1mm happiness



■basic data■


名前:キムソンミ(金善美)
生年月日:1987年12月4日 25歳
所属:シナジーマーケティング株式会社



■questions■



1、 仕事について


4月にシナジーマーケティングに入社し、6月末までは同期と一緒に研修を受けていた。
昨日研修が終わり、7月1日からそれぞれが部署に配属される。


日本にワーキングホリデーに行って韓国に戻ってきてから、勉強ばっかりしていた。
向こうでは就職するときにTOEICと大学の成績がとにかく大事だから。
ほんとは大学院に行きたくて、親に何回も話したけれど、反対されたし長女だからっていう責任感もあって、就職することに。
今までの人生はやりたい放題やってきたのにそれができないってことが本当にしんどくて、そんなんだから全然就職活動にも身が入らなかった。
一応いくつかの企業にエントリーシートは出したものの、自分の理想が高すぎたこともあって全部落ちた。
でも就職したいと思ってなかったから、悔しいって気持ちにさえならなかった。


そんな状況で、なんとなく「日本で就職できないかなー」って思いながらネットサーフィンをしてたときに、「日本企業博覧会」みたいなイベントのサイトを見つけた。
そこに載ってた企業の一つがシナジーマーケティングだったんだけど、HPがほんとによかった。

一番響いたのは、社長の谷井さんの映像。
「うちの社員をいい親に育てたい」ってことを言ってたんだけど、人を大事にしてる会社だということが、その一言から伝わってきた。
そんなこんなで「この会社を受けてみよう」って気になった。


無事エントリーシートが通って、韓国で受けた面接に合格して、残り2回の面接はスカイプでおこなった。何の準備もせずに面接に臨んでは、良い意味で何も考えずに、ほんとにありのままでしゃべってた。
そんな私をよく見てくださって、今ここで働かせてもらえてることは本当にありがたい。ITという分野には正直向いてないかもなって今も感じるけど、でも、「来てよかった」とはずっと思ってる。
ちなみに、面接を受ける際には、もっちのブログもめっちゃ役立ててた(笑)。
もっちが内定者(今の同期)にインタビューしてて、その中でみんな共通で受けた谷井さんからの質問が「親から教えてもらったことは何ですか?」って書いてたんだけど、実際私もその質問はきました(笑)。


今までの研修を通じて感じた会社のイメージは、思っていたより組織としてしっかりしていたってこと。
私はあんまり枠にはめられるのが苦手だから、正直最初はそれに適応するのが難しかった。

3か月間の自分に点数を付けるなら、35点くらい。
悪いくせで、すぐ人と比べて「私はこれだけしかできない」って思っちゃうから。
「もっと自分を認めてあげなさい」「できたことに目を向けた方がいいよ」「もったいない」ってよく言われるんだけどね。

今まで失敗を味わったことがあまりないし、就職する前は“できる子”の部類に入ってた。
でもこの3か月間は、正直できないことのほうが多かった。
自分が思ってるほどの成果が出せないことがもどかしかった。
周りは自分を「もっとできる人」って思ってくれてるのに、自分を信じてあげられる自分がいないことが辛かった。
自分に限界を置いてしまうことが多い3か月間だったなあ。


大変だったことは、やっぱりコミュニケーションの部分。
日常生活には困らないくらいしゃべれるとは言っても、言葉の面での壁はやっぱりあって、自分が言いたいことを全部伝えきれないこととか、意思疎通がとれてないときに、努力してとろうとするんじゃなく諦めてた自分がいたことが悲しかった。


一方で、一番うれしかったことは、会社のコーポレートブログに記事を書かせていただいたときに、自分の書いたブログ記事を見て問い合わせをくださったお客様がいたこと。
それを見た先輩が皆に報告してくれて、「いっつわんだふぉー!」って喜んでくれたのがうれしかった。
会社に少しでも貢献できたなっていうのと、自分の力で何かをできた、っていう達成感で胸がいっぱいになった。
※そのブログ記事はこちら


同期のみんなは、それぞれほんとに色んな経験があって、それぞれがちゃんと「自分」っていうものを持ってる、私より年下なのに、頼もしい子ばかり。
一緒にいたのは3か月間だけだったけど、私は人を好きになるのが早いから、7月から部署も場所もバラバラになるのがほんとに淋しい。
ほぼ毎日会っていっぱい話したりぶつかったりする中で、少しずつお互いの良いところも悪いところも見えて来たし、思ったことは言い合える関係になってきた。
今、感謝してるのは、私が外国人だからって甘やかしてくれなかったこと。
正直言うと「おい、おまえら、私外国人やぞ!ちょっとは気にしろ!」って思ったこともあったけど(笑)、今考えるとめっちゃありがたかった。
同期は、これから私がこの会社で働いていくうえで、おそらく一番大事な存在。


