ここは中国、上海。

前回のは完全に違うと確信した晴海(ハオミン)だったが、やはり憧れの日本食は食べたい。
しかしなまじ稼業が料理屋なだけに外食に対して積極的になれないジレンマは、料理長である父親のプライドを傷つけまいという心優しい晴海(ハオミン)の性格によるもの。優しい晴海(ハオミン)。可愛いよ晴海(ハオミン)。

どうしたら後顧の憂い無く日本食を食べることができるだろうか?
ぼんやりと帰宅路を辿る晴海(ハオミン)の視界に「吉野家」。‥これなら⁉︎

「ただいまーっ!」
娘の表情から「またアレだな」と確信した父の馬寛(マーアン)。
「おかえり、晴海。今夜は何が食いたい?」

牛丼。
それは日本の労働力を支える、国民的ソウルフード。
その甘辛い味付けに仕立て上げる調味料こそ和食の真骨頂と言える一方、レシピはシンプル。これだ。これなら父親の無知を見越してでも、日本食を堪能できるに違いない!晴海(ハオミン)は心踊った。

「任せろアル!」
ことチャイナを主張した父親の語尾に抱いた若干の不安は、図らずも現実となる。
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そんなコンセプト。

てか食材がねえんだよ!
ダシも野菜も切れてんのに、バニラエッセンスとか練り生姜ばかり補充されてたウチの食料調達班のせい。

おかげで晴海(ハオミン)プレイでもしなきゃ、やってらんねえよ!