「季節の花がこれほど美しいことに 歳をとるまで少しも気づかなかった」(人生の贈り物/歌詞・さだまさし)


今日、どこにでもある、ありふれた花が目にあまりにも輝いて見えた。

まっさんが言う通り、確かになと思った。


若い頃は花見に行っても目に映るのは酒と女だけだった。

花なんて立ち小便の際の跳ね避けにすらならなかった。

誠に不謹慎そのものだった。


若さとは恥ずかしいことでもあることに気づきもせず、のんべんだらりんと、2度と無い青春を黒く塗りつぶしていた。











時は流れ去り、カミさんと仕入れに出かける道すがら、路傍の当たり前の花にも希少性を感じ、ほんのわずかな春の微笑みかけて来るような光景に、華やかさと優しさ、寂しさ、儚さが複雑に混じり合った心境で目を瞬かせるのだった。