Comic:8『ガカバッカ』 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

美術を、もっともっと身近なものに。もっともっと楽しいものに。もっともっと笑えるものに。

 

 

■ガカバッカ(全4巻)

 漫画:赤堀君
 出版社:講談社 
 発売日:2018/3/23(1巻)
 ページ数:160ページ(1巻)

 

死後に評価された不遇の天才画家、その名はフィンセント・ファン・ゴッホ。

生きているうちに評価されなかったのが心残りすぎて、天国から現世の日本へ大脱走!

先に現世に降りていたピカソとともに、目指すは売れっ子漫画家!?

ダリもダ・ヴィンチも北斎も、誰もが知る有名画家たちが現世で挑む、転生まんが道!!
(講談社コミックプラスHPより)

 

「ティム・ロスがゴッホを演じた『ゴッホ』を皮切りに、
 カーク・ダグラスがゴッホを演じた『炎の人ゴッホ』や、

 当時64歳だったウィレム・デフォーが37歳のゴッホを演じた、

 『永遠の門 ゴッホの見た未来』など、ゴッホを主役にした映画は数多くあります。

 さらに、全編油彩画で制作されたアニメーション映画『ゴッホ 最期の手紙』もあれば、

 ゴッホとその弟である天才画商テオドルスをW主役にした漫画『さよならソルシエ』もあります。

 ちなみに、2016年には、ゴッホの人生がミュージカル化もされていたようです。

 

 と、ゴッホを主役にする物語は、

 もう出尽くしてしまったような気もしていましたが。

 まさかの転生モノ!

 しかも、生まれ変わって漫画家を目指すという斬新なアイディア!

 さらに、ゴッホだけでなく、ピカソやダリなど、

 他の有名画家たちも転生しているという何でもアリ感!!

 すべてひっくるめて、バカバカしくて面白かったです(←褒めてます)。

 

 正直なところ、ギャグはもう少し練っても良いような気がしましたが(笑)。
 それか、むしろギャグは減らして、もう少しシリアスに振り切っても良かったような。

 ともあれ、美術に関する小ネタも随所に織り交ぜてあって、

 こういうのを考えるのは楽しかっただろうなァと、何だか羨ましくなりました。

 

 個人的には、転生したゴーギャンが美少女キャラになっていたのが面白かったです。
 中身がゴーギャンと知らない時点で、

 ゴッホがその美少女に恋をしてしまい、

 ゴッホとゴーギャンが複雑な関係になっていく、

 というのは、コメディとしてよく出来た設定でした。

 この設定を三谷幸喜さんが膨らまして、

 舞台化したら、さらに面白いことになりそうな。

 

 転生しても、自分を貫くあまり、

 なかなか漫画家として芽がでないゴッホ。
 その苦闘ぶりを描いたこの漫画自体が、
 おそらく大人の事情で、連載が早めに終わってしまったのでしょう。
 物語の最後が唐突だった感は否めませんでした。残念。
 主人公のゴッホの生き様よりも、
 この漫画そのものが、漫画家の大変さを物語っている気がしました。

スター スター スター 半分星ほし(星3.5つ)」

 

 

~漫画に登場する名画~
《ひまわり》 SOMPO美術館蔵

 

 

 

 

 

1位を目指して、ランキングに挑戦中。
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ にほんブログ村 美術ブログへ