気象庁によりますと、霧島連山の硫黄山の周辺で8日午後1時前におよそ2分間、地下の熱水や火山ガスの動きを示すと考えられる振幅の小さな火山性微動が観測されました。また、この微動に伴って、硫黄山の北西方向が僅かに隆起するような地盤の変動が観測されました。
硫黄山周辺では7日夜もおよそ5分間にわたって振幅の小さな火山性微動が観測されています。
2日連続で微動が観測されたのは今回が初めてです。
8日に気象庁の職員2人が現地で調査を行った結果、硫黄山の火口内の南西側と山頂付近の火口南側斜面で、噴気が5メートルから10メートルほど上がっていたほか、今月4日に行った調査と比べて噴気周辺にある地面の温度の高い範囲が僅かに拡大していることを確認したということです。
調査を行った福岡管区気象台の平松秀行技術専門官は、「前回の調査と比べて活動が特に高まっているということではないが、噴気の近くでは火山ガスが出ているので立ち入り禁止の場所には入らないようにしてほしい。今後も注意深く観測を続けていきたい」とと話しています。
硫黄山では去年5月に火口周辺警報が解除されましたが、去年7月以降、たびたび火山性微動が観測されています。去年12月には13年ぶりに噴気が確認され、現在は2か所から噴気が出ている一方、すぐ前を通る登山道のおよそ30メートルの区間以外では立ち入り規制などは行われていません。
気象庁は、硫黄山周辺では火山活動がやや高まっているとして、噴気や火山ガスなどの突発的な噴出に注意するよう呼びかけています。