アペルトのブログ

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整備日記 車両情報など。

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最近の車は精度が高くなったので慣らしは必要無い・・・こんな話を耳にする事があります。
確かに、エンジンの慣らしなどは必要無いレベルまで工作精度は高くなっているのかもしれません(旧車は違う)。
でも、タイヤには慣らしは必要なんです。これは、タイヤメーカーのカタログなどにも記載されています。

タイヤはゴムの塊ではなく、内部には構造材が入っています。レーヨン、ポリエステルなどの繊維、スチールワイヤーなどになります。これがゴムの中にきちんと並べられています。新品のタイヤは組み込み、エアーを充填されて車に装着され荷重を与えられる事で、これらの内部構造材がタイヤ内部で微妙に動き、伸びたりもしますので、ある程度の期間がたって構造材がゴムの中で落ち着かないと正規の状態ではないと言えます。

慣らしの期間中は、内部構造材が余分に動くなどして発熱も大きくなり、また、構造材自体に余分な力が加わり、最悪切れてしまったりもするようです。タイヤの寸法も微妙に変わっていく事から慣らしの期間に無理をすると偏摩耗をしたり、振動の原因ともなってしまいます。

その為、走行距離にして100km程度を80km/h以下で無理の無い走行をして頂きますと慣らしが完了します。一皮むく為・・・と言われていたりしますが、全く意味が違います。慣らしの期間はタイヤが最も成長=伸びる期間でもあります。空気圧が比例して低下しますので、慣らしに期間が終わったらエアーの再調整をされれば完璧ですね。と、タイヤの内部構造材の馴染みでホイールバランスがずれてしまう事が有りますので、この辺りで振動が出るようなら、バランス調整をし直しておくと良いです。

ホイールに関しては、初期の緩み(ナットとホイールの当たり面による)などが出やすいので、タイヤ同様の慣らしをされて、増し締め(規定トルクでの締め直し)をされると良いです。車の慣らしは必要無いと言われながら、新車には1000km点検が有るのは、初期不良、初期緩みの確認でも有ったりますよね・・

新品タイヤに交換した際には くれぐれも無理のない走行でお願いします。