「かな男、おはよ」

 

「おはよ」

 

今日は俺が一番乗りだと思ったんだけどな。笑

 

潤子は毎朝誰よりも早く出社する。

朝が弱いはずなのに・・細かい修正やチェックをするのに、毎朝早く出社しているのだ。

 

「毎朝早いなー笑」

 

「最近は大野社長が買ってくれた盆栽の水やりもしなきゃいけないから(´∀`)」

 

盆栽まで買ってあげたのか社長・・

 

もはや可愛い孫になんでも買い与えるおじいちゃんじゃねぇか。

 

かな男「潤子、今日外回りだよね??俺もだからさ、よかったらお昼ーー」

 

櫻井「おはよ」

 

!!!!!!!!!!!

 

来たなおにぎり丸。

 

いつも俺の邪魔をしに来てるとしか思えないタイミングでやってくるこの男。最近はもはや意図的なんじゃないかと思えるほどのタイミングだ。

 

 

櫻井「松本、今日俺の同行な」

 

潤子「あ、はい!!」

 

 

はい、オワターーー。

 

今日も二人きりでご飯の夢、オワターーー。

 

俺の邪魔をして楽しんでいるとしか思えないぞおにぎり帝王。

 

櫻井「あ、今日の営業部と宣伝部と企画開発の合同飲み会、店とか大丈夫かな男?」

 

かな男「あ、大丈夫です。メールも飛ばしておきました!」

 

櫻井「ありがとな、よろしく頼むよ」

 

今日は4部合同の大きな飲み会だ。

 

合同飲み会・・というか、合同飲み会になってしまった・・んだけどな。

 

ほんとはうちの部署と企画開発だけで飲みに行こうって言ってたのに、相葉さんが「その日営業部も飲みですよ!!もう一緒にしちゃいましょうよ!!」と、勝手に参加すると言い出し、

 

旬「じゃ、宣伝部もお願いしまーす」

 

と、とても軽いノリで宣伝部のエリート、小栗旬まで言ってきやがった。

 

お前ら、潤子と飲みたいだけだろ!??

 

ま、二人きりの道のりは遠いが、俺だって潤子と飲みたいし、飲み会自体は楽しみだ。

 

今日の目標は、しれっと潤子の隣をキープすることだ!!

 

ほろ酔い潤子の可愛さはとんでもないからな。

 

なんなら小栗とか一番遠い席行ってくれ!!

 

俺はあいつがムカつく。

 

この間、男だけの飲み会があったのだが・・

 

あの日の俺の惨めさったらなかった。

 

 

それは一か月ほど前の話・・

 

 

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メンバー:櫻井、相葉、二宮、小栗、かな男

 

 

かな男「小栗さんはこの会社だと誰と飲みに行くことが多いんですか?」

 

旬「あー、ムロさんが多いかな。あと生田。そのメンバーに潤子がいる事が多いかな」

 

さらっと「潤子とはよく飲んでますよアピール」かよ。やっぱりこいつムカつくな。

 

旬「潤子酒が長ぇんだよ笑 長いよね??」

 

かな男「・・大人数以外で潤子と飲んだことないんで・・」

 

旬「あー、そっか笑 あいつ、少人数で飲むとぜんっぜん帰らないの!!この間なんて俺ん家のソファーでそのまま寝て帰らなかったからね笑」

 

 

 

・・は?????

 

え、潤子、小栗の家に泊まった・・ってこと??え??

 

櫻井「・・・・・・・・」

 

カズ「潤子帰らないもん。」

 

動揺もみせず「俺だって知ってる」アピールカズ。

 

旬「だよね~~??」

 

カズ「この間潤子と飲んだ日の朝、俺部屋片づけておいたの。なんかその日はね、潤子が来る気がして。」

 

旬「・・・・」

 

カズ「そしてら帰りのタクシーで、今日はカズん家行くって言いだして笑 やっぱりな!!って思ったよ。今日は潤子が来る気がしたんだよって。俺の予感は的中したわけよ。」

 

 

いやいやカズよ。

 

俺そんな話初耳だぞ??

 

しかも俺が行くとき片づけなんてしてないよな??

 

相葉「ニノは潤ちゃんと幼馴染だからなんでも分かっちゃうんだね~~」

 

いやいや相葉さん。

 

この短時間で、潤子が「二人の男の家に泊まっている」という事実が露呈したんだぞ??

 

なんでそんなに余裕でいられるんだ??

 

てか、さっきから俺の隣にいる帝王がものすごいオーラを放っていることにみんな気付いてるか??

 

櫻井「まつも・・・潤子ってさ」

 

おい、今言い直したよな??

ちょっと強がって言い直したよな??

 

櫻井「メールかわいいよな」

 

 

ちょ。震

 

わざわざ言い直して出てくるエピソードがそれかよ部長。

 

かわいいかよ。

 

カズ「絵文字多いよね」

 

旬「顔文字も多い」

 

ほらほら、みんな全く動揺してないし、動揺するどころかドヤ顔で被せてきてんじゃねーか。(特にカズ)

 

 

相葉「メールだけじゃなくて全部かわいいよ」

 

・・さすが圧倒的爆モテ男子。

 

切り返しが違う。

 

旬「確かに全部かわいい」

 

櫻井「クール系美女に見えて意外にてんね」

カズ「ど天然だしね」

 

相葉「去年さ、会社の10周年のパーティーあったじゃん」

 

全員「あったね」

 

相葉「あの時ね、みんなベロベロだったじゃん。みんな記憶なくしてさ笑」

 

櫻井「あー、みんなグロッキーでな。あれはやばかった。笑」

 

相葉「あの日ね、みんな帰っちゃったから最後俺と潤ちゃんだけになっちゃったの!」

 

全員「!????」

 

まてまて。相葉さん、爆弾持ってる感じ??え??

 

旬「記憶ある?(無表情)」

 

相葉「いや、あんま覚えてなくて!もうすっごい酔ってたし!」

 

櫻井「・・・・・・」

 

カズ「・・・・・・」

 

怖い。俺の隣と向かいが怖い。

 

相葉「なんかすごい二人とも泣いてて!!この会社も10周年なんだね~~会社が続いていくことってすごいことなんだよね~~って。すごい泣いてたのは覚えてるの!!」

 

相葉さん。そろそろ空気を・・・

 

相葉「それでね。ヒャハハ!! なんか、多分最後チューしてる・・・ヒャハハ

!!」

 

はーーーーーーいアウトーーーーーーーーーーーー

 

相葉さん、それはアウトーーーー

 

相葉「でも分かんないよ??記憶ほとんどないしね!!その後すぐ帰ったし!!」

 

カズ「あんたの妄想だろ」

 

櫻井「それは夢」

 

 

この日の男だけの飲み会は、これにてお開きになったーー

 

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今日も合同飲み会だろ??

 

そこそこ人数いるけど、潤子の周り陣取る奴らなんてだいたい決まってる。

 

きっと今宵は修羅場だ・・

 

 

つづく。