己を何とか支えてるんだ。
かわいた声で笑って、何も苦しみなんてないみたいに朗らかな表情で、明日への希望を語り、朝を迎える前に終わりにする。
あの子の、あの人の、辿った道が見える。