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Xush!! ~masuo emi's blog~

Xushroy…美しい
Xushtam…おいしい
Xushboy…良い匂い
Xush kelibsiz!…ようこそ!
Xush!!…オッケー!or了解!

Xushには良い意味がたーくさん♪♪
そんなゴキゲンブログです。

長距離移動で電車に揺られていて時間を持て余したので、久々にブログ更新。


実は何度もブログを書きたいなぁと思いながら、こんなタイミングになってしまいました。


というのも、この数ヶ月、色々と考えることというか、思うことがありまして。


大分前の話になりますが、7月に出口大地さんという指揮者のコンサートを聴きに行ってきました。

出口先生、その昔に我らが羽村フィルの指揮をしてくださったご縁があり、それが海外留学中にハチャトリアンコンクールで優勝しまして……!その凱旋デビューコンサートだったんです。プログラムはオールハチャトリアン。


めっちゃくちゃ激アツなコンサートで、大感激するとともに、私の目と心はビオラのトップさんに奪われてしまいました。

もちろん出口先生の指揮も素晴らしく、感動したんですが、とにかくビオラのトップさんの演奏がエモーショナルすぎて……!


あんな風に弾きたいなぁ、表現したいなぁと思いながら、私はふと大学時代にお世話になっていたビオラのトレーナーさんを思い出しました。

あ〜またレッスン受けたいなぁ、先生、お元気かなぁ、と。

社会人になってからビオラはレッスンを受けておらず、退化の一途を辿っていました。


そんな中、このコンサートが刺激になって、また"ちゃんと"やりたい、と思ったんです。


で、大学時代のトレーナーさんを思い出すと同時に、当時の先生の言葉も思い出しました。

それは、飲み会のときに先生がふとこぼした一言でした。


「音大時代の同級生がさ、結婚して出産して引退したんだけど、この前久々に会ったらすっかり主婦って感じになっちゃって。あんなにバリバリ弾いてキラキラ輝いてたのに、なんかなぁって思っちゃったんだよね……」


この当時、先生はまだ独身。オーケストラの一員やアマチュアオケのトレーナー、個人教室の先生としてバリバリご活躍でした。

そんな先生の同級生が結婚し、出産し、主婦になり、キャリアを手放した……それが先生にとっては少なからずショックだったと言っていたのです。


ああ、なんで今この言葉を急に思い出したんだろう。

私はそう思いました。


それは、まぁ、私が結婚して出産して、最近はピアノもビオラもろくすっぽ弾いておらず、歌なんかちゃんと発声もせずに子供の歌ばかり歌う日々だから。


んで、目の前にはキラッキラな輝きを放ってプロオケの見事な音を引き出す出口先生。

そんな出口先生と共に音楽の中で自由に歌うビオラトップさん。


そりゃあね、感動しました。感激しました。先生のご活躍も、嬉しいと純粋に思いました。

でも、なんだろう、この、一抹の、本当に本当に一抹だけの、胸のひりつきは。


それは「虚しさ」とも「切なさ」とも「悔しさ」とも「寂しさ」とも、なんとも言えない感情でした。

素晴らしい演奏を聴いて、とても満たされて幸せなはずなのに、この一抹のひりつきの正体が分からないまま、私は帰途につきました。


***


で、それから数ヶ月後、羽村フィルの仲間から「今度メンデルスゾーンのピアノトリオをやりたくて」とお声をかけていただき、メンデルスゾーンのピアノ三重奏の1番1楽章を演奏することに。


学生時代に2,3回弾いた曲で、当然すっかり弾けなくなっていましたが、不思議なもんで身体が覚えているのか、短期間で感覚を取り戻して弾けるようになりました。


これがめちゃくちゃ楽しい。

とにかく楽しい。


脳汁が止まらず、熱中して練習に興じました。


そのとき、私は「息を吹き返した」という不思議な感覚を覚えました。

これが私の"あるべき姿"のような、そんな気がしたんです。


で、なんか分かりました。

あの一抹のひりつきは、きっと「羨ましさ」だったんだ、と。


私もあんな風に音楽にどっぷり浸かりたい、真剣に音楽と向き合いたい、自由に音楽の中で歌いたい、と心のどこかで羨望の眼差しを向けていたんだと思います。


メンデルスゾーンの練習をする中で、また真剣にピアノに取り組みたいと思い始めている自分に気付いた私は、あろうことか「またコンチェルトやりたいな……」と血迷ったことまで考え始めました。


そこで私はまた、大学時代のトレーナーの先生の言葉を思い出しました。

そして、そのアンサーとして「主婦だって、母ちゃんだって、バリバリ弾いてキラキラ輝いてやらぁ!」と決めました。


同時に、親として、


夢を追い続け、

諦めず、

努力し続ける姿を子どもに見せること、


それがきっと私にできる、私らしい教育なんだろうな、と悟りました。


多分私は「自分がやりたい人間」で、自分は二の次で子どもに尽くしてお膳立てして二人三脚で……というタイプではなさそうなのです。(すまん、子どもたちよ……)

でもだからこそ「母ちゃんが頑張ってる姿を、背中を、毎日見せる」ことはできるはず。


仕事、育児、家事をこなしながら、どこまでできるか分かりませんが、10年計画で、10年後にはピアノコンチェルトの1曲も弾けるようになっていたらいいな、と思います。子どもたちがちょうど中学生くらいのタイミングで、何か1つ大きなことを成し遂げられたら、それが少しでも良い影響を与えられれば、親としても本望です。


というわけで、決意表明。

メントリの本番終わったら約10年後を目指して、ピアノコンチェルト、1曲マスターします!


ビオラも頑張りたいけれど、あれもこれもは無理だから……私の音楽のルーツであるピアノで、まずは夢を追ってみようと思います。