この漫画は以前にも紹介したけど新作が待ち遠しい唯一の漫画。

漫画で大人気の「闇金ウシジマくん」の23巻が発売されやっと読み終えた。
もう23巻目だというのに毎回どぎつい内容とウルトラQやキン肉マンの敵キャラ以上に印象に残るどぎついキャラ、今回も出てきた。

今回も最大に恐いキャラは以前にも出てきた「鼓舞羅(こぶら)」というこの男が最悪キャラで、とにかく読めば分かる。
真鍋昌平先生の描く世界は裏社会を漫画に落とし込んで表現してるんだけど、映画なみにディープでナーバスにさせる地獄の内容は毎回凄い。
映画でいう最大の罰ゲームといえば海外映画のSAW(ソウ)が有名だが、僕はソウシリーズの後半はパターン化してるので免疫がついてしまっている。
この「闇金ウシジマくん」は23巻まで続いてるのに、だらけた感じが全くしない。
強いていえば以前よりはナーバスにならなくなったというか、僕にも免疫が多少でき読んだ後、恐い夢を見ることはなくなった。
それでも強烈さは当然あり刺激を求めてる人や現在の自分の暮らしが、いかに幸せかを再確認できる最良の漫画でもある。
あの当て字のネーミングと絶対に関係を持ちたくない「鼓舞羅(こぶら)」が行う罰ゲームは、かなりえげつない。
その罰ゲームを執行されたメンバーを「珍獣戦隊」と呼び、コブラーピンクやコブラーブラックなど呼び名はレザボア・ドッグス状態。
漫画を読めばその洗礼だけは絶対に受けたくないことは必ず嫌でも理解する。
作者の真鍋昌平先生はキャラの設定から裏社会の仕組み、人とのしがらみを実に上手く匠に表現してる。
また今回で絶対だなと感じさせたのは、そういう地獄図の中に笑いの毒を盛るさじ加減が絶妙で僕はそこに物凄いセンスを感じてしまう。
絶対に笑えない最悪な状況に笑いをギリギリで盛る。
気付く人と気付かない人がいる加減を狙って盛る。
そのバランスは、スイカに塩をかける理屈と同じで怖さに拍車が掛かる。
カイジと接点がある。人間の嫌らしさを浮き彫りにさせながら微妙な笑いのエッセンスを入れるあのバランスが漫画の人気と比例してるんだと思う。
今回も漫画に帯びが付いてきた。

テレビドラマだけではなく映画化にもなるんだね。
よく見ると番宣のキャッチコピーが既に面白い。

「ウシジマVS肉蝮」
その肉蝮(にくまむし)の前にある言葉「NO.1極悪キャラ」のキャッチフレーズは爆笑した。
真鍋先生のキャラ設定は毎回凄いんだけどネーミングのセンスも一級品。
漫画を読み終えて付属の帯の折り目に肉蝮がいた。

軍モノアウターでは有名なN3-Bは肉蝮のイメージが僕の中で定着し、80年代にHIPHOPのRUN-D.M.C.が来てたN3-Aより肉蝮の方がどぎついため上書きされた感じがする。
ちなみに僕が当たり屋のトラブルに巻き込まれた悪夢は肉蝮が主役で登場してた。
それくらいインパクトが漫画なのに漫画以上の存在で脳裏に焼き付く。
肉蝮も最悪キャラだけど23巻の新作に出てくる鼓舞羅も最悪キャラ。
23巻まで続いてるのに主人公のウシジマくんの過去もほとんど明かされてない。
この漫画は裏社会を知ることにも意義があるけど、しがらみや職種、また先から言っている最悪キャラを知るのも毎回楽しみ。
残虐的な描写や精神的に追い込まれたときの人間の行動は、もしかしたら決まってる様な気がする。
方法論が無くなれば選択種も限られてくれば、人はああなるのかなぁ。
僕がいかに幸せで生ぬるい環境にいるかが分かる唯一の漫画。
今回も面白い。この漫画は必読!
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