返せば済むのか? 前原外相ちゃんちゃらおかしい「言い訳」 (日刊ゲンダイ2011/3/4)

怪しい闇社会献金虚偽記載

闇社会からの献金疑惑が噴出した前原誠司外相(48)。きのう(3日)夜に会見し、「道義的責任をもちまして、献金は全額返却したい」と言い出したが、返却すれば済む話ではない。黒い金という認識があったのではないか。だから、虚偽記載をしてごまかそうとしたのではないか。疑惑は山のようにある。それでなくても、前原の政治資金には怪しい点がゾロゾロだ。“黒い外相”の頬かむりは許されない。
前原に持ち上がった疑惑とは、政治団体「まえはら誠司東京後援会」の政治資金収支報告書(09年分)のウソである。

暴力団との関係が噂される会社から献金を受けながら、会社名がソックリな無関係の会社(千葉県)を記載し、代表者欄には、これまた名称が酷似した別会社(港区)の代表者名を記した。手の込んだ二重の虚偽記載で“架空会社”をデッチ上げ、闇社会とのつながりを隠そうとしたフシがあるのだ。
これについて前原は2日、こう釈明した。
「当該会社名をパソコン等で検索し、検索結果の一覧画面のうちのひとつを、そのサイトに実際に入ることなく、画面に表れている住所と代表者名を収支報告書にそのまま記載してしまった」

ただの記載ミスというのだが、これはどう考えてもおかしい。検索一覧画面に出てくるのは会社名だけで、住所も代表者名も出てこない。わざわざ、別会社から会社名と代表者名を引っ張ってきたのもあまりに不自然だし、ミスにしては手が込みすぎている。前原は3日の会見でも、「意図的だったのではないか」の質問には全面否定。シラを切ったが、説得力はゼロである。

◆他にも疑惑まみれのカネがゴロゴロある

大体、前原には他にも「誠司とカネ」の疑惑がある。各メディアが取材に走っていて、愛里夫人(42)からの“巨額借入金”もそのひとつだ。
「前原が代表を務める政治団体『民主党京都府第2区支部』は09年、愛里さんから748万円、資金管理団体『新緑会』も500万円を借り入れていました。愛里さんは創価短大卒業後、人材派遣大手『パソナ』のグループ会社で働いていた。2人が結婚したのは、南部靖之代表の紹介によるものです。愛里さんは1250万円ものカネをどういう経緯で、どこから出したのか」(政界事情通)

人材派遣会社といえば「ザ・アール」の奥谷禮子社長も新緑会に20万円の献金をしている。「格差は当然」「過労死は自己責任」などの発言で知られ、小泉政権下で郵政民営化に取り組み、その後、日本郵政の社外取締役も務めた人物だ。
その日本郵政から婚礼施設「メルパルク」を格安で手に入れ、批判を浴びた総合ブライダル大手「ワタベウェディング」の渡部隆夫会長も17万円を寄付している。
「前原の収支報告書には、葬儀会社からパチンコメーカーまで業種を問わず、有力企業や団体、財界人の名前がズラリです。強制わいせつや児童への暴行で講師がマスコミ沙汰になった大手進学塾からの献金もありました」(永田町関係者)

献金の経緯について問い合わせても、「担当者が不在」の一点張りで逃げ回る前原事務所。参院では火ダルマ必至だ。



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