浮世絵外交見聞録 | アジアヒューマンサポートのブログ

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アジアヒューマンサポートは、世界に向けてアジア人として何かできる事があると思い、教育支援、災害支援、浮世絵民間外交等行ってきました。まだ、10数年足らずですが、今は(社)日本国際芸術文化協会として、さらに幅広く活動も行っています。

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地球に生まれて来る本来の目的

人類が最初に行なう事は、文明を築く事です。
それならば、現代に地球に生まれて来る目的は?!

「 より良い文明を築く為!」と答えていきたいと考えてます。



浮世絵外交見聞録を出版したのも、そのひとつ。

芸術文化外交から見えてきた「人の上に人を創り、人の下にも人を創る!」
という大自然界も人間界も例外なく、過去、現在、未来の不変の法則性がある事は確かであり、一瞬ヒドイと思われるが、自然界を見渡し歴史からも理解できる。自然界に平等は存在し得ないという事。


世界では、特にヨーロッパやインド、タイ、中国等ではヒエラルキー(階層社会的社会)が根強く残り、海外の友人からしたら、民間人が勝手に外交等したら死刑だよ!また、日本国内ですら皇族、首相、外務大臣等の公人の仕事は外交、芸術文化交流が基本であり、海外ではこの分野はヒエラルキーに制限されている事が普通。ここに自由な職業の選択すらない。あるのは限られた世界の中から選択できる仮想自由が存在しているのみ。

日本人やアメリカ人ぐらいは、経済市場主義が強く経済格差はあっても、階層社会を体験した生活など少ないし、海外にビジネスとして乗り出してもほとんど芸術文化、外務大臣以上の貴族階級の方々と交流する機会がない為にこのような世界の常識を体感する経験は少ない事で理解が難しいかと思います。(いろいろな商人と会う自由があるのみ)

異なる文化の融合や組み合わせにより、新しい文化(芸術)が生まれる。これが政治、法律や教育、経済のルールと新しい文化の形成がそれぞれに影響して行く事が理解できると思います。


それ程、芸術文化の世界は、国家形成の要となり、敷いては外交に発展し、大きく捉えると文明の向上、下降にも左右されると聞くと、これをどの国がまたは誰が握るのか?となり日本やアメリカの一般的な教育ではなかなか聞いた事もないが、このように説明すると納得はできると思います。


ほとんどの方々は聞いたこともない話しだが最近は気軽に海外旅行へ行く人々が増えて、なんとなく理解はしてもらえるかと思います。



この世界に一般庶民の日本人が浮世絵を持ち歩くだけで…




 

 最初に浮世絵と出会った時は、江戸時代後期の浮世絵で、一番発達していた時代の豊国、国芳といった歌川派を中心としたものだった。本物を目の前にすると浮世絵は造形に近いものがあり、凹凸があって、彫り師によって髪が一本一本彫られているといった細部に渡る驚きがあった。何よりも、二百年も三百年も前に飛行機など存在しない時代に鳥瞰図が描かれていることに驚いた。

 浮世絵の鳥瞰図(鳥の目から観た)を見て、西洋人は『日本人は飛べるのか』と驚いたという。日本人は創造力を使って絵を描く。その頃の西洋人(日本以外)前頭葉のみ使い描く為に、例えばモデルを静止させて、絵を描くが、(写実的)

この時代に写楽などが凄いのは役者を観劇中には描かず、家に帰ってから描いている。創造力(後頭葉を使用)のなかで一瞬をとらえた絵には、とても躍動感があった。

こういった絵の描き方をするのは日本人のずば抜けた能力の特有だ。「浮世絵の凄さは教科書に書いてある訳ではないので、日本人は値段で判断しがちですが、浮世絵ではその頃すでに波や風、雷や光が詳細に表現されています。それらを表現しているのは当時、他の国ではありません」。何よりも浮世絵は当時、「理想社会を形成してきた総合媒体(メディア)だった。しかも300年間大きな戦争もなくである。総合媒体(メディア)という芸術文化が社会を築くという常識は先ほどの説明から理解できると思います。

現代で言えば電通であり、読売新聞などマスコミといったところでしょうか。



 一八六七年と一八七八年のパリ万国博覧会での日本の文物の紹介の中にあった浮世絵が、ヨーロッパの社会、当時のゴッホやモネ、マネ、ロートレックなどの画家たちに大きな衝撃と影響を与えた。それまでセーヌ川は汚物が浮かぶし、路上は糞尿だらけ、それを踏まない為のハイヒールが誕生、それらを紛らわす為の香水が発展していた事実。

江戸時代の日本では、隅田川は飲料水としても生活用水としてもあり、上下水道完備の糞尿は肥料としてリサイクルされ、美を意識した高下駄であり、美を意識した絹の芸術品である着物と、日傘は魅せるウエイトが高くまさに芸術文化溢れる国として、世界から注目されていた!


