ヨウソロ arttic column
April1,2021 vol.39
「視座を高める」
テレビでスポーツ観戦をしている時、なぜパスを出さないのか?なぜシュートを打たないのか?とチャンスを逃した選手の行動に苦言を呈することがあります。
しかしフィールドでプレーをしている選手は、観戦をしている我々よりも遥かに多くの経験を積み、技術力も国内トップクラスの選手達です。
まったく、どの口が偉そうに大口を叩いたのかと恥ずかしくもなりますが、なぜ経験値も技術力もない初心者である我々が多くのチャンスを見つけだし、斜め上から苦言を呈することができるのでしょうか。
それはテレビ越しに高い位置からフィールド全体が見えているからです。
見る高さが違うだけで、初心者でもプロ並みに、どこにチャンスがあるのかを見つけることができてしまいます。
このことから、弊社では社員教育として「視座を高める」ことを最重要課題に挙げています。
視座とはどの高さから物事を見ているかです。
技術や経験があっても多くのチャンスを掴むこととはイコールではなく、高い視座を持つことで技術や経験が活き、機械損失も減り、多くのチャンスに気づき、結果に繋げることができます。
自分の幸せだけに囚われると、周りへの配慮がない自分勝手な視座が低い行動をとってしまいがちです。
視座が高いと行動の質が変わります。
広く深く高く視ることでロジカルにもクリティカルにも様々な角度から物事を理解できるようになります。私達は、普段の生活や仕事など随所で視る力を試されます。
渋沢栄一の著書「論語と算盤」では人との関わりで大切なことは「視観察」と説いています。
「視る」その人の行動をみる
「観る」その人の行動の動機をみる
「察る」その人が何に満足しているのかをみる
人の本質である深さを見抜く為の「視観察」は、他人とのリレーションシップを築く為には大切なことになります。
一方、会社やチームでは、個を視る視観察の他に全体を視る視座が最重要項目となります。
一人一人を深く広く、そして高い座標から視る目を持つことでチームに多くのチャンスを掴ませることができます。
虫の目のように近いことを注意深く視る目、そして鷹の目のように広く全体を視る目、どちらも備わっているコトがチームで勝つ最善の方法ではないかと信じて、スタッフ教育の課題にしています。
私自身ももっと視座を高め、スタッフ全員がより多くのチャンスをものにできるよう精進したい、そのように思っております。
ありがとうございました。