飛行機が遅延して深夜着になってしまったため空港泊中。
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そらまめ的世界一周52日目。
かなり気持ちの悪いタイ人とお別れしてからは、すこぶる快適な夜行列車の旅。
二等車とはいえ下段のベッドを旅行会社のお兄さんが選んでくれていたので足を伸ばして眠れました。
ラオスの古都、ルアンパバーンに移動するため、タイとラオスの国境の街ノンカーイからラオスの首都ビエンチャンまでとりあえず行くことに。
国境までは列車で、そこからはツーリストバスに乗ろうとチケットを購入。
ビエンチャンまで300バーツ(約950円)。
ところがこのチケットを買った所で問題発生。
夜行列車でずっと話しかけてきたオーストラリア人のおっさんが声をかけてきたのだ。
「アン、そのチケットは外国人だからってぼったくってるんだ。もっと安い行き方があるぞ」と。
確かにやや高いかもしれないが、国境越えをスムーズにしてくれて、さらに市内まで連れて行ってくれるわけだからそこまで高いとは感じていなかったのだが、おっさんは私のためだと言ってチケットを窓口に返してしまった。
どうやらたまたま列車でノンカーイまで乗っていた日本人のおじさんが、現地に住んでいて色々と詳しかったらしく、国境までトゥクトゥクで行き、そこからローカルのバスに乗れば安く行けると教えてくれたらしい。
・・・・・それって結講面倒じゃない?
一つのバスを捕まえて目的地まで行くのと、国境までトゥクトゥク、さらにもう一つの国境まで別のトゥクトゥク、さらにローカルのわけのわからんバスに乗って移動。
半額だったとしても500円くらいのもんである。
確かにアジアにおいての500円はでかい。一食、下手すれば一泊に相当する。
しかしそこまでして浮かす必要性を感じない。
しかし強引な人にはいまいちノーと言えないアン。もちろん勢いでトゥクトゥクに乗せられる。
しかもオージーのおっさんはこう言った。
「とりあえず今タイバーツがないから払っといてくれる?後で両替して返すから」と。
・・・・・おっさんもしかして300バーツ無いからこの手段を?
なぜに私を巻き込むのだ。
とりあえず乗ってしまっている手前私が払わざるを得ない。
そしてタイ側の国境を越え、次のトゥクトゥクでラオスの国境へと移動。
もちろんここでも払うアン。
そしておっさんは言った
「ラオスビザを取るのに細かい方がいいから100ドル札を崩してくれ」と。
・・・・・私わざわざ細かいお札に両替して持ってきたのに、なんであんたに渡さなきゃならんのだ。
しかし食い下がるおっさんにしゃーなしで両替してあげた。
しかもこのおっさん、その間ずっと神様について語るのだ。
どうやら宗教の勧誘で世界を回っているらしい。
全くもって今のアンには響かない。
そしてラオスの国境。
日本人はノービザで2週間滞在できるので、国境越えも一瞬である。
それに比べて他のヨーロッパや欧米の国ではかなりビザが必要らしく窓口は行列。
おっさんを待つこと30分。
さすがに遅くてイミグレを覗いてみるとおっさんはそこにいた。
そしてこっそりこっちに寄ってきてこう言った。
「俺のパスポートはもうスタンプを押す所が無いから入国できないらしい」と。
「え、じゃあタイに帰るの?」
「このままタイに列車で帰って、そこからオーストラリアに帰らなければ行けない」
「へー・・・じゃあさっきのお金とりあえずドルで返してくれる?」
「・・・アン、ここで出会ったのも、ここまで安く来られたのも運命だと思わないか?」
「はぁ?」
「神様はこうやって人々を引き寄せたり、試練を与えたりするんだ。でも最後には天国に行かせてくれるんだよ」
「へー。まぁ私は仏教徒だからね。ところでお金返してくれる?」
「仏陀は地獄から助け出してくれるか?だから仏教はダメなんだ。キリスト教じゃないと心が汚いんだ」
「・・・それはおかしい。それじゃキリスト教徒は嘘をついてもいいの?」
「違うよ、人に与えることが大切なんだ!」
「あ、つまり返せないってことですか」
