1mm happiness



■basic date■


名前:畑山麗衣(はたやまれい)
生年月日:1992年2月14日 20歳
所属:関西学院大学人間福祉学部社会起業学科3年
   COCOCHI代表
   豊中TPS
   


■questions■


1、現在取り組んでいる活動


週2回くらいのペースで、障がい者の方や若者・高齢者の就労・生活支援をしている事業所で働かせてもらってる。
仕事内容は、事務作業をして事業所の仕組みを学んだり、自分のやりたいことを企画させてもらったり。
就労支援の出口は、企業や作業所などの働き口なんだけど、今までCOCOCHIでやってきた事を活かして、そこの作業所と何かできないかなって思って、作業所の方とお話させてもらって一緒に考えていく機会をいただいてる。


ここで働かせてもらいたいと思ったきっかけは、代表を務めているCOCOCHIという団体での経験から。
フェアトレード商品を扱ったお店を運営したり、フェアトレード商品の開発に携わる団体だったんだけど、そこで「海外だけじゃなく国内のいわゆる“社会的弱者”と呼ばれる人たちが作る商品も“フェアトレード”と呼ぶことができるんじゃないか」という思いから、障がいを持った方が働いている作業所で作ったお菓子や雑貨なんかも取り扱っていた。
商品を店舗で売って、売れ行きやどんな人が買ってくれたのかを事業所の方に報告したら喜んでくれたり生産者のみなさんに自信がつくこと、またフェアトレード商品を売ることによってそれを手に取った人になんらかの知るきっかけを提供することによって、情報や知識不足から生じる差別や偏見っていうものが減るんじゃないかと思って、活動にやりがいは感じていた。

でも、実際事業所に行ってそこで働く人の声を聞いてみると、「もっと社会のことを知りたいし、こんなこと・あんなことをしてみたい。」「新しい働き方をしたい」と思ってる方がたくさんいた。
私はそんな人たちの話を聴くことはできる。相談に乗ることはできる。
でも、だからって別の働き口や働き方を提示してあげることはできなくて、そんな自分に無力感を感じた。
だから、障がい者と就労口をつなぐ現場に行って、どんな仕組みで動かされているのかを知りたいと思い、事業所で働かせてもらうことに至った。


事業所で働いておられる方は、皆がプロフェッショナルの集団。
事業所に来られる障がい者をもっている方や高齢者・若者の適正を見たり、相談に乗ったり、働く場所を提示したり、依頼者さんが企業や作業所に入った後も定着するためのケアをしたりと、ときには彼らの家族にも寄り添いながらそれぞれの人が自分の専門性を活かして、一貫したサポートを行ってる。

そこに入って気づいたことは、「ここに来ることができる人も、情報を持ったごく一部の人だけなんだ」ということ。
それに、情報を持ってる人の中にも、「障がいを持ってるから仕事に就くのは難しい」と諦めてる人もいるってことを知った。


私はこの事業所に来て、ここに来なかったら出会えなかった人に出会えたし、新しい働き方であったり、学ぶことがたくさんある。
だから、知ったからこそ、自分はもっと発信して色んな人に色んな情報を伝えていくべき立場なんだと感じてる。

たとえば、目の前の人が障がいを持ってるってだけで「怖い」って感情を抱く人も多いけれど、その人の特性なんかをちゃんと伝えればその恐怖心は消えるはず。
そんな風に、知識や情報を流して偏見を減らしたり、思い込みを壊したりしていきたいなって思う。


