写真を撮られるなんて、大嫌い!な あなたへ③ | ”わたしに生まれて、よかった”を見つける写真。

”わたしに生まれて、よかった”を見つける写真。

お散歩をしながら、写真撮影。
自然や空気を満喫したり
一緒におしゃべりをしたり。

このひとときを 楽しんでくださいね。





この頃から、自分と向き合う作業が始まりました。

 

 

自由になって、なにがしたいの?

 

本当は、どうなりたいの?

 

いままで蓋をしていた、女性らしく生きたかった。という

 

思いのほかにも

 

「自分の居場所を見つけたい。」

 

という気持ちが湧いてきました。

 

いつも他人の目を気にして、

 

自分の意見も言えない私は、

 

どこにいても 違和感があったような気がします。

 

小さいころ、家の中にいても

 

どことなく、しっくりこないものを子ども心に感じていました。

 

自分が安心できる場所。どこなんだろう…。

 

 

 

そんなことを感じているころ、

 

プロフィール写真を撮ってくれた方から

 

写真の学校に来る?って、声をかけてもらいました。

 

なぜだか、はっきりとは分からないけど

 

人に影響を与えている写真に興味が湧いていました。

 

 

 

その時の私は、コンパクトデジカメすら何年も触っていませんでしたし、

 

パソコンもろくに使えない。そんな状態なので不安はかなりありましたが、

 

違う自分を見つける近道だと写真を始めることを決めました。

 

 

 

ただ、自分を変えてみたくて飛び込んだだけ。

 

特に撮りたいものがあるわけでもなく

 

きっと、空とか、景色とかを撮るんだろうな。そんな感じでした。

 

 

ところが、カメラを購入するときに

 

撮りたいものによって、選び方が変わる。と言われ

 

「?」と、考えました。

 

人物を撮影している方に習うのに、景色を撮っても仕方ないのではないか?

 

「やっぱり、人だよなぁ。じゃあ、誰が撮りたいのかなぁ」

 

なんて、考えているうちに 頭に浮かんだことがありました。

 

 

 

 

プロフィール写真を撮ってもらう2か月ほど前まで

 

知的障害を持つ子どもたちを放課後や休日に預かる

 

「放課後デイサービス」で、働いていました。

 

 

お誕生日や季節行事には、写真を撮ります。

 

写真を撮られていることもわからない子もいます。

 

カメラを向けたら条件反射でピースをしたり笑う子なんて、いません。

 

普段はあまり表情が無かったりするけど、

 

ふと笑ったときは、本当にかわいい。

 

でも、形式的に写真を撮るときに

 

そんな瞬間を写真に収めることは出来ない。

 

 

 

私には、大学生と高校生の娘がいます。

 

子どもたちといるとどうしても母親の目線になります。

 

そして、母親の気持ちを考えてしまいます。

 

そんな形式的な写真撮影の姿を見ては、疑問に思っていました。

 

形だけの写真に意味があるのか?これを見て、心から嬉しいと思うのか?

 

この子や家族にとって、写真てなんなんだろう?

 

 

 

 

子どもが小さいころの写真といったら

 

嬉しい成長の記録、ママ友同士で見せ合ったり、

 

おじいちゃんやおばあちゃんに送ったり。

 

七五三の写真を撮る写真館を決める話で持ちきりだったり。

 

 

 

 

 

そんな中にいるとき、この子のお母さんは心に暗い影を落としながら

 

無理して会話の中に入ったり、寂しく笑っていたのではないか?

 

 

 

誰のせいでもないし、誰も悪くないのに

 

きっと、何度も自分を責めたことでしょう。

 

生んだことを後悔するときもあったでしょう。

 

 

 

自分が死んだ後のことを考えれば、

 

不安で眠れなくなることだって

 

この先、何度訪れることでしょう。

 

 

放課後デイサービスで働きながらいつもそんなことを

 

考えていたことを思い出したのです。

 

 

 

そのとき、私の撮りたい人は

 

「あの子たちだ!」と思いました。

 

 

時々見せる、あの笑顔。

 

その瞬間が写真で残せたら。

 

 

 

私が写真で、変わったように

 

写真を見ることで、

 

少しでも 悩んだり、後悔したり、落ち込む回数が減らせたら。

 

 

 

そう思ったら、突然

 

知的障害を持つ子どもたちを撮る写真を仕事にしていこう!と決めていました。

 

いままで、何をやっても自分に自信が持てなかったし

 

自分にできることなんて何もないと思ってました。

 

 

 

でも、初めて そんなことはどうでもよくて

 

とにかくやってみたい。と思いました。

 

やっと、居場所を見つけることが出来た気がします。

 

 

 

 

一眼レフなんて触ったことも無い。

 

パソコンも使えない。写真の保存の仕方もわからない。

 

 

なーんにもないけど、47歳でやるって決めちゃいました。

 

世間では、これを無謀と呼ぶのだと思いますが、

 

本人は意外と自然な流れで…(笑)。

 

周りの人に助けられながら

 

小さな小さな一歩を歩いています。

 

 

 

写真の力って、すごくないですか?

 

人の人生がこんなにも変わってしまうのですから。

 

 

 

2か月前まで写真嫌いだった私の今日この頃でした。

 

  ~~~~~~

 

 

あの子どもたちのあどけない表情が撮りたい、

 

それを見てお母さんに笑顔になってほしい。

 

後悔したり不安で眠れなくなる日を

 

少しでも減らすことができたら。

 

 

 

 

最後までお読みいただき ありがとうございました。