大熊猫 です。

今 この本を読んでいます。
大変面白かったので、ご紹介いたします。
 

現在 茶道に関わる方は 圧倒的に女性が多いですが、
その昔 茶の湯は男性のためのものであり、
また、武士が覇権を示すための道具でもありました。

まだ、本書 読み初めなので
江戸時代まで読みすすめておりませんが、
例えば 織田信長

当時 文化の中心であった京の都から
遠く離れた 尾張の田舎大名であった
彼にとって 茶の湯は 自分の権力を示すための
ものでした。

多くの武将が
当時 権力を持ち始めた信長に
名物茶器を贈り、服従を示しています。

かの有名な本能寺の変の前夜も
信長は 本能寺の客殿に
名物狩りで集めた茶道具をずらりと並べ、
茶会を開いたそうです。
それは 茶会というよりは 茶道具のお披露目会といった
様相だったそうですが。

たくさんの茶道具を前に
信長の気持ちとすれば
「俺はこの道具をこんなに持てるくらいの力があるのだ」
と指し示したのではないでしょうか。

信長の所有した 茶器は200点を超え、
それ すなわち 信長の権力の象徴だったようです。

また、
豊臣秀吉は京都北野で大茶会を催しています。

この茶会は
身分の貴賤に関わらず、
茶の湯好きの者は 誰でも参加できたといいます。

黄金で作った茶室に茶道具を飾り、
平民も含め、津々浦々までまで
自分の権力を示した秀吉に
わび茶の世界を探求した 利休は どのような感慨を持って
眺めたのでしょうか。

現在の茶道が 女性のものとなったのは
戦後の混乱期 男性が不足したから、
茶道の考えが 婦女子の花嫁修業の考えと合致したから。
などなど いろいろかことが考えられます。

今の時代は 女性も 会社や家庭で
闘わなければなりませんので、
戦国時代の大名のように
戦の前に こころをしずめるため
茶の湯 は必要かもしれませんね。

やはり
たかがお茶、
されど お茶です。

茶の湯事件簿/淡交社
¥1,944
Amazon.co.jp