[都知事選]「マトモなのはアイツだけ…」と密かに人気の候補 (日刊ゲンダイ2011/3/4)

ひょっとするとひょっとするか!?

石原都知事の不出馬が決定的になり、混沌としてきた都知事選。目下、立候補を表明しているのは、松沢成文神奈川県知事(52)、居酒屋チェーン「ワタミ」の渡辺美樹前会長(51)、小池晃・前参院議員(50)の3人で、東国原・前宮崎県知事(53)も近く、正式表明するとみられている。他にも自民党の丸山和也参院議員(65)が意欲を見せる。

告示は今月24日、投票日は来月10日だが、旧自民党関係者で、今は政権の中枢で活躍する人物がこう言っていたから驚いた。
「今回、俺は小池に入れるよ。他のはロクなヤツじゃない」

保守層からも共産党の参院議員だった小池が意外な人気なのである。小池といえば、共産党の政策委員長や参院幹事長を歴任。TVでも顔が売れている論客だ。昨年、参院選で落選した時は、同じ東京選挙区でライバルだった蓮舫大臣が「惜しい人が落ちてしまった」と残念がったほどである。
そのうえ、他の候補が確かにヒドイ。松沢は石原ダミーだし、渡辺は早くもスキャンダルが噴出中。東国原にいたっては、ステップアップ狙いがミエミエで、都民をバカにするな、と言いたくなる。


こうなると、小池に注目が集まるのも分かる。意外に票を取りそうなのである。小池に手ごたえを聞いてみた。
「正直、首長を選ぶ選挙ですから、そんなにたやすい戦いではありません。でも、マトモな候補者はアナタしかいない、という声は聞きますし、他の候補者の方の立候補の仕方を見ると、まともに都政を考えているのかな、とは思いますね。後出しじゃんけんに示されるように、どうしたら勝てるかしか考えていない。都政のことよりもキャリアアップに有利だとか、国政への足がかりにしようとか、そういうことしか考えていないように見えます。今度の選挙は12年間の石原都政をどう見るかです。老人福祉率は全国2位から47位になった。大型の箱物をつくる投資的経費は7年間で147%になった。全国平均は71%なのに東京都だけが突出している。松沢さんは、こうした石原都政をモデルにしてきた人。石原氏のクローンだし、渡辺さんは都政に関して具体的なことを言っていません」

確かにそうだ。東国原なんか、「宮崎をどげなせんといかん」と言いながら、4年で辞めて転身を狙う。
「結果を出したのか、と問いたい」(小池氏)

共産党の参院議員だった小池に“抵抗感”のある有権者は多いだろうが、小池が掲げる政策は築地移転反対など都議会民主党が掲げた政策と一致点が多い。美濃部都政は社会党と共産党が一緒に応援して実現させたが、小池は台風の目になるかもしれない。



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