遠い昔、おそらく今より2200年くらい前。



彼等はそこに暮らしていました。



彼等の祖先はそれよりもずっとず~っと昔にその地に辿り着き、


動物や植物、天や、何より大地との調和を大切にして来た人々でした。



彼等は、そんな祖先の教えを受け継ぎ、


既に、その地にいた先住民とも争う事なく


『調和』に基づき暮らしていたのです。



そんな、おそらく2200年くらい前の、ある日。



武器を持った見たことのない沢山の人達がやって来ました。



言葉は通じません。



ですが、彼等は恐ろしい何かを感じていました。



彼等の感じた『恐れ』は見事に現実のものとなりました。



武器を持った見たこともない人達は


その地に暮らす彼等を野蛮人とし



彼等の住む集落を襲いました。



そしてまず、女や子供を捕らえ、



刃向かう人や老人を張り付けにして、見せしめに無惨に殺しました。



そうして、男達をまず労働力として使いました。



鉄や砂鉄などの資源を集めさせたのです。



大切な家族を捕らえられている男達は


刃向かう事なく働きました。



寝る間もなく、食べ物もろくに与えられず



ただただ働かされたのです。



当然、死んでいく者がいます。



武器を持った見たことのない人達は



彼等が『聖地』のように大切にしていた場所に大きな穴を掘り、



死んでしまった人達を、その穴へ放っていきました。



そうして、重なる死んだ人達の上に軽く土をかけては持ち込んだ、ある液体をかけました。



それを、その地だけではなく


方々で行っていました。



家族と再会出来る事などなく、



その地に住む彼等は根絶やしにされたのです。



その地に住む彼等のリーダーは、



銀色をした何やら文字が浮き彫りにされてある、平たく下の尖った杭の様なものを


心臓をめがけて刺され亡くなりました。



武器を持った見たことのない人達は、


その地に住んでいた彼等を根絶やしにし、


その魂を封印したのです。


その地に住む彼等の聖地もろとも。



そして、彼等の死体にある液体をかけ、


ある黒い物質を作り出し


自分達の地へ持ち帰ったのです。



武器を持った見たことのない人達の一番の目的は


鉄や砂鉄などの資源ではなく、その黒い物質だったのです。



鉄や砂鉄などの資源は『ついで』でした。




武器を持った見たことのない人達は



その地に住む彼等の死体から作り出した物質を


自分達の地に住む人々に見せ、こう言いました。



「我は各地のケガレを浄化して来た。
そしてこれが取り出したケガレである。」



人々はより自分達の神の力を信じました。




武器を持った見たことのない人達のリーダーは



『神』と呼ばれる人達の一人でした。



『神』と呼ばれる人達は錬金術のようなものを


とてもよく知っていました。



『神』と呼ばれる人達は、持ち帰った死体から出来た黒い物質とさらにあるものを合わせ、


最終的に『ある物質』を作り出しました。



出来上がった『ある物質』は、ある惑星の石ととても良く似た性質を持っていたのです。



『神』と呼ばれる人達の一部は、その『ある物質』を使って鏡のようなものや剣のようなもの、様々なものを作り出し、



それを使い民衆を魅了させたそうです。






さて。



おそらく2200年くらい経った11月。



その地に住んでいた彼等の魂の封印が解かれる時が


とうとうやって来ました。



待ちに待った、その日。



封印を解かれる側も


封印を解かせまいとする側も


それはもう大忙し!!!




それでも




七人の力を借りて


その地に住んでいた彼等は


無事に光に還る事ができました。



最後に、その地に住んでいた彼等のリーダーは


こう言い残しました。




「自分達の住む土地、訪れる土地すべてに


そこにいる動物達や植物すべてに


感謝を送って欲しい。


人々はそれぞれの力を合わせ調和し


この地に光をもたらして欲しい。


その為なら私達はいつでも力を貸しましょう。」



光に還った彼等は、こんな事も伝えていきました。



人間というのは地を守る為の存在です。


地を守る為に何より欠いてはならないものは


地に対しての感謝です。


地に対して愛を送ることです。





ありがとう!!!




そう言いながら、真っ黒で重たい勢力に圧されながらも光に還った彼等は


他の地の人々の封印を解くのに


せっせと働き始めるのでした。



我等の出番が来た!!!


と言わんばかりに彼等はヤル気満々です。




みんなと一緒に光に還りそびれたお爺さんがいましたが


12月になって、ちゃんと光に還る事が出来ました。


「爺さーん!!何やってんだー!!早く来-い!!」


仲間達が光の中で待っていてくれたようです。






『その地』には今ではアスファルトが敷き詰められ四角い建物がひしめき合っています。


なんてことなく私達が暮らす街。


いにしえの先人達の想いに何一つ気付く事なく、


私達が目先の事に囚われ暮らす街。



『その地』とは『サッポロ』です。



その地に住んでいた、光に還った彼等は


私達が北海道の縄文時代、擦文時代と呼ぶ時期に生きた人々です。



北海道という隠された歴史のある地。


この地に残された沢山の想いを感じる時、


どうぞ彼等を呼んで下さい♪



必ず力を貸してくれることでしょう♪