今回は、建物などが不幸にも火災とかで燃えてしまった時の話です。
この場合、2つのケースが考えられます。
すなわち、
①火災保険を契約していない場合
②火災保険を契約している場合
です。
どのケースかで、仕訳も違ってきます。
それでは参りましょう。
まず、①の場合には、
「建物」という資産と
「建物減価償却累計額」という毎年積み上げる負債がなくなります。
そして、その差額が建物の価値ですので、その分は丸ごと「災害損失」という勘定科目で損金とします。
損益計算書に記載する際は、「特別損失」の項目に記入します。
災害は通常発生するものではないので、「特別損失」です。
普段儲けているけど、災害の規模によっては当期純利益がダダ下がりになることもありますが、本業(営業利益)には差し支えないということですね。
(毎年火災に遭ってたら、それはそれで疑わないといけませんが)
①をまとめると、こんな感じでしょうか。
次に、②の場合についてです。
まず、災害が遭った当初の仕訳としては、「建物」と「建物減価償却累計額」の差額を「未決算」とします。
つまり、差額を保険金として受け取る可能性があるので、債権として計上するわけですね。
ここで、
「保険金は契約してる金額分受け取れるんじゃないの?」
という疑問が湧いてくると思いますが、損害保険というものは、
「保険金=保険の対象が災害に遭う直前の状態に戻すためかかったカネ」
ですので、基本的に差額以上の金額を支払うことはできません。それだけしか価値がないものですから。
それでも、最近は法人でも新築するのに必要なカネを支払ってくれる保険もあるようですが、簿記2級では出て来ないのでここでは触れません。
そして、査定やその他諸々の手続きを経て、いくら支払われるという連絡が保険会社から来ると、そこでもまた仕訳が行われます。
「未決算」勘定の金額を、もらうカネである「未収金」勘定に振り替えます。
まず連絡があり、その後にカネの振込ですので、間違えても「当座預金」などと書かないように注意したいものです。
そして、さらにその差額が保険差益(損)となります。
まとめるとこんな感じでしょうか。
今回はこの辺で。