今回は、AFはともかく、自動露出(AE)を意識して撮るということについて書いてみようと思います。


カメラのオートには、通常、オートフォーカスと自動露出(AE)の機能があります。自動露出の方は、その写真をどういう明るさで撮影するか、カメラが瞬時に勝手に判断する機能です。露出に関するすべてを自動で判断するモードは、通常はプログラムオートと呼ばれます(Pモード)。このPモードに、絵作りのパラメーター等を加えたものがAutoと言われるモードで、Pモードと基本的にはそう変わりません。


さて、自動露出の調整は、主に、絞りの開け方とシャッタースピードで調整されます。絞り優先AE(Aモード)とか、シャッター優先AE(Tモード)は、人間が絞りやシャッタースピードを指定するものですが、最終的に明るさを判断するのは、カメラの自動露出機能であることに変わりありません。そして、カメラの内蔵露出計は18%グレー(黒より若干明るい程度の灰色)を基準に適正露出が得られるよう設定されています。


ところが、自動露出を使うと、ここで大きな問題が発生します。自動露出の機能は、かなりの明暗差があるかもしれないシーンを自動的に判断し露出を決定してくれるのですが、カメラ自身には、カメラマンがどう写したいかは伝わらないのです。

このため、実際に撮影すると、人間の目でみたより明るく写ったり、暗く写ったりするわけで、どのカメラにも露出補正機能が備わっているのも当然と言えます。まあ、実際に露出補正すると言っても、実は明確な答えはなかったりするのですが、積極的に露出補正することで、より雰囲気が出た絵作りの可能性が広がるとは言えます。



それでは、このカメラに搭載されているAE機能を使わず、マニュアル露出したらどうでしょう。シャッター優先AEに関して、ちょっと考えてみます。

野鳥撮影で、300mm、SS 1/800、ISO Autoの設定で、シャッター優先AEで、実際に撮影します。そうすると、F値は、F6.3か絞ってもF7.1でほぼ一定で、ISO感度のみが大幅に上下することがわかります。望遠の世界は、基本的にレンズが暗いので、AE機能では、絞りをほとんど絞らず、調整はISO感度が主になっているのがわかります。

つまり、シャッター優先AEであっても、現実的には、シャッタースピードと絞り値はほぼ固定されているわけで、マニュアル露出で、ISOをAutoに設定し、シャッタースピードと絞り値をカメラマンが設定しても、実体は変わらないとも言えます。



こう考えていくと、プロカメラマンが、絞り優先AEやマニュアル露出(両方の併用含む)で撮ることが多いのもなんとなく理解出来ます。シャッタースピードが遅くなったら三脚を使えば良いので、どれだけ絞ったかの方が、写真の出来に影響しますし、無難な明るさではなく、カメラマンが意図した明るさを、写真に盛り込もうとしたら、マニュアル露出を選択することになります。露出補正でも当然対応出来ますが・・・・・・。



今回の画像は、5月3日に長野県小川村で撮影した桜の写真です。パナソニックのGX-1で撮影したものですが、このm3/4のカメラ、写りが思っていた以上に良いので、非常に気に入っています。


Panasonic DMC-GX1・絞り優先AE(32mm・F11・1/500sec)・ISO-160・14-42PZ