ヨーロッパは浮世絵が影響してから上下水道、現在の色鮮やかなフランス料理と、現在のセーヌ川と生まれ変わり、フランス料理文化がまだ200年あまりな事は教科書では伝わらない事実。(それまではバイキングのように肉を丸焼き片手で食いちぎる)

ヨーロッパの親日の画家らは油絵で浮世絵の表現から学び、「自分たちは浮世絵・版画派(インプレッショニスト)だ」と名乗った。日本の教科書では印象派と誤訳するが、彼らはインプレス(印刷:浮世絵・版画)派と日本に憧れを持って名乗っていた。

それ以来、浮世絵は世界に名だたる日本の芸術文化であり続けているしまた、
貴族階級社会では浮世絵は芸術文化の基本であり常識となるのです。



文化交流から平和交流へ

 「私のような者であっても浮世絵一つで、各国の要人と直接会うことが出来ます」。日本ではあまり意識されないが、世界には確固たるヒエラルキーがあり、普通の民間人が大統領や大使などと交流関係を持つことは普通できない。文化交流は貴族階級の仕事なのだ。上記で説明したとおりこの感覚は日本人にはあまり馴染みがないが、外国に行けば当然のものだ。「しかし、浮世絵一枚を持って行けばハグをされ、『このような素晴らしい芸術文化を持ってきてくれてありがとう』と言われます。そして、本物の浮世絵を見た人達は子どもに返ったように喜んでくれます」。(逆に大使や外務大臣以上、国王などは外交とボランティア以外はほとんどされませんよね!)マンゴーを沢山売る事に汗はかかない。


 日本の浮世絵は世界中の貴族社会に最高峰の芸術文化として認知されている。彼らが求めるのは、新たな政治、経済、教育であり、自分がそのリーダーとして新たなインスピレーションを得るものとして芸術を求める。決して、「この絵が将来値上がりするから」という理由で芸術を求めないからこそ、当時、蕎麦一杯の値段で買うことが出来た浮世絵でもインスピレーションを与えるトップカルチャーとして常識的に認められて来た。

また、彼らは芸術とは戦争がある時代には育たないことも、浮世絵が三百年間も戦争がなく、その間に育った江戸時代の文化であることも知っている。日本人が本物の浮世絵を持っていけば、平和交流をしに来たとすぐに分かり、そこに説明は要らない。「浮世絵はモーツァルトの音楽のようにずっと一級品の芸術として生きています。(本物の芸術に寿命はない)浮世絵が感動を与えられるもので、平和の象徴であることは彼らには常識なのです」。

 二〇〇四年のカンボジア大使館を皮切りに世界各国の大使館に浮世絵を寄贈するという浮世絵外交を始めた。当時東京にいたこともあり、外交のキーマンである大使とならば、治外法権である大使館へ伺うならば、パスポートやビザの必要もなく、気軽に民間交流を行なえるのではないかという考えからだった。

これまで五十ヶ国以上の大使館に浮世絵を寄贈していて、イラン、イラク、パキスタン、パレスチナ、アフガニスタン、日本では認められていない台湾大使館でも浮世絵外交をしている。
 「恐らく、外務大臣よりも大使館を出入りしていると言われますが…(きっと外務大臣はもっとお会いされている事を願う)

これらの活動で、日本の芸術・文化を持って行けば平和交流ができることを体験として分かりました。また、こういった交流であれば、その国の本音を聞くことができますし、その時日本では既得権益が障壁となって形に出来ない研究をしている学者がその国と繋がるお手伝いをすることもあります」。


 日本はいわゆるエコ特許(ECO技術)において世界の五五パーセントを持っているが、それが活かされていないのが現状だ。その技術をどこかの国で開化させることが出来れば、日本人の評価につながり、外貨を稼ぐことにもなる。また、大使を通した関係になるので、ビジネスをする上でもある程度の安心がある。ただ、ビジネスにつながるような交流をする場合でも、まずは芸術文化が最初が基本なのです。

