風雨天の寅之助が辛口でぶった斬る~今日のタイガース~ -3ページ目

風雨天の寅之助が辛口でぶった斬る~今日のタイガース~

タイガースのゲーム結果を振り返り辛口に評論するブログです。
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回予想した3連戦の先発予想は外れ秋山は中日戦の頭に回った。首位広島を追いかけなければいけないタイガース、秋山は24日に最短で登録できたはず、何故首位チームにぶつけることを避けて6連戦の頭を優先したのだろうか。
 
初戦はメッセンジャーの不調から大敗、昨日は雨に救われるも今日は得点すらできずに連敗。初戦も今日も負ける時の共通点は打線の繋がりにあり広島との差でもあった。
 
金曜日は最後の最後に髙山が三塁打したがそれまでのヒットは全て単打。もらった四球3個。うち2個は加藤からもらいその回に2点入った。11安打しながら得点は「3」、今日は広島より多い8安打しながら一度も二者が連続して出塁できなかった。広島は得点しか3イニング全てに連続出塁があった。
 
得点をあげやすくするための要素として、長打の率を増やすか、またはもらった四球や敵失を絡めたケースが多い。だが四球は他力本願であり攻撃の中では副産物でしかない。敵失などはさらに確率は低い要素。今日はもらった四球が一つ。単打3連打などもともと出にくい。
 
タイガースは甲子園を本拠にしている関係で本塁打数が伸びにくい。本塁打の出にくい球場のナゴヤドームを本拠とする中日も同様。本塁打が出にくいなら二塁打、三塁打の打てる力のある選手をどういう配置で並べるか、繋がりにくい中で得点していくにはここに重点を置いて考えるのが効率的。
 
66試合消化。あと数試合で半分消化となる。今季残された数字も1試合ごとにそのチーム、その選手の実力に近づいていく。以下、現時点でタイガースの主力選手のうちヒットに占める長打の比率の高い選手を上から順に並べてみた。
(長打10本以上)
 
① 中谷・・・.452
② 原口・・・.385
③ 髙山・・・.254
④ 福留・・・.246
⑤ 上本・・・.236
⑥ 糸井・・・.217
⑦ 鳥谷・・・.169
 
ルーキー糸原は昨日の二塁打が幻でなければ10本目の二塁打だったが、打数は少ないながらもその二塁打を含めずヒットの3割が長打。強くスイングできれば体は小さくても長打が出やすいということだと思う。
 
さて、前回の記事でも触れてみたが、リーグ戦再開から糸井が復帰し、中谷、原口のどちらかがスタメン落ちとなってしまった。だが前述の数字を見る限り、いかに両選手が長打を打てる選手かが見えてくる。併用しなければ得点力が落ちることは明白だと感じる。打率.250程度は最低必要だが…。
 
それと鳥谷の数字である。長打が出にくい現状を鑑みれば、クリンアップの後ろで還す役目の6番に置くのはいかに非効率であるかも見えてくる。長打の率は低いが、こと出塁にかけてはチームどころかリーグでも屈指の選手である。
何故6番から頑なに動かさないのか…。
 
どういう特徴を持った選手に数多く打席を与え、その選手をどういう特徴の選手の前に置き、どういう特徴の選手の後に置くべきか、タイガースが広島に追い付き追い越すために、そしてもっと強いチームになるために考える余地はありそうだ。
 
昨日のノーゲームと今日のゲームの髙山を見ていて感じたことがあった。今日は一塁線へ二塁打、昨日はライト前へポトリと落とした。昨日のカウントは忘れたが、今日はボール先行の4球目、低めの難しいカットボールだったと思う。おそらく昨日も今日も見逃せばボール球だったはず。
 
昨日は髙山独特の打法で体に近づいてくるボールに反応した。昨年から続いて今季のどの打席でも早打ちは変わらない。早打ちなので凡打するとすごく淡泊に見えてしまう。早打ちが悪いわけではない。が、髙山の早打ちにも改善すべきところがあるように思う。
 
追い込まれたらもちろん臭いコースには手を出す必要がある。髙山の場合、ミート力が高いがために初球のボール気味にも手を出してしまい、しかもミートまできてしまう。ミートできた打球がヒットになることもあるが、これはあくまでもラッキーヒットでしかない。
 
ヒットにする確率をより上げるためには強い力をバットに伝えてこそ。弱い打球はコースヒット。強打者は強いスイングから生まれる強い打球を心掛けている。強い打球は野手のすぐ脇でも抜けていくことを知っているからだ。強打者に併殺が多いのは強い打球が飛ぶから。新井が数多くの併殺打を打ってきたのはダテではない。
 
髙山には好打者でなく強打者になってもらいたい。首脳もそういう期待を込めて1位指名したはずだ。アクロバットような打法を評価もされるが、そういうヒットが多ければ多いほど髙山の打率は上がってこない、私はそう思っている。初球から追い込まれたような打撃はいらない。
 