会社の一番いいとこは、人。ほんとこれに限る。
みなさんほんとに私たちのことをちゃんと見てくれてるんだなあって感じる場面がたくさんある。



2、座右の銘


「基本的なことをきっちりする」「あたりまえのことをちゃんとやる」
簡単そうで一番難しいこと。
いきなりすべてに対してすることは難しくても、自分がこだわりを持っているところに対してはせめてちゃんとそうしたい。



3、自分の性格


○長所
・人をすぐ好きになるところ
人のことを信じやすい。

ときには短所にもなるけれど、たとえ信じた人に裏切られたとしても信じ続けられる自信はある。
基本的に出逢った人のことは大事にする。

・公平
友達によく言われる。
たとえばAとBのふたりの友達がいてその2人がケンカをしたときに、より仲が良い方の肩を持つのではなく、公平に見て正しいジャッジを下せる、みたいなところがあるみたい。


○課題
・視野が狭すぎるところ
自分のことばっかりに気がとられるか、周りのことばっかに興味を持つかのどちらかになってしまう。



4、人生のターニングポイント


○日本へ渡ったこと
小さいころから日本のことは好きだった。
歴史では日本のことをいいふうに教えてもらわなったけど、それはさておいて、竹とか白い石とか黒い壁、みたいな日本の雰囲気が好きで、大人になったら住んでみたいとは思ってた。

2008年にはじめて日本に旅行に行ったときは、トイレがめっちゃ綺麗なことに感動した覚えがある(笑)。 帰りの飛行機の中で、「絶対また来よう」と思ったなあ。
韓国に帰って、すぐに日本語の勉強を始めて、気が付けばワーキングホリデーで日本の東京に来てた。
アルバイトを通じて、日本の「おもてなし」の精神を学ぼうと思ってたけど、残念ながら私が働いていたお店はマニュアル通りの接客の方が多かったなあ。
けれど、ほんとにいい人に恵まれたし日本での生活は楽しかったから、「また日本に来よう」「日本で働くのもアリだな」と思った。実際今こうして暮らしているしね。


○休学
大学に進学するときに、田舎からソウルに出てきた。
第一志望に行けなかったダメージが大きすぎて、1年のときは全然大学に馴染めず、毎週末片道2時間も掛けて実家に帰ってたほどだった。

大学2年が終わったときに、これじゃだめだと思い休学をして、そのあと日本に旅行したり、日本語を独学で勉強し始めてワーキングホリデーに行った。
そこから大学に戻ってきて、専攻を韓国語から日本の歴史に変えたんだけど、そこから勉強がどんどん面白くなっていった。
一度休学をして学校に戻った時に感じた「このままじゃだめだな」って気持ちがあったおかげで、色んな活動をし始めるようになった。



5、モチベーション


○上がるとき
・面白いと思ったとき
ひとつのことに時間を割きすぎて他のことができなくなるくらい夢中になる。

・人に良い評価をされたとき


○下がるとき
「自分には合わない、向いてない」っていうのがはっきりわかるのにやらなきゃいけないことがあるとき



6、好きなエンターテイメント


○本
「ヘヴン」/川上未映子

当時好きだった男の子が薦めてくれた一冊。
作中に出てくる男の子と女の子の関係がわたしたちに似てると思い、そうしてくれたんだと思う。
普段小説なんて読まないのに一気に読み切ってしまい、本を閉じた瞬間に大泣きしてしまった。
あんなに心に沁みてきた本は初めて。


○映画
「泣くもんか」
この映画の中で、阿部サダヲはどんなことがあっても泣かない。
自分も、何か作品を見て泣くことはあっても、普段辛くて泣くようなことはほとんどない。
弱音を見せたくないとかじゃなく、「ここで泣いたらすっきりするかもしれないけど、自分に何の得があるんだ」って風に考えてしまう。
たくさん共感できるところがある作品だった。


○芸能人
・関ジャニ
ラストフレンズで錦戸亮にハマったことがきっかけ。
DV男の役だったんだけどね(苦笑)、
彼は愛し方を間違ってるだけで、あの中で一番みちるを愛していたと個人的に思ってて。
とにかくそこで錦戸にハマりすぎて検索してたら関ジャニを見つけて。
動画やPVが面白くて気付いたらハマってって、そこからコンサートのDVDなんかをよく見るようになった。
関ジャニは、単にアイドルとして好きとか外見が好きとかじゃなく、メンバー愛やお互いを信頼してる様がすごく伝わってくるところが好き。
私はそれくらい信頼できる友達やコミュニティが欲しいと思っているから、ある意味彼らは憧れの存在みたいなものなのかもしれない。



