ギリシャ神話に登場するアポロン、ローマ神話ではアポロ。
光明、医術、予言、音楽、詩歌、弓術などの神様で、ギリシャ神話一番のイケメンだそうです。
『天にあるアポローン』アントン・ラファエル・メングス作
イケメンだったにも関わらず、初恋は報われませんでした。
ダフネに一目惚れして、追いかけ回しますが、逃げられてしまいます。
もう少しで追いつく、というとき、ダフネは月桂樹に姿を変えてしまいました。
『アポロンとダフネ』ベルニーニ作
『アポロとダフネ』ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス作
アポロの悲劇は続きます。
両思いの少年ヒュアキントスと円盤投げをしていたら、アポロが投げた円盤がヒュアキントスの額にあたって、死んでしまうのです。
頭から滴る血が、ヒヤシンスになったそうです(異説あり)。
『ヒュアキントスの死』ベンジャミン・ウエスト作
足元に円盤が落ちています。
アポロは医術の神様でもあったので、なんとか助けようと薬草を頭に塗っています。
『ヒュアキントスの死』ティエポロ作
円盤ではなくテニスラケットが置かれています。
この頃、テニスが流行り始めたようですね。
神話に流行を取り入れてもいいのでしょうか。
ところでどうして裸なの?
神話や宗教画を描くときはお約束があって、神様は裸なんです。
たとえばこれがわかりやすいです。
『民衆を導く自由の女神』ウジェーヌ・ドラクロワ作
女神だけが裸で描かれています。
実際、戦場で人間が裸になったら危ないですよね。