初球は1点集中、追い込まれるにつれてヒッティングゾーンを広げていく。力の伝わりやすいコースを強いスイングで打ち返す。こういう気持ちで臨む打席が増えれば軽く3割3分は打てるだろう。素人ながら更なる開眼を願う。
4チームに勝ち越し、パの首位と2位の2チームに負け越しでトータル貯金2で18試合を消化した。5割で終わればOKの交流戦を貯金ができて追われたのだから上出来だろう。欲を言えばキリがない。うまくやれば勝てる試合だった数と同じ程度に勝たせてもらった試合もある。
 
パ・リーグ、個人的に一番怖いと感じたのは西武打線だった。源田という走力の高いルーキーが2番、1番は昨年の盗塁王金子。最多安打の秋山を挟んで浅村、中村、栗山。7番にメヒア。能見が中村に被弾した右中間、メッセが被弾したメヒアの弾丸ライナー。度肝を抜かれた。
 
西武に勝ち越しを決めたサヨナラゲーム。中谷が5安打したこのゲーム。お立ち台には5安打の中谷とサヨナラヒットの原口の2人が呼ばれていた。一塁のポジションを争うライバル選手同士である。
 
糸井欠場で受け両選手ともにスタメンに名を連ねているが、糸井がスタメン復帰すれば、福留休養日か髙山がスタメン落ちのケース以外どちらかがスタメン落ちとなる。原口が捕手をすれば問題解決だが、一度下した決断を中途半端に覆すこともベンチはできないだろう。
 
この日、中谷のヒット5本は全て単打だった。そしてこの日に限ってだが中谷が相対した5打席19球で一度も空振りはしなかった。タイミングの取り方なのか、配球の読み方なのか、バットコントロールなのか、、、中谷の中で何かが変わったとも思える5打席であった。
 
安定した得点力のためには勝負強さの原口と長打力が魅力の中谷の併用を早い時期に確立すべきだと考える。両選手ともにベンチに置いておくには勿体ない、おそらく多くのファンがそう思えるようになってきたのだから確実に階段を上ってきている証である。
 
西武戦のサヨナラ勝因はリリーフ陣の差にもあった。7回から両軍勝ちパターンで継投に入ったが、西武は牧田もシュリッターも2イニング゙投げさせたのに対し、タイガースは信頼できる6人の救援投手を12回まで一人ずつでも行かせることができた。
 
延長12回を考えた場合、信頼できる投手がいるかいないかで継投が変わってくる。牧田、シュリッターに無理をさせざるを得なかったのは、残り増田しか信頼できなかったということだろう。まさしくこれはリリーフ陣の質の差、同点でもホームのタイガースが俄然有利の展開だった。
 
今日の小野は残念な敗戦。ストレート、変化球ともに制球の安定度は目を見張った。ゼロ勝の投手が100勝以上している投手と互角に投げ合ったのだから大したもの、次回登板にプロ初勝利の期待が高まる。
 
小野も昨日のマテオも青柳も四球が起点で失点している。どのチームのどの投手も四球を出せば失点する確率が高くなるのは今も昔もそしてこれからも変わることはない。制球精度が悪ければいくら剛速球でも勝てない。藤浪も制球が暴れだして以降勝率を落としている。
 
岸のように投手の要素全てにレベルの高い投手から連打連打で得点はできない。8回で岸から8安打したが全て単打だった。四球が絡まない、長打が出ないと得点できない典型のような試合。藤田の好守にも阻まれ、主審の酷い判定も災いした。


左打者のかなり外目をことごとくストライク。あんなとこ取られたらどんな優秀な左打者でも届かない。福留も伊藤も鳥谷も見逃して三振した左打者は皆怪訝そうな表情を見せた。楽天バッテリーにはそこをうまく利用された。制球力のある投手だからこそできることでもある。

 
首位広島は交流戦も強かった。貯金「6」で交流戦終了。1ゲーム差を3ゲーム差へと広げられ来週金曜日からその広島とマツダスタジアムでぶつかりリーグ戦再開となる。広島は大瀬良と岡田を抹消、タイガースは青柳と秋山を抹消。金曜日からは両軍ローテ再編となる。
 
タイガースはメッセンジャーでスタートし、土曜日は再登録の秋山、日曜日は救援をつぎ込める日。マツダで実績のある能見か。岩貞と小野は次節の中日戦へ回ると予想、もう一人の先発青柳をどうするか? メッセの中5日もありだし藤浪の状態次第では再登録もありか…。
 
広島はジョンソン、野村、薮田の順か。マッチレースになりつつあるセ。3ゲーム差なら十分戦える。夏場に向け、野手も投手も決して無理をさせない選手起用には賛同できる。西岡の力が必要になる時も近いだろう。リーグ戦再開を楽しみに待ちたい。
ジター6試合を3勝3敗。裏ローテとなるソフトバンク戦も勝ち越しをもくろんだが、課題だった小野の制球が乱れてつけ込まれた。交流戦も残るは6試合。藤浪のウェスタンでの投球が今一つだったようで、来週も同じローテで6試合を臨むことになるだろう。

6試合、印象に残った場面を簡単に。
 
金子千尋を打ち砕いたオリックスの初戦。秋山が初回につかまり2失点。その初回のオリックスの攻撃。先頭四球とヒットで無死一、二塁からオリックスベンチは3番に起用した安達に犠打のベンチを出している。走者の駿太はバントのサインが出たため離塁が大きく走塁死。
 
安達を7番や8番に起用していたんならわかるが3番に起用した選手に初回無死一、二塁から犠打させますか、、、クリンアップって犠打するために据えているのか? 得点圏に行っているのに何故攻撃しないのか…。
日本の指導者は本当に犠打がお好き。
 
ラジオ解説の岡田が金子のピッチングと伊藤のリードを酷評、外側ばっかし、それにストレートが少ないとも…。金子という投手は多種な変化球を持っていて、その変化球を駆使して打者を打ち取ることが好きなようだ。以前本人がコメントしていたのを聞いたことがある。
 
金子よりも球威球速は出ていなかったが、秋山が投球の軸にしていたのはストレートだった。往年の好打者、榎本喜八は回転の良いストレートを打つのが一番難しいと言っていたらしい。小山正明さんが解説でそう呟いていた。対照的だった秋山と金子。セとパのエースに投げ勝った秋山。
 
翌水曜日は4点差をひっくり返されサヨナラ負け。長いシーズンこういう負けもある。最後はロメロの強烈な遊ゴロを糸原が捌ききれなかった。うまいショートなら本封していたかもしれない。糸原は体の近くの打球を逸らしてしまった悔しさでいっぱいだろう。球際の強さは練習でまだまだ上達する。
 
オリックスの勝因は中継ぎ投手の踏ん張りだった。だからと言ってタイガースの敗因が相手の中継ぎを打てなかったことに無理にもっていく必要もない。マテオの先頭四球も悪いが、それよりも正面の強い犠打を二封するためにもう少しフィールディングの練習をしたほうが良い。投手は投げるだけではない。
 
翌木曜日は接戦を制して勝ち越し。このゲームではメッセンジャー対西野の13球勝負にも分岐点があった。同点に追いついた2回裏、原口の捕球ミスと犠打、四球で二死一、二塁。ここで西野。メッセンジャーは立ち上がりから制球が定まらずかなりの球数。西野にしつこく粘られる。
 
ここで四球なりヒットで繋がれていたら、メッセンジャーの緊張の糸が切れてしまいかねないような状況だった。西野の打球は三直。真正面の打球でツキもあったが、メッセンジャーが四球を与えなかったことが大きかった。さすがである。
 
ヤフオク初戦はバンデンハーグに手も足も出ず。昨日の第二戦。相手先発から考えれば青柳の出来次第で勝負は決まる。スライダーとツーシームの制球がある程度ならそうそう打たれない。自滅しないよう青柳がQSに近い投球ができるかどうかがポイントだった。
 
与四球「1」が示すように総じて制球は安定していた。はっきりボールとわかる投球も多かったが、甘いストライクも少なかったように見受けられた。柳田が空振り三振したツーシーム、今宮が空振り三振した高めのストレート。これは下から投げる投手の武器になる。
 
左打者へのツーシームは逃げていきつつ沈むので打ち難いし、高めのストレートはホップして浮き上がってくるのでボールの下を振りやすい。スライダーを含めて青柳がこの武器たちをもっと意思通りに投げることができれば幅が広がる。
 
2点先取してなおも二、三塁で上本の打席。カウントは3-0になっていた。四球かと思った四球目。内側へのツーシーム系の球を上本が強振した。先制打の糸原も二次攻撃の上本も素晴らしいスイングだったがベンチ采配にも拍手を送りたい。
 
昨年までの上本なら、3-0になった時点で「待て」のサインだろう。カウントが3-0になった場合、よっぽど信頼できる打者でない限り待て、、、解説者時代、金本は度々そのような持論を語っているのを覚えている。四球目を強振したことで、待てのサインは出ていなかったことになる。
 
これは上本がベンチから信頼される選手になった証にほかならない。松本はこの回だけで四球が三つ。もう出せないところでストライクを取りに来た。 しっかり振りぬいた上本の打撃はますますベンチの信頼を勝ち得たことだろう。
 
次節の6試合で交流戦終了。数日の休みがありリーグ戦再開は23日金曜日からとなる。おそらくここでローテの再編があるのではないか。23日のリーグ戦再開は敵地で広島3連戦からのスタート。表裏のローテを入れ替える可能性は高い。
 
今節一番気持のよかったのは、負けたゲームながら京セラで中谷の大きな弧を描いた一発。
高く舞い上がったその放物線は田淵を彷彿させた。