7、尊敬する人/憧れの人


私の中で「尊敬する人」っていうのは、「あの人の言うことは正しいし、あの人に似ていきたいと思える人」で、「憧れ」よりハードルが高いもの。
社内で言うと、人事の小林さん と、ローテーション研修でお世話になった角川さんは尊敬する人です。


○尊敬する人
・10歳年上のいとこのお兄ちゃん
面倒見がめっちゃ良くて、昔から尊敬してる人。 
家庭環境が結構複雑でお金に困ってて、塾にも通えず家庭教師もつけられない状況で、独学でものすごく偏差値の高い大学に行った努力の人。
専攻がロシア語だったんだけど、大学3年のときに同期の何人かがロシアに留学して、「ロシア語がしゃべれるようになった」と偉そうに帰ってきた様子を見て悔しくなり、行き当たりばったりでローンを組んでロシアへ行って、さも当たり前のことかのようにロシア語ペラペラになって帰ってきたこともある人。
留学から帰って来てからも、大学院に行って、公務員試験を受けるもうまくいかなくて、ちっちゃい事務所に就職したものの辞めてもう一度挑戦して結局公務員に転職したような、自分の道を歩んでる人。
歩んできた道は、自分と結構似てる部分はあると思う。
けれど、あの人は要所要所で実りをいっぱい作ってきたのに比べて自分はただ空っぽでふらふらしてただけやなーって思ってしまう。
尊敬できるお兄ちゃんに少しずつでも近づいていきたいなあ。



8、未来について


○仕事
研修期間が終わって、7月1日から本配属になる。
正直不安はいっぱい。ほんとにしょうもないことやけど、失敗をすることを怖がってる自分がまだいる。
それに、ある意味これからがほんとの社会人生活の始まりになるような感覚もある。
お給料もらいっぱなしではだめで、自分で価値を作っていかないといけない。
「一人前になれるまでにどれくらいの時間がかかるんだろう」
そう考えると、不安だけど未来が楽しみでもある。


そして、将来的には人材や新卒採用の仕事がしたい。
たった一枚の紙だけど、一人ひとりのうれしかったことやつらかったこと、歴史が込められているエントリーシートや面接を通して多くの人の人生に触れたり、みんなが安心して働ける環境を整える側に回りたい。
その前にまずは、配属先の部署でどの人からも信頼される人になりたい。


○人生でやりたいこと
・家族で海外旅行
自分でイチから企画して、費用も全額自分で出して、家族4人で海外旅行に行きたい。
今までの恩を返すには全然足りないけど、ひとつの恩返しとして。
・日本のお城巡りをする
・もう一か国語外国語をマスターする


○理想の自分像
不安に振り回されず、自分のことを信じて、好き放題突き進める人になりたい。
あとは、もうちょっとおおらかなひとになりたい。
おおらかになるってことは、人のことを認められて信じられるってことだと思ってて、もしそれがもっとできるようになれば、結果的に今より自分のことを信じてあげられる人になれる気がする。



死ぬ瞬間、「面白かったなー。悪くない、長い旅やったなあー。」って思いながら息を引き取れたら幸せですね。



1mm happiness


【About you】#092 キムソンミ

Facebook→kim seonmi



■My note■


そんちゃんと初めて出逢ったのは、去年12月の内定者研修でだった。
それまでに何度か内定者同士で集まってはいたのだが、そのときに「もしかしたら君たちの同期が増えるかも」ということは言われていた。
そんな中、9人目の2013内定者として加わったのがそんちゃんだった。


最初から、日本語の流暢さと語彙の多様さに驚かされた。
よっぽど意識しなければ、韓国人であるということを忘れてしまうのだ。
というわけでそんちゃんはすぐにみんなとの距離を縮めていった。


ただ、入社してからは私たちが思っていた以上にコミュニケーションの壁にぶつかっていたようだ。
議論のときに論点がわからなくなったり、飲み会のような日本特有のしきたりがわからなくて困ったり、
毎日新しいことがどんどんと巻き起こる中でかなりしんどかったと思う。


そんな逆境の中を、そんちゃんは一歩ずつ一歩ずつ前へ歩みを進めてくぐり抜けていった。
弱音を吐くこともあるし、心に素直だから正直な気持ちしか吐き出さない。
でも、そんちゃんはいつも最後はポジティブなのだ。
「なんとかなる」「がんばれあたし」「よし、もうすこし」
そういって、周りを、そして自分自身をいつも叱咤激励していた。
その様は、まるで高い山を登り切った先にはとっておきの朝日が待っているのを知っているかのようで、
すごく頼もしかった。


海を渡り、未開の地で自分の道を模索しているチャレンジャー。
基本の大切さを誰よりも知っており大切にするそんちゃんなら、積み重ねた一歩の先に大きな花を咲かせられるだろう。