先日、母の検査待ちの時

談話室から

外を眺めていた

じぃーーーっと

ただ、じぃーーーっと

息を吸って
息を吐く
瞬きをする

そしてまたじぃーーーっと

親子連れが
病棟に入ってくるのが見え

しばらくしたら
上がってきて
賑やかにやり取りが始まる

でも
それをひたすら
じぃーーーっと見て
また
そとを
じぃーーーっと見ていた

頭の中のおしゃべりが
止まった瞬間です

なーんも話しかけてこない
なーんも反応しない
しずかーな時間です




しばらくして
母が車椅子に
大きなオムツのパックと
荷物を乗せてやってきた

そこから
病院を出れたのが3時間後

手術の前日に飲んだらダメな薬や
前日に飲む薬を

保育園児に教えるように
孫より若い男の子に
指導してもらう母は

まるで
ボケたばあさんに見えた

もちろん
ばあさんなのだけど

まだまだ米の袋を
ヒョイと持てるねんで…と
言いたかった

病院は疲れる
気が澱んでいる

午前中、全力で仕事をかたづけ
着替え高速を飛ばしていったので

遅い昼ごはんを買って
車で食べさせて
送り届けたら
定時で帰るような時間に
なっていた

電池が切れて
毛布を引っ張ってきて
爆睡していた

何より
疲れを感じなかったのは
思考が停止した時間だった


おつかれさん私

あの時の
頼まれたあれを
してやれなかった後悔を
したくないから今私は
全力で母との時間は
持ちたいと思っている


でも
おつかれさん私。
がんばったよな私。