思いの外「ひぐらし」が良かったので、同系のコレも行ってみようかと。
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全26話、観ました。

うーん、これは複雑。
富豪一族が揃った洋館で連続殺人が発生。犯人は誰か?そしてその方法は?というミステリーが軸なんだけど、「ひぐらし」同様のパラレルワールド展開に加えて、主人公の多視点構成がややこしい。

まずファーストepisodeで死亡した主人公が、次以降のepisodeでは
①俯瞰の存在
②別世界での主人公
として両立し、ストーリーを進行していく。物語の終焉を迎えるには①の“勝利”が唯一の条件であるようでいて、実際のところ確信は無い。それというのも、②には複数のepisodeが存在し、且つそれぞれの時間軸は一方のベクトルに従わず、更にepisode毎に映される画は真実よりはむしろ抽象的だという条件下で真実を見極める必要がある。その抽象表現の元締めこそが“魔女”であり、主人公を惑わし続けているという構成&演出。“魔女”から見せられる幾つものepisodeをヒントに、①の主人公は“魔女”という非現実の存在を打破することこそ真実へ辿り着くはず。的な。

‥コレを観たことのない人は、何を言ってるかワケわかんないでしょ?笑   でもそうなんだもん!コレが俺の表現力の限界だ!ギブ‼︎

兎に角ストーリーから構成&演出は実に独創的で、これは考える以前に感じる必要を余儀なくされる。感じて、理解して、そうしてやっと本題の謎解きに挑戦できるという点を「複雑」としたが、このプロセスから得るものは知的快感しか無いのが天晴れ!
物語の登場人物も多く序盤は顔と名を憶えるだけでも苦労したが、やがてそれぞれの血縁関係。性格。因果関係は朧げな理解では真実に辿り着けないと気付き、傍観のままでは済まされない迫力に支配されていく。こういうポイントで伸るか反るか、視聴者の性格で評価は二極化される作品だろう。その点俺は、伸った!バリ集中した!

のに、あんなエンディングは酷いよー(T_T)!
一応の完結を迎える構成ではあったものの、あんなのでは到底真実を裏付けたとは納得できない。はっΣ!だったら“真実”に辿り着くには‥ちくしょう!結局また繰り返しアニメを観たり、それよかむしろ原作のゲームをやったり漫画版に手を出しなさいよ!ってコトだわな。うーん、参った。

原作を売る為のアニメは沢山ある。それらの殆どはエラく中途半端な最終話で終了させることによって、単純にその後を原作側に帰化させるというビジネス手法だ。この「うみねこ」については全くそうではなく、アニメはアニメの中でストーリーを終えている。しかしそこで満たされなかった知的好奇心があるのなら、他メディアで確認しなさい?という、傲慢とも感じるほどの挑戦的な仕様。悔しいが、素晴らしい!

ここではアニメとしての採点ありきなので、80点!
しかしマルチメディアとして展開している「うみねこ」の存在と説得力と可能性については、決して俺の尺度で数値化できるものではないとも感じた。いずれ“真実”への謎解きをチャレンジしていきたいとも思った。
ミステリー好きには超オススメ!