あと、今は6月に社会的養護の講演会を行おうと企画している最中。
私は児童養護施設出身なんだけど、施設を退所してからぶつかる問題がたくさんあった。
たとえば、親権者問題。
養護施設出身者にとって施設を退所する18歳から成人して自分で権利を持てる20歳までの2年間は「空白の2年間」と呼ばれる期間で、親権者がいないため携帯の契約や家を借りるのがすっごく難しい。
もうひとつは、グレーゾーンの存在。
養護施設の中には、軽度の発達障害を持ってる子もいるんだけど、彼らは症状が重くないからという理由で障害者手帳を持つことができない。
彼らはそのため自分の障害を証明できるものが無く、就職したら「物覚えが悪い子」「作業の遅い子」とだけ見なされてしまい、見た目で損してしまう。
その中でも親がいない児童にとっては、落ち込んだときに帰れる場所や頼れる人が居ない。
そして仕事を辞め、引きこもってしまう場合が多い。


彼らにとって必要な機関や支援ってなんなんだろうって考えてる。(「支援」って言葉は好きじゃないけど。)
地域ぐるみで協力できれば解決できる問題だとは思ってる。

私は、「養護施設出身者は大学進学が厳しい」という常識にムカついて、意地で大学に進学した部分もある。
諦めようと思ったら「お金が無い」とかを理由に簡単に諦められる。
でも、奨学金制度もたくさんあるんだし、進学しようと決めたらいくらでも沢山の人が助けてくれたりと、いろんな方法があってその道は開ける。
そんなことを知った自分の経験を少しでも伝えられればと思い、事業所のつながりで出会った私と同じく養護施設出身の先輩と講演会を企画してる。



2、モットーや信念


「笑う門には福来たる」
いつも、「とりあえず笑っとこ!」「何があっても笑おう!何でも楽しも!」って思ってどんと構えてる。
あとは、「楽しむこと」と、「周りの目を気にせずにやりたいことをやること」。



3、自分の好きなところと嫌いなところ


○好きなところ
・ポジティブなところ
・誰とでもすぐに仲良くなれるところ
・よく笑うところ
・人の変化に気づく:相談をよく受けるところ(相談されたときは決まって、「自分のペースでやったらいいやん。なんかあったらいつでも話聞くことはできるから、そのときは溜めこまずに!」って言ってる。笑)


○嫌いなところ
・自分のことをわかってないところ
人がしんどそうっていうのはすぐに感じ取れるけど、自分の限界は把握できてない。
・言語化が苦手なところ



4、自分を漢字一文字で表すなら?


「笑」
とりあえずどんな状況でも笑顔は絶やさない!
アドレスにも「smile」って入ってるし!笑



5、人生のターニングポイント


(1)「自分らしく」生きられるようになったこと
中3のとき、テニス部に入ってたんだけど、ある時「どこに行くにも集団行動」の典型的な女子的雰囲気がすっごくめんどくさくなった。
人と同じもん買って、みんなで同じものを見て「可愛い」って同調して、何を求めてるんやろ。個性無いやん。
って思ってすっごく嫌気が差したのと同時に、「素の自分を認めてくれる人も絶対おるはず!」って思って、その頃から周りのことを気にしなくなった。


(2)大学受験


商業高校に通っていたから、周りは「会計士」を目指してる子が多かったり、大学に進学するほとんどの友達が商学部や経済学部に進学する道を選んだりしてた。
確かに高校の勉強が役に立つのはそういう仕事や学部かもしれないけど、自分がやりたいのはこれじゃないなって思ってた。
そんな中で自分の原点を考えたときに、「福祉」というワードは切り離せなかった。
「商業の知識も活かしつつ、同じような境遇の子に間接的にでも何かできたら一番幸せだな」という思いから、日本でたった1つしかない社会起業学科に進学した。
大学に入った頃は、子どもが学ぶ機会も無く労働を強いられる途上国の環境に疑問を感じたため海外にばかり目がいっていて、フェアトレードの活動に取り組んだり、東南アジアの国を訪問したりしていた。
けれど、作業所との接点を持てたおかげで国内にある情報格差の問題にも興味を持つようになった。
起きている問題を知って、衝撃を受けて、初めて伝える側に回れるんだということにも気付き、知ることや現場に出ることの大切さも、この大学生活の活動の中で学んだ。



6、モチベーションについて


あんまりモチベーションが下がることはない。
自分の考えや感情をうまく言語化できなくて相手に伝えられない時はちょっと落ち込むけど。

私のモチベーションは「人の笑顔」。
「私がこれをすることで誰かが笑顔になるかもしれない」って思ったら、「やろう!」って思える。
その笑顔は、実際に目の前の人が見せてくれるものでもいいし、未来に想像できるものでもいい。
このモチベーションが途切れないから、自分も動き続けることができている。



7、趣味


絵を描くこと。
昔からずっと好き。
名刺も自分でデザインして作ったり、似顔絵も得意。



8、好きなエンターテインメント



○好きな歌手
AI!!!
めっちゃ好き!!!


○好きな映画
「RENT」
「天使にラブソングを」



9、憧れの人


生き方としては、社会起業家でマザーハウス代表の山口絵里子さん。
でも、自分を持って生きてる人はキラキラしてるからみんな好き!
そんな人ひとりひとりに対して「マネできひんなー!!」って思うし、強さを感じる。



10、やりたいこと、成し遂げたいこと、夢、将来のビジョンなど



○行きたいところ
フィリピンとベトナムに行きたい。
COCOCHIの活動の一環でフェアトレード商品を作っているところにお邪魔したことがあるんだけど、そこですっごく仲良くなった「フィリピンのお母さん」的存在の人から、facebookに「帰ってきなさい」ってメッセージが来たり、すごく会いに行きたい。


○仕事など
ゴールがどこかわからないけれど、今関わっている就労支援に携わったり、自分が問題意識を抱くことに取り組むことは続けていきたい。
1人でも多くの人が笑ってる社会を創りたいから。
だからこそ、普段から色んな人と関わりを持って、1人でも多くの人を笑顔に出来るような行動を積み重ねたい。
そんな仕事をして、そんな社会創りに貢献するっていう前提を達成した上で、これからも絵を描き続けていって自分のデザインで何かできればなって思う。


今から大学4年生にかけての一年は、「社会に出る際の自分の働き方を確立する」という意味で自分の中のターニングポイントになる気がする。
大学卒業後、自分がどんな道に進むかをしっかり考えて決断したい。


○生き方

知らない人に出逢って、新しい価値観を知って、常にいろんなことに刺激を受け続けていたい。
そのときそのとき、自分がホンマにやりたいと思ってることをやって、自分らしく、楽しく、生きていきたい。
きっと自分らしさを貫いた先に、そんな自分を見て認めてくれる人はいるし、それこそが幸せだと思うから。



1mm happiness



【About you】♯030 畑山麗衣
twitter→@rei8214
facebook→rei hatayama



■my note■


麗衣と出逢ったのは2年前。
そのとき、麗衣はまだ大学に入学したばかりだった。
それなのにアクティブでチャレンジ精神に溢れてる姿勢に刺激をもらい、そして何より楽しそうによく笑う姿に親しみを覚えて、出逢ってすぐに仲良くなった。


麗衣の魅力は、強さ。
「強さ」と呼ぶと誤解を生むかもしれないけれど、逆境でも弱音を吐かずに上を向いて.正面から向き合って笑顔を忘れずに進んでいく姿勢からは、本物の強さを感じる。
きっと、その裏にはたくさんの隠しているマイナスの感情があると思う。
けどやっぱり、それらすべてをひっくるめるくらいのエネルギーと前向きな感情を従え、拳を握りしめて「よっしゃー!」って勢いで向かっていく麗衣はかっこいいなって思う。


感受性が強く、それゆえに感じた問題点や違和感をそのままにせず追求していく麗衣。
そんな性格だからこそ、まだまだ彼女の人生のプロジェクトは複雑多岐に亘っていくのかもしれない。

けれど、これからもきっと持ち前の明るさを武器に、彼女は自分の道を堂々と歩み続けていくのだろう。
太陽の下で凛と咲き誇る、背の高い向日葵のように。