美容整形クリニックの院長としてだけでなく、今やタレントとしても知られている高須克弥院長と、漫画家の西原理恵子さんの恋愛エッセイコミックです。刊行当時合計122歳という高齢バカップルの、スケールのデカいネタから日常的な他愛もないネタまで、破天荒ながらも微笑ましい恋愛模様が描かれています。

 

高須院長は医師としてだけでなく富豪としても知られており、実際に思いつきでマカオに行ったりドバイに行ったり、買い物でも売られているものを全部買ったり、オリンピックでも国からの送金が途絶えたナイジェリアのサッカーチームにポンと2000万円寄付したりと豪快な活動をされています。その一方、飛行機でファーストクラスで移動したのに余った食材やアメニティを貰い、ホテルに着いてもアメニティを貰い、パーティでも余った料理を貰い、富豪なのに貧乏臭いという矛盾のある人物です。他にも、ものすごく活動的で社交的なのに、一度オフになると寝たきり老人になり自分のスペースに赤の他人が入り込んでくることを嫌う(だからホテルのスイートルームに住んでいるのにルームサービスを頼まない)。そして恋愛するようになってから(西原先生曰く)バカになったとのことですが、ふと話す人生の話はシリアス。私はこの、2人の恋愛話の間に差し込まれる高須院長が垣間見た他人の人生話がスパイスのように効いていると思いました。

 

2人とも尋常ではない苦労をして常人以上の修羅場を潜り抜けているのに、2人で恋人の時間を過ごしている様子は普通のカップルそのもので可愛らしい。恋は若者だけの特権ではないと、本来なら当たり前のことですが改めてそれを感じさせてくれる本でした。