近所の映画館でミカ・カウリスマキ監督の「世界で一番幸せな食堂」をレイトショーで見たんですが悪い方向にヤバい映画でした。マイケル・ベイ監督作品に例えるなら「トランスフォーマー/ロストエイジ」並みにヤバい。

 

 

 

それでも「~ロストエイジ」は「中国の札束にぶん殴られて嫌々やらされたんだ!」というのが如実に分かるヤケクソっぷりで、それでもマイケル・ベイ監督の映画愛と車愛を読み解く楽しみ方ができたからまだいいです。しかし「世界一幸せな食堂」にはそれらがないからタチが悪い。おまけにスポンサーである中国(中国人)だけでなくフィンランドの北部ラップランド地方の住民、特にルーツがサーミの人達及び同国の男女にも喧嘩を売っており、それを監督が自覚しておらず嬉々として製作した感があり、それでいて素朴な人情&グルメ話の体をしていたのが本当にヤバい。

以前Twitterのタイムラインで「作品には何を考えているかよりも何を考えていないかが出る」という内容のツイートを見たことがあるのですが、本当そうだとこれを鑑賞して心底実感しました。あと「何を知らないか」も。こうした作品がこのご時世、このタイミングで公開されてしまったとは本当に「どうしてこうなった」としか言えません。あと「巨匠でも札束でぶん殴ればフィンランド人はチョロい」「どんなに巨匠でもやらかす」という前例がこうもはっきりと示されたのは何気にフィンランドにとってまずいんじゃないでしょうか。

だいだいいくら薬膳料理とはいえ酢豚と白身魚の甘酢餡かけとクコの実スープを3か月食ったぐらいでガンの症状が和らぐかよ!薬膳に夢見過ぎだろ監督!