もし、文化交流がないまま貴族階級社会の中では最下層の商人の名刺など差し出す行為はマナーを知らない不審者としてみられ、日本的なビジネスの常識でのアプローチは命取りになってしまうのだ。(世界一の商人は武器麻薬商人ですから)

 「日本で活かされない技術が浮世絵のように、ヨーロッパやアジアで開化することで、日本にとってデメリットはないと思います。また、芸術文化から入って行くことでのメリットもあります。ビジネスに芸術・文化を付加することでインタラクティブにもなり裾野が広がり、文明が豊かになり、富も増えます。

※売る買うの二次元論から説明すると、例えばアーティストが新曲を出す!それを待ち望み選んで買う!という世界から、新曲を出す!顧客が更にアレンジしてサイトにUPして新たな市場を生み出し、選ぶ市場プラス創る市場をも生み出し、更に選ばれる市場にも参加、発展し四次元的空間から、市場に参加していた子供達も待ち望み選ぶ思想から、創造する思想が小さい頃から育まれる事は予想されるし、そんな創造性豊かな子供達が大きくなった社会は芸術性溢れる社会が期待される。(どの業界でも言える事だ!)



芸術文化は心だけでなく物質的にも豊かにすることができると思います。創造力があれば豊かになるのは心だけではありません。さらに言えば、食べるのに困らなくなったら、芸術・文化にまで行かなければ本当の富は得られません。ボランティアや芸術文化は新しい畑を耕すことにつながるのです」


芸術の活用一例として

今もそうですが、 昨年一月の尖閣諸島問題が最も緊張している時期には、「浮世絵外交は今しかない」と友人関係にある中国軍の中でもかなり位の高い軍人アーティストのリュー・ダウェイ氏にアポをとり、浮世絵片手に中国軍の中に入った。時期が時期だけに用心をして、SOSを出せる発信器を身につけて行ったが、「片道切符になるかもしれない」という心配をよそに対応は歓迎ムードだった。

 この対応についてリュー・ダウェイ氏に聞くと、「中国人は平和交流を受け入れないようなことはしない」と言われた。また、尖閣諸島問題について直接聞くことはできなかったが、「個人としては、日本と戦争をしても何もメリットはない。経済の面では中国は日本と組まないことはありえない。一部の人間や政治が三分されている以上分からないこともあるが、少なくとも私は軍の指揮官ではあるが、日本と争うつもりはない」とも言われた。

この訪問はその後の日本の衆議院会館での日中の友好交流や中国の国家美術館での浮世絵交流に繋がった。

空論をいろいろ論じる方々が集まりディベート向上に勤しむ事に興味はないが、(ハッキリ言って仲良くする事に人生かけて努力などした事のない評論家達)

現在世界にはあまり時間がない為に、実践から現象へ移し論を証としないで、いったいどれ程の意味があるのだろう…と考えます。

結果から 「政治よりも芸術文化の方が出来ないことが少ないということを示していると思います。

芸術は国境も地位も越えることができるのです。私が政治家であれば、もちろん闘わなければならなかったでしょうが、浮世絵を一枚持って行くだけで受け入れてくれたということです。芸術文化は闘いになりません」
 日本は今も尚、世界に影響を与え続けている世界最高峰の芸術文化である浮世絵をもっている。

日本人なら浮世絵外交士になるための資格は何も要らない。要るのは少しの行動力だけで、浮世絵を片手にトップクラスの軍人にも一番言わなければならないタイミングでものを言えるということを証明している。

 「全ての交流はマインドの交流です。それが浮世絵にはちりばめられていますし、浮世絵が三百年もの間、貴族階級の人達に愛されているのは、彼らがそれを知っているからです。浮世絵外交を通じて日本人に浮世絵をもう一度見直して欲しいです。今回、本を出版したのは「文明の向上」そのためでもあります」

浮世絵の中でも特に芸術性高い作品には、「 作者の心情、意図、思想」が不可欠という事も言われています。


続きは本や講演会でと言うと、ズルいと思われますが、氷山の一角を書くだけでも本当に大変ですからあしからず。



梓書院 出版社のページ
http://www.azusashoin.com/books/cate02.htm
担当者 / 藤山、副島

(社)日本国際芸術文化協会のホームページ
http://ijac.jp/index.html

各国の大使館や大統領、首相へ浮世絵寄贈している
http://ijac.jp/activity_ukiyoe.html


平井正昭Facebook
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