「そうじゃない。恵むことが心を綺麗にするってことなんだ!俺の目を見てみろ、綺麗だろ?」
・・・・・・・いや、それじゃただの嘘つきやん。
さっき両替してあげたんやから3ドルくらい持ってるやん。
「・・・もういい。私は嘘つきが嫌いだから仏教徒でいい」
そういうとなぜか悲しそうな顔をされたが、無視して入国した。
結局おっさんの分も払ったので300バーツより高くついた上に三十路が迷子である。
おっさんがいないせいでこの後の手段が漠然と「バスに乗る」ってことしか分からないのだから。
しかもかなり英語が通じない。
その辺のバスの運転手さんに「ビエンチャン!ビエンチャン!」と聞きまくると少し離れた場所のバスを指差された。
そっちへ行くと明らかに地元の人しか乗っていないバス(窓全開、エアコンなし、ハエがいっぱい飛んでいる)が停まっていた。
バスに乗り込んだものの電光掲示板はもちろんなく、言葉も通じない。
さすがにびびって隣のおばちゃんにビエンチャンに行ってそのあとルアンパバーンに行きたいんだと必死に説明。
するとおばちゃんは「ルアンパバーンか。よし」みたいな感じで頷いた。
え?このバス超ローカルっぽいけどルアンパバーンまで行くの??奇跡なの??
とりあえずおばちゃんを信じて隣に座ってみる。
するとしばらくしておばちゃんが肩を叩いてきた。
「ここ?」
そう聞くとおばちゃんは必死に何かを伝えてくる。
どうやら降りたのはビエンチャンのローカルバスの終点っぽく、ここで乗り換えが必要らしい。
で、おばちゃんは他の人に聞けと言ってるようだった。
おばちゃんにお礼を言い、また違うおばちゃんにルアンパバーンに行きたいと言うと、ちょっと英語が話せたので「同じ方向だから一緒に乗りなさい」と言われた。
いつの間にかバスに揺られて眠ってしまっていた私の肩をおばちゃんが叩いた。
「ここからルアンパバーンに行ける」そう言って教えてくれたのは長距離用の大きなバスターミナルだった。
どうやらルアンパバーンへはそう簡単に辿り着くわけではないらしい。
そのバス停に着いたのが昼前だったので、すぐに乗れば夜にルアンパバーンに着くことになる。
夜に一人で宿さえ決めていない状況で着くのはまずい。
ここは夜行にしよう。
そこで夜行のチケットを取ってみたものの、やく八時間どうやって潰すかが問題である。
ダウンタウンに出たいが、いかんせんここがどこかが分かっていないため、トゥクトゥクでぼったくられるには目に見えている。
更には夜行で移動したので三十路の体に遊ぶ気力は残っていない。
そんな私が結局出来ることと言えばひたすらバス停にいることだけである。
かろうじてパンやお菓子を買える売店だけはあったので食料を手に入れてひたすら待つ。
いつの間にか周りにいた人たちは誰もいなくなっていて、日が暮れる頃にはバスの呼び込みのおっちゃん達が話しかけてきて(勧誘とかではなく私がずっといるので心配してくれていた)ちょっと話しているうちに一人の男の子が隣に座ってきた。
おっちゃん達がいなくなると、その子は流暢な英語で話しかけてきた。
「どこから来たの?どこに行くの?」
「日本だよ。ルアンパバーンにいく夜行バスを待ってる」
「僕もルアンパバーンに行くんだ。ビエンチャンで仕事をしてるんだけど田舎に帰るんだ」
話しているうちに彼が首都ビエンチャンでホテルの受付をしていて、ルアンパバーンのまだ奥にある村に帰ることが分かった。
英語を話したいのかひたすらに話しかけてくる。
彼は7時のバスだと言っていたので6時半くらいに「そろそろお別れだね」と言うと、
「さっき君が乗るって言ってたバスに変更してきたよ」と。
昨日の今日なんでね、同じような人に会うともはや恐いんですよね。
なんの親切心なんだろうか。
一人旅をしていると、良くも悪くもたくさんの出会いがある。
山を登る羽目になったり、神について語られたり。
とりあえず彼が同じバスに変更したことによって、私のラオスでの予定が大きく狂うことになるのです。
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