福島県に移住して2週間が経った。

先週、残していた最後の仕事のために神戸に行った。今度この地を訪れるのはいつの日か…そんな感傷にひたって新幹線に乗った。

自分の選択に迷いはないけれど、仲間との別離は、かなりこたえている。

でも郡山まで5時間、遠いようで近い。


移住して2回、雪の洗礼をうけた。先週積もった雪が、ようやく庭から、屋根から消えようとしている。

シンシンと冷えるのにも少し慣れた。家は壁も窓も寒冷仕様のようで比較的暖かい。本格的な冬と向き合うためのノウハウとあたたかグッズを準備中。


食べるものは…カレー用の牛肉がない、こちらは豚肉がメイン。おうどんにしても黒いおつゆ、関西風の淡い黄金色の出汁が恋しくなった。いつも使っているシチューソースもない。

野菜は検査を受けた福島産がスーパーで並んでいる。ホタテは殻付きのまま山盛りになっている。

だんだんネットでのお取り寄せが多くなりそうな気配。


そんなこんなで、私はなかなかワンニャンのところには行けない。

ふたりで、ああだのこうだの知恵を絞って、給餌用のパウチと缶詰を温めて保温容器にセット、これは臨床看護の経験が役に立っている。

そしてたまにくるお客さんの接待の準備。疲れて帰ってくるダーリンに暖かい食事を、と専業主婦の心境。


たまに行った飯舘は、除染作業のトラックが往来している。雪の中でにゃんこが餌を求めて車に走り寄ってくる。タヌキが多く、置きエサは荒らされてしまうので、食べきりしか給餌できない。温めて持っていった餌だけが命綱になっている。

吹きさらしのワンコには犬舎を組み立ててプレゼントした。餌はどこかにいれておかないと雨に濡れたり、雪に埋もれたり、凍ったりするので、寝る用と餌置き場用がいる。細やかな気遣いで随分救われるいのちがある。

今日は一緒に犬舎を建てに行く予定だったが、「あいちゃん」の調子が悪く看病のため留守番になった。


全国の個人ボランティアからaihamalteseのブログにアクセスがある。先日は一日で3000件。多くの仲間が飯舘の実態情報を待っている。支援を申し出てくれる人も多い。自然にここが、うまく連携していく拠点になっているようだ。どんな思想信条であれ、飯舘の実態に怒り行動を起こすことに変わりはない。

民医連、医療生協とは関係のない人たちとの連携、新たな発見になっている。

先日はスカパーテレビ取材のクルーをお招きして一緒に食事をした。なぜこんな生き方を、に率直に答えている。生き方の原点になっている「原発への怒り」、そこに焦点を当てた報道をして欲しい、切にそう願っている。