法人営業部の佐藤です。

 

『企業主導型保育事業補助金実施要綱』が内閣府より発出されたことに伴い、現在の実施機関である公益財団法人児童育成協会が、「企業主導型保育事業助成要領」「助成申請、運営にあたっての留意事項」を改定し、10月31日に発表を行いました。

現在、すでに開園して運営を開始している企業主導型保育施設は、今後はこの要綱と助成要領を元に運営を行っていくことになります。

【企業主導型保育事業補助金実施要綱】
https://www.kigyounaihoiku.jp/download/?wpdmdl=3315
【企業主導型保育事業助成要領】
https://www.kigyounaihoiku.jp/download/?wpdmdl=3316
【助成申請、運営にあたっての留意事項】
https://www.kigyounaihoiku.jp/download/?wpdmdl=3317

 

ようやく、、、という感じもありますが、今回はそちらについて、ポイントをお伝えさせていただきます。
 

児童育成協会から、発表された内容は下記になります。原文ママです。
 

「企業主導型保育事業費補助金実施要綱」の主な改正点


【本文】
(1)「施設利用給付費」の追加
保育の無償化の実施に伴い、企業主導型保育施設に対し、無償化の対象となる児童の利用料の軽減に要する費用を助成するため、追加されました。併せて「無償化の対象となる児童の要件」「無償化の対象となる児童の利用料の設定」について規定を設けました。
(2)3歳以上の副食費の実費徴収化
3歳以上の副食費について、無償化に伴い実費により徴収することとなることから、実費徴収することができる費用を「3歳以上の児童の主食の提供に係る費用」から「3歳以上の児童の食事の提供に係る費用」に変更されました。

【単価】
(1)基本分単価及び各種加算のうち消費増税の影響を勘案する必要があるものについて、当該影響が反映されました。
(2)3歳以上の基本分単価から、副食費分の金額が減額されました。
(3)3歳以上の「利用者負担相当額」について、副食費分の金額が減額されました。
(4)運営支援システム導入加算が単価表に追加されました。

「企業主導型保育事業助成要領」の主な改正点

【本文】
(1)「企業主導型保育事業(施設利用給付費)」の追加
保育の無償化の実施に伴い、企業主導型保育施設に対し、無償化の対象となる児童の利用料の軽減に要する費用を助成するため、追加しました。なお、「増加定員施設(運営費事業類型2)」「空き定員活用施設(運営費事業類型3)」について、運営費とは異なり、「対象の定員部分」に限らず、「全ての定員部分」を助成対象とします。算定方法や交付条件等は要領をご確認ください。
(2)「運営支援システム導入加算」の追加
中小企業事業主が設置する事業所を対象に、施設における業務のICT化を推進することにより、保育士の業務負担の軽減を図るための運営支援システムを導入する場合の加算を追加しました。
※なお、本加算の申請は、運営費の「年度・完了報告」にて実施いたします。

【単価】
実施要綱の単価改正に基づき、助成要領についても同様に単価改正を行いました。
 


ポイントとして、2点取り上げます。

 

①基本単価と加算単価の変更

−10月からの無償化と、消費税の増税実施を考慮し、基本単価と加算単価が変わりました。

基本単価に関して、例えば私たちが、多くの園を運営させて頂いてる松山市(その他地区)を取り上げると、0歳児及び1.2歳児は基本単価は金額増になっています。3歳以上児の基本単価は一見下がっているように見えますが、無償化の影響で保護者からいただく保育料から控除される金額が下がっている為、実質の助成金額は増加していることになります。

具体的には…


松山地区(その他の地域)20~30名定員設定
◆週7未満開所の場合
旧要領
0歳児     :260,160円

1.2歳児 :174,940円
3歳児    :111,390円
4.5歳児 :102,960円

新要領
0歳児    :316,010円(2,870円増)

1.2歳児:230,560円(1,930円増)

3歳児    :108,050円(3,340円減)

4.5歳児:99,520円(3,440円減)
 

という増加になります。

 

各エリア・開所日数・定員数などによって異なってはきますが、実質は助成金は増加という考え方になるかと考えています。

 

また、賃借料加算(物件の賃貸料に対する助成)、連携推進加算(事務員の雇用に対する助成)、保育補助者雇上げ強化加算(非保育士の補助者の雇用に対する助成)の加算3つも増額となっています。
 

◆賃借料加算
旧要領             

6 ~ 12 人:2,282,000 円 
13 ~ 19人:3,838,000 円

20 ~ 30人:3,986,000 円 


新要領

6 ~ 12 人:2,390,000円(108,000円増)

13 ~ 19人:4,021,000円(183,000円増)

20 ~ 30人:4,168,000円(182,000円増)

 

◆連携推進加算
旧要領

4,543,000 円

新要領

4,593,000円(50,000円増)
 

◆保育補助者雇上げ強化加算
旧要領

2,215,000 円

2,258,000円 (43,000円増)


上記はいずれも年額です。

 

すでに運営が始まっている事業者はもちろんですが、今後開園を控えていたり、検討している事業者についても、現状のシミュレーションを更新する必要があるかとおもいます。

 

②「運営支援システム導入加算」の新設
近年、認可保育園でも導入が急速に進んでいる保育ICT(Information and Communication Technology(情報通信技術))システムとも呼ばれる「運営支援システム」を導入するための各種費用の助成になります。これまでアナログでやっていた帳票関連の業務や、保護者の皆さまとの連絡などを、システムで行うことで効率化を図っていくことを目的に導入されるものです。

 

1施設あたり1回のみの申請が可能で、年額100万円の助成金になります。

※ただし、中小企業に限るという条件がついていますので、ご注意ください。

 

助成要領に「施設における業務のICT化を推進することにより、保育士の業務負担の軽減を図るため」とあるように、これにより保育士を始めとした園の職員の負担を減らす動きがますます本格化していくことが予想されます。

 

以上になります。

 

児童育成協会からの案内には、本要綱・助成要領は、既存で運営する事業者にむけたものであり、新規公募の時期などは未定とは書かれています。

ただ、従前から本ブログでもお伝えしていますように、準備はしっかり立ち上げようとすればするほど、相当の準備期間を必要とします。また、次回の新規公募の審査のハードルは相当上がることは確実ですし、このような形でより良い制度運営を行うため、細かな制度改正が今後もなされていきます。

私たちは、企業主導型保育事業が始まる前の制度から、事業者内保育所や院内保育所を行う法人企業様の支援をしてまいりました。故に、こういった制度に関してのノウハウや知見は高いと自負しています。

新規の立ち上げももちろんですが、運営開始後のお困りごとにも、お応えさせていただきますので、お気軽にご相談いただければ幸いです。