先日、華道草月流の展覧会へ伺いました

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草月流は1927年に始まった流派で、華道の流派の中ではとても自由でモダン、生花以外の素材も取り入れた前衛的な作風が特徴的です。

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こちらはお家元の勅使河原茜さんによる作品
規模が大きくて全体が写真に収まらず。



お花が大好きな母の影響もあり、フラワーアレンジメントなどは習ったことがありますが
華道の世界の哲学を知れば、さすが日本人の思想から生まれた文化!知るほど面白く
私もお花を生けてみたいと考えて華道を習おうかと思案中です。


大きな展覧会と聞き、せっかくなのでお着物で!
6月に入ったので単衣(ひとえ)の色無地で


当然ですが着物も洋服と同じように季節によって衣替えします

これは正式な場での基本的な決まりですが通常10月から5月までは袷(あわせ)を着ます

袷は裏地の付いている着物です
女性用は裏地は部分ごとに大きく2種類に分かれていて
裏地も胴の部分は胴裏(どううら)
裾まわりは裾回し又は八掛け 
どちらも二重にすることによって保温性を保ち丈夫にする為のものです。
でも綿やウールなどは暖かくて裏地の必要がないので1枚で仕立ててあるものが多いと思います


6月と9月は単衣(ひとえ)と言って裏地のない1枚仕立てのものです。
でも擦れたり伸びたりするお尻の部分だけは生地を補強するための居敷当をつけます

諸説ありますが最近では5月の中頃から10月の中頃までは単衣の着物でも大丈夫だそうです。
何しろ現代は昔より温暖化で暑いですから。


そして7月と8月はシーンに合わせて浴衣や薄物(うすもの)の時期です。
絽や紗など薄く風通しの良い素材のものを単衣に仕立てたものを着ます。
こちらはまた来月着るチャンスがあったら載せます。

とはいえホテルや結婚式場などでの特別なお祝いの席では伝統芸能などの特別な世界を除いては
たとえ真夏でも袷の訪問着や留袖などは季節に関係なく着ても良いそうです。

着物も現代の生活に合わせてルールが変わっているのですね。

着物で暮らしていた時代は衣替えの時期に裏地を付けたり取ったりとその家のお母さんや使用人が針仕事をしていたそうですが、現代では着物を仕立てられる方も少ないでしょうから最初から袷と単衣に分けて誂えるのが一般的です。

なので単衣は1年に2ヶ月しか着れない期間限定の贅沢な着物となります。
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この日私が袖を通したのは、淡くくすんだ葉っぱの裏のような緑色、日本の伝統色ではその名も裏葉色と言われる緑色の色無地の着物

色無地とは単一の色の着物。
色無地は紋を入れて格の高い帯を締めたら訪問着や色留袖同様の格の高い着物です

私のこの着物は色無地といっても、家紋を入れずに全体の地紋に均一に汕頭刺繍(すわとうししゅう)で柄が施してあるので小紋とも言えます。
紋が入れば色無地、なければ小紋よりは格上という便利な着物。

小紋とは洋服で言うおしゃれな柄物のワンピースみたいなもので紋付の色無地よりは格が下がりますが帯によっては完全な普段着にもパーティ着にもなるので活用の機会が多いです。

よく時代劇などで町娘が来ている着物が織りの小紋です。

着物の世界では、色無地に関しては特にですが家紋が入っているか入っていないかで格が変わってきます。
私は展覧会や結婚式の二次会などのそこまで改まらない席でも着たかったのでこの着物にはあえて紋はいれませんでした。
この先、途中で入れることもできますし。

紋を入れると言ってもどの着物にも紋を入れて良い訳ではなくて、一般的には小紋も含めそれより格下のものにはに紋は入れません。
色無地と格が同する遠目には無地に見える江戸小紋には柄によっては入れられます。

江戸小紋でも柄によって格が変わります、江戸小紋については長くなるのでまたの機会に。

なので、私のこの色無地は小紋と訪問着の中間といった使い方が出来る単衣の着物です

こういう格の曖昧な着物が意外とマルチに使えるもので、私は母の教えに従いあまり数を持たない単衣はこのような着物ばかり誂えています。


着物の文化もまた受け継がれて来たものなので地方や家によってルールが違ったりします
なので着物に精通した方が近くにいらしたらその方に教わるのが1番だと思います。

上方の方、京都などは袖や襟の形から帯の締め方、向きなども東京とは真逆な位違いますから

東京は江戸の粋文化の影響が強いですね。


そして着物の世界では先取りが粋とされますから6月の単衣では帯も小物も全て夏物です
着物の下に着る襦袢や着物から覗く半襟も麻や絽になります。
帯揚げや帯締め、足袋も全て夏物。

私の着物は正絹の白地の着物を後から染める「染め物」が多いので、襟や襦袢、帯揚げは絽になります。
染め物は、生地の衣目が細く柔らかで様々な友禅や刺繍を施したもの。
成人式で着るような振袖や留袖、訪問着、色無地、小紋など正式な場に着ていくことが多い着物です。

後染めに反して、先染めという着物は糸の状態から色を染めて、織りの段階で様々な色の糸から柄を作る洋服で言うジャガードの様な着物です。
紬などが先染めにあたりますがそれを「織物の着物」と言います。
これが染め物(後染め)と織物(先染め)の違いです。
この染め物と織物とは合わせる帯も大きく違ってきます。
それもとても長くなるのでまたの機会で。

織物である紬は現代では地方のものによっては高級品ですが、普段着の印象が強いものです。

織物の場合は夏物の半襟は絽や水で洗える麻や木綿なども使われます。

紬は一般的には正式なシーンでは着用されませんが、私はそれも現代では個人のスタイルだと思います。

この日の私の単衣の装いは着物の汕頭刺繍に格を合わせて、相良刺繍が施された単衣と袷の両方に使える帯で。

この色無地に金糸や銀糸が施してある袋帯を締めれば格が上がり、紋を入れたら結婚式や改まった席にも出席できます。

この日は展覧会でしたので金糸や銀糸の入った絢爛な帯を締めると展覧会にパーティードレスを着ていくようなもので、そぐわないので控えめな帯で。

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相良刺繍とは玉留めを重ねた中国の手法の刺繍

帯締めも透かし織りの夏物
ブローチにあたる帯留めは陶器で出来ています。


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襦袢も縫い付けてある半襟も帯揚げも絽です。
足袋は麻ですべて夏物です

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相良刺繍の袋帯です。
帯の結び方はベーシックなお太鼓で。



着物って様々なルールがあり、面倒ですがそれを知って着るのも楽しみの一つです。

私は豪華絢爛よりも着物はいかにシーンに合わせて粋に着こなせるかを考えています。

着方では着物は襟が要なので、半襟も狭目にあまり抜き過ぎないように上品に着るのが東京に住む私のこだわりです。

よく浴衣なども襟を大きくあけて背中が見えるほど後ろを大きく抜いている着こなしが色っぽいと考えている方がいますが、その着方は昔は女郎など色を売る商売の方の着こなしなので普通のお昼のお仕事をされている方や奥様には賛成できません。

裾を短く着るのも仲居さんなど動き回って働く商売の方の着方です。
裾に関してはもともと普段着の紬などは粋に着るスタイルでは短いのもアリだとはおもいます。

とはいえ現代では洋服と同じように、その人のキャラクターやスタイルによっては自由なものなのでしょうが。

皆様もお家に着物があれば着物生活を始めてみませんか?

着物は特別な気持ちになれる素敵な日本の文化です。
せっかく日本の女子に生まれたからには着ないと勿体無い!と私は思って着ています

長文、お付き合いありがとうございました